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新潟市 冠水 どこが危ないの? 288か所のうち、市が人を張り付けているのは31か所

新潟市は、道路が冠水しやすい場所を毎年数え直して公表しています。令和8年4月1日現在で288か所。国が管理する道路が18か所、市が管理する道路が270か所です。

288か所と言われても、どこから気にすればいいのか分かりません。ところが同じ表には、もう1行あります。「うちおおむね深さ80センチメートル以上冠水するおそれのある箇所」。その数は31か所です。

そして市は、この31か所についてだけ、別の扱いをしています。

この記事でわかること

  •  新潟市の道路冠水想定箇所は288か所。うち「おおむね80センチ以上」は31か所
  •  市はその31か所について建設業者と契約し、雨のときにパトロールしてバリケードを置く
  •  31か所のうち13か所は、施設名が現地に表示されていない
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箇所数は新潟市「道路冠水想定箇所」(令和8年4月1日現在)の表を写したものです。31か所の中身は、市が公開している箇所台帳を31件すべて開いて読み取りました。標高は台帳の地先名を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
目次

市が人を張り付けているのは、31か所だけ

新潟市の道路冠水対策のページに、こう書いてあります。

おおむね80センチメートル以上冠水するおそれのある箇所において建設業者と契約し、降雨状況により、すみやかに職員または契約している建設業者がパトロールを実施します。パトロールの結果、冠水のおそれがある場合にはバリケードを設置するなどの安全対策を行います

288か所すべてを見に行くわけではありません。あらかじめ業者と契約して、雨が降ったら人が向かうのは31か所です。

市はほかに、雨量観測網と気象情報配信メールを使った出動体制、注意喚起看板の設置、消防・警察や国・県の道路管理者との情報共有を挙げています。

読者

80センチというのは、どのくらいの深さですか

おかあさん

大人の腰より上です。車のドアは水深30センチほどで開けにくくなり、60センチでは車体が浮いて開かなくなります。歩ける限界も50センチくらいまで。80センチは、車でも徒歩でも入ったら戻れない深さです

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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31か所は、区でこれだけ偏っている

新潟市でおおむね深さ80センチ以上冠水するおそれのある31か所の区別の内訳
秋葉区10と中央区8で18か所。江南区と南区は1か所もありません
箇所数
秋葉区 10
中央区 8
西区 5
北区 4
東区 3
西蒲区 1
江南区 0
南区 0

8つの区のうち、秋葉区と中央区の2区だけで18か所。江南区と南区は1か所もありません。

秋葉区の10か所は、1本の市道に5つ並んでいる

いちばん多い秋葉区の10か所を並べると、面白い形が見えます。

地先 道路 施設名
古田1178-1 市道 新津1-524号線 R403No.1ボックス
北上571-8 市道 新津1-524号線 R403No.2ボックス
川口681-1 市道 新津1-524号線 R403No.3ボックス
荻島350 市道 新津1-524号線 R403No.4ボックス
車場1035-1 市道 新津1-524号線 R403No.5ボックス
蒲ヶ沢1524-1 市道 新津4-90号線 (施設名なし)
大関46-1 市道 新津2-806号線 JRアンダー部
大関692-1 市道 新津4-98号線 JRアンダー部
北上3丁目828-1 主要地方道 新潟新津線 JRアンダー部
蒲ヶ沢472-1 一般県道 新津小須戸線 旧ヤンマー農機倉庫前

市道新津1-524号線という1本の道に、No.1からNo.5までのボックスが5つ並んでいます。国道403号をくぐる箱型の道が、同じ路線に連続しているという意味です。

残る5か所も、3か所がJRのアンダー部。秋葉区は旧新津市で、鉄道の町として知られた土地です。線路が多ければ、線路をくぐる道も多くなります。

冠水した道路を進む車。路肩の白線が水の下に消えている
冠水した道路を進む車。路肩の白線が水の下に消えている(写真: Pexels)

中央区の8か所は、7か所に名前が出ていない

新潟市の31か所のうち、施設名が現地に表示されている箇所と、されていない箇所
全体では13か所が表示なし。中央区は8か所のうち7か所が表示なしです

箇所台帳には、施設名のうしろにかっこ書きがあります。「施設名現地表示 有り」「無し」。31か所を数えると、有りが18か所、無しが13か所でした。

この13か所の内訳を見ると、中央区にかたまっています。

地先 施設名 現地表示
万代1丁目 万代クロッシング 有り
長嶺町 栗ノ木バイパスJRアンダー部 無し
関新2丁目 千歳大橋アンダー 無し
本馬越1丁目 本馬越アンダー 無し
本馬越1丁目 信越・白新線アンダー 無し
本馬越1丁目 新潟港線アンダー 無し
白山浦2丁目 白山駅アンダー 無し
一番堀通町 一番堀アンダー 無し

中央区8か所のうち、現地に名前が出ているのは万代クロッシングだけです。

これは実際に困ります。「白山駅アンダーが冠水」と言われても、その名前を現地で見たことがなければ、いつも通っているあの道のことだと結びつきません。本馬越1丁目には3か所が集まっていて、しかも3か所とも名前が出ていません。

