世界の地震は、ばらばらに起きているわけではありません。震源を地図に置くと、太平洋の周囲、ジャワ島からヒマラヤ・地中海へ延びる帯、大西洋の海底へ並び、その骨格がプレート境界です。
ただし、境界線から離れれば地震が起きない、という地図でもありません。中国内陸部などのプレート内部でも地震は発生します。世界地図は「地震が集まる理由」を読む図で、自宅の安全判定には使えません。
この記事でわかること
- ✓ 世界の地震は、環太平洋・アルプス・ヒマラヤ・大西洋中央海嶺の3帯に目立って並ぶ
- ✓ 境界は広がる・狭まる・横ずれの3種類で、巨大地震は沈み込み帯に多い
- ✓ プレート内部の地震もあるため、境界線から遠いだけで安全とはいえない
この記事は2026年9月14日時点の気象庁、NOAA(米国海洋大気庁)、USGS(米国地質調査所)の公開資料をもとにしています。小プレートの境界や名称は研究モデルによって表現が異なります。
世界のプレートは大小十数枚
気象庁は、地球の地殻と上部マントルの硬い部分をプレートと呼び、地球表面は大小十数枚で覆われていると説明しています。プレートは一枚岩の大陸地図ではなく、海底まで続く厚い岩盤です。
太平洋プレート、北米プレート、ユーラシアプレート、アフリカプレート、南米プレート、南極プレート、オーストラリアプレートなどの大きな板に、ナスカ、ココス、フィリピン海、アラビアなどの小さな板が組み合わさります。

このUSGS(米国地質調査所)の一般化された図では、北日本を北米プレートの一部として描いています。USGSは、その部分をオホーツク・マイクロプレートと呼ぶ場合があるとも注記しています。「世界には何枚」と一つの数字で止めにくいのは、小プレートを独立して数えるかが地図ごとに違うためです。
揺れた瞬間に、部屋の中で起きることを減らすもの
地震のけがの3〜5割は、屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものです(東京消防庁)。壁にネジを打てない部屋でもできる手から並べます。
東京消防庁の実験では、L型金具で壁に直接ネジ止めするのが最も効果が高いとされています。賃貸で壁に穴を開けられない部屋での代わりがこれです。家具の両端の側板部を、できるだけ奥で突っ張ります。天井側にも強度が要ります。
突っ張り棒だけだと効きが落ちます。同じ資料が、ポール式にはストッパー式や粘着マット式の併用をすすめています。マット単独でも効果は小さいので、上の棒と2つで1組と考えてください。
お湯でも水でも作れて、袋のままおにぎりの形になります。断水すると鍋も食器も洗えません。洗い物の出ない形を先に入れておくと、水の減り方が変わります。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
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境界は広がる・狭まる・横ずれ
NOAA(米国海洋大気庁)は、プレート境界を3種類に分けています。離れるのが広がる境界、衝突または沈み込むのが狭まる境界、横にすれ違うのが横ずれ境界です。

| 境界 | 動き | 代表例 | 地震の特徴 |
|---|---|---|---|
| 広がる境界 | 互いに離れる | 大西洋中央海嶺 | 主に浅い地震。マグマが上がり新しい海洋地殻ができる |
| 狭まる境界 | 衝突・沈み込み | 日本海溝、ペルー・チリ海溝 | 浅い所から深い所まで。巨大地震と津波に結びつく |
| 横ずれ境界 | 横にすれ違う | サンアンドレアス断層 | 主に浅い地震。地殻を作らず失わない |
同じ「プレート境界」でも、起きる現象は同じではありません。大西洋中央海嶺では海底が広がり、サンアンドレアス断層では太平洋プレートと北米プレートが横へずれます。日本付近では海のプレートが沈み込むため、海溝沿いの巨大地震と、沈み込んだ板の内部で起きる深い地震の両方があります。
世界最大級の地震は環太平洋に81%
USGSは、世界の地震の約90%が環太平洋地震帯で起きるとしています。これとは別に「世界最大級の地震」に対象を絞ると、環太平洋が約81%、アルプス・ヒマラヤ地震帯が約17%です。

約90%と約81%は矛盾ではありません。前者は規模を限定しない世界の地震、後者は世界最大級の地震が分母です。アルプス・ヒマラヤ帯は、ジャワ・スマトラからヒマラヤ、地中海へ続きます。第三の主要な帯は、大西洋中央海嶺に沿って海底を南北に走ります。
読者
太平洋の周りに住んでいなければ、大地震は起きない?
そうは言い切れません。大地震は環太平洋