🗨️「玄関に止水板を付けたいです。補助金は国や都からもらえますか?」
出しているのは住んでいる区や市です。東京都は個人に直接は出さず、助成をする区市町村を支えていて、2026年7月時点で23区のうち16区と多摩の4市に制度があります。補助は工事費の2分の1から5分の4、上限は10万〜150万円と幅があり、ほとんどの制度は買う前・工事の前に申請しないと対象になりません。
[災害] この記事の要点
2026年10月16日 発表
- 玄関や車庫から雨水が入ったことがある家
- ハザードマップで浸水が想定されている区域に住んでいる人
- 半地下の駐車場や店舗を持っている人
出すのは区と市
「浸水対策なら国の補助金があるはず」と探す人は多いのですが、家に付ける止水板に国が直接出す補助は見当たりません。国土交通省の資料にある交付金は、地下街や地下鉄の管理者などが浸水防止の設備を付けるときに、自治体を通して出す仕組みです。
東京都も、都民に直接は出していません。都は2025年12月、止水板の設置に助成する区市町村を支える補助を作りました。きっかけは2025年9月11日の大雨で、都の資料には、この日に気象庁が出した記録的短時間大雨情報として、目黒区で1時間134ミリ、大田区で120ミリ以上と載っています。都の一覧(2026年7月現在)で制度があるのは次の20区市です。
- 23区:港・文京・台東・品川・目黒・大田・世田谷・中野・杉並・北・荒川・板橋・練馬・足立・葛飾・江戸川の16区
- 多摩:八王子・三鷹・調布・狛江の4市
雨水が玄関や車庫から入った経験があると、次の大雨のたびに不安になるものです。住んでいる区や市に制度があるかは、自治体のサイトで「止水板」と「防水板」の両方で探すと見つかります(杉並区と新潟市は「防水板」と呼んでいます)。

乾かすときと、次の雨の前に
床上でも床下でも、乾かすのに約1か月かかります。そのあいだ風を送り続ける道具と、次の雨で水を玄関から入れないための道具です。
床をはがしたあとの床下や壁の中は、窓を開けるだけでは空気が動きません。床の開口部に向けて風を送り続けると、乾くまでの1か月を短くできます。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
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区と市の補助の一覧
公式ページで補助率と上限を確かめられた8つの区と市です。右の列は、その区や市で冠水しやすい場所をまとめた当サイトの記事です。
| 区・市 | 補助 | 上限 | 条件 | 冠水の場所 |
|---|---|---|---|---|
| 世田谷区 | 個人4/5・法人3/5 | 工事100万円/簡易型16万円 | 設置・購入の前に申請 | 世田谷区 |
| 大田区 | 個人4/5・それ以外3/5 | 工事:個人100万円・それ以外150万円/簡易型:個人25万円・それ以外20万円 | 浸水した地域か浸水想定区域。工事は着手前、簡易型は購入後に申請 | 大田区 |
| 杉並区 | 3/4 | 1建物100万円 | 個人。交付決定のあとに着工 | 杉並区 |
| 練馬区 | 1/2 | 100万円 | 2026年7月に開始。簡易型の購入も対象 | 練馬区 |
| 川崎市 | 購入費の1/2 | 10万円 | 取り外せる止水板の購入。交付決定の前に買うと対象外。受付は2027年1月29日まで、予算約30件分 | 川崎市 |
| 新潟市 | 1/2 | 建物1棟50万円 | 浸水した区域か浸水想定区域。交付決定のあとに施工 | 新潟市 |
| 朝霞市 | 4/5以内 | 100万円(1回限り) | 工事・購入の前に申請 | — |
| 新座市 | 1/2 | 1件40万円 | 市販品の購入も対象。交付決定のあとに着手 | 新座市 |
出典:各区市の公式ページ・要綱・チラシ(2026年10月15〜16日確認)。世田谷区の金額は要綱、大田区は令和8年度の条件です。どの制度も予算の範囲内で、内容は年度ごとに変わることがあります。
大阪市・横浜市・名古屋市・さいたま市・川口市・福岡市は、公式サイトで止水板の補助を見つけられませんでした(雨水タンクの助成や土のうの貸し出しはあります)。