標高を引くと、マイナスが2つ出てくる

新潟市の31か所の地先の参考標高。中野山はマイナス1.1メートル
マイナス1.1メートルから9.6メートルまで。幅は10.7メートルしかありません(国土地理院 標高API)

31か所の地先を国土地理院の標高データで引きました。低いほうから並べると、東区中野山がマイナス1.1メートル、東区上王瀬町がマイナス0.4メートル。海面より低い場所が2つあります。

そのあとは中央区長嶺町0.1メートル、中央区万代一丁目0.2メートル、中央区白山浦二丁目0.2メートルと続きます。いちばん高いのは秋葉区大関の9.6メートルでした。

幅は10.7メートル。ほかの市と比べると、この狭さが際立ちます。福岡市は同じ手順で1.6メートルから53.2メートルまで、幅51.6メートルありました。金沢市も0.2メートルから63.1メートルです。

新潟市の31か所は、全部が「ほぼ海面の高さ」に並んでいます。市内に逃げ場になる高台がないぶん、掘り下げた道の水は出ていく先がありません。

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標高は地先名の住所検索で得た代表点の値です。同じ町名のなかでも場所によって上下します。⚠️ 国土地理院の住所検索は、入力した地名が見つからないと近い別の場所を黙って返すことがあります。ここでは返ってきた住所が入力と一致したものだけを使っています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。



市が数え直しているのは、平成23年の豪雨のあとから

新潟市がこの一覧を毎年更新しているのには、きっかけがあります。市のページにはこう書かれています。

新潟市でも、平成23年度の新潟福島豪雨により、各地で道路の冠水被害が発生しました。その後も毎年のようにゲリラ豪雨が発生しており、道路がたびたび冠水しています

そのうえで、一覧表と箇所マップを毎年更新し、80センチ以上の箇所については台帳まで公開する、という組み立てになっています。

ちなみに新潟県も、県が管理する道路について同じような一覧を出しています。そちらには「概ね1m以上冠水するおそれがある」という列があります。ただし新潟市は政令指定都市なので、県の一覧には入っていません。新潟市内を調べるときは、市のページを見ることになります。

\自分がいつも通る道が31か所に入っているか/

新潟市の道路冠水危険想定箇所台帳(31か所)を開く ›

1か所ごとに道路名・施設名・地先名・連絡先が出ています

\288か所を地図でまとめて見たいとき/

新潟市の道路冠水想定箇所マップを開く ›

令和8年4月1日現在。一覧表と箇所マップのPDFがあります

雨の日の横断歩道。白線の上で雨粒が跳ねている
雨の日の横断歩道。白線の上で雨粒が跳ねている(写真: Pexels)

この住所は浸水しやすい場所ですか

新潟市の場合、道路冠水想定箇所と、洪水ハザードマップと、県が作った浸水実績図が別々に置かれています。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。

住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。

\住所を入れるだけ 5秒で出ます/

災害リスク診断で自分の住所を調べる ›

登録不要・無料。ハザードマップの指定と地盤の強さが出ます

もし車で水に入ってしまったら

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。

割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。新潟市が31か所について「おおむね80センチ以上」と書いているのは、この深さのさらに上です。

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水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。深さまで公表しているのは、いまのところ新潟市と石川県くらいでした。

この記事のまとめ

  • 新潟市の道路冠水想定箇所は288か所(国管理18・市管理270)。令和8年4月1日現在
  • うち「おおむね深さ80センチメートル以上冠水するおそれのある箇所」は31か所(国3・市28)
  • 市はこの31か所について建設業者と契約し、雨のときにパトロールしてバリケードを置く
  • 31か所の区別は秋葉区10・中央区8・西区5・北区4・東区3・西蒲区1。江南区と南区は0
  • 秋葉区10か所のうち5か所は、市道新津1-524号線という1本の道に並ぶR403のボックス
  • 31か所のうち13か所は施設名が現地に表示されていない
  • 中央区8か所で名前が出ているのは万代クロッシングだけ。本馬越1丁目の3か所はすべて表示なし
  • 31か所の参考標高はマイナス1.1メートルから9.6メートル。幅は10.7メートルしかない
  • 市がこの一覧を毎年更新しているのは、平成23年度の新潟福島豪雨がきっかけ

公式出典

  • 新潟市「道路冠水想定箇所」(令和8年4月1日現在)/同「冠水が想定される箇所一覧表」
  • 新潟市「道路冠水危険想定箇所台帳」31件(整理番号002〜537)
  • 新潟県「道路冠水について」(県管理道路分の一覧表・箇所台帳)
  • 国土地理院 住所検索API・標高API
  • JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」

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    この記事を書いた人

    ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
    その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
    契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
    実務全般に携わってきました。

    特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
    反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
    自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

    現在は子育てのため一線を退いていますが、
    これまでの実務経験を活かし、
    フリーランスとして不動産会社様向けの
    バックオフィスサポート業務を開始しました。

    現場目線を大切にしながら、
    「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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