50万円の工事でいくら戻るか
同じ50万円の工事を、個人が住宅に付ける場合で比べると次のとおりです。率と上限だけで出した目安で、実際は対象になる費用の範囲で変わります。
| 区・市 | 補助 | 自己負担 |
|---|---|---|
| 世田谷区・大田区・朝霞市(4/5) | 40万円 | 10万円 |
| 杉並区(3/4) | 37万5,000円 | 12万5,000円 |
| 練馬区・新潟市(1/2) | 25万円 | 25万円 |
| 新座市(1/2・上限40万円) | 25万円 | 25万円 |
川崎市は工事費ではなく、取り外せる止水板の購入費が対象です。20万円の製品なら半分の10万円が上限いっぱいになります。
買う前に申請する
いちばん多い失敗は、先に買ってしまうことです。川崎市は「交付決定通知書が届く前に購入した場合は補助の対象外」、新潟市は「交付決定後の施工」と書いています。表の中で、買ったあとに申請できるのは大田区の簡易型だけでした。
大田区と新潟市は、過去に浸水した区域か、ハザードマップで浸水が想定される区域かを条件にしています。川の氾濫だけでなく、下水があふれる内水の想定区域も含まれます。地図に色が無い場所でも浸水することはあり、その見方は内水浸水想定区域の記事にまとめています。
よくある質問
Q. 国土交通省の止水板の補助金はありますか。
A. 家に付ける止水板に国が直接出す補助は見当たりません。国の交付金は、地下街などの管理者に自治体が助成するときに、その一部を国が出す仕組みです。
Q. 東京都に申請できますか。
A. 東京都は個人には出していません。申請先は住んでいる区や市です。都の一覧で制度があるのは2026年7月現在、16区と4市です。
Q. ホームセンターで売っている置くだけの止水板も対象ですか。
A. 世田谷区・大田区・練馬区・新座市・川崎市は、工事のいらない製品の購入も対象にしています。大田区は中古品と送料は対象外です。
Q. 大阪市や横浜市にはありますか。
A. 2026年10月16日に公式サイトを調べた時点では、止水板の補助は見つかりませんでした。雨水タンクの助成や土のうの貸し出しは行っています。
生活・仕事にどう効くか
- 申請の順番:世田谷区・杉並区・川崎市・新潟市・朝霞市・新座市は、交付決定の前に工事・購入すると対象外。
- 工事のいらない製品:世田谷区・大田区・練馬区・新座市・川崎市は、置くだけの簡易型の購入も対象にしている。
- 区域の条件:大田区と新潟市は、過去に浸水した区域か、ハザードマップで浸水が想定される区域が条件。
結局どうすればよいか
- 住んでいる区や市のサイトで「止水板」「防水板」を検索し、制度の有無を見る
- 見積もりを取ったら、工事・購入の前に申請する
- 家の住所がハザードマップの浸水想定区域に入っているかを調べておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 東京都都市整備局「止水板設置促進アクション」(2026年10月16日発表)
- 東京都都市整備局「各区市町村の助成制度一覧(令和8年7月現在)」(PDF)(2026年10月16日発表)
- 世田谷区 止水板設置等助成制度(2026年10月16日発表)
- 大田区 止水板設置助成制度(2026年10月16日発表)
- 杉並区 防水板設置工事費の助成(2026年10月16日発表)
- 練馬区 止水板設置助成制度(2026年10月16日発表)
- 川崎市 止水板購入促進補助金(2026年10月16日発表)
- 新潟市 防水板設置等工事助成制度(2026年10月16日発表)
- 朝霞市 止水板設置費補助金制度(2026年10月16日発表)
- 新座市 止水板等設置費補助金(チラシPDF)(2026年10月16日発表)
- 国土交通省「地下街・地下鉄等における避難確保・浸水防止対策に関する支援措置」令和7年8月時点(PDF)(2026年10月16日発表)
更新履歴
- 2026年10月16日 初版を公開
※本記事は2026年10月16日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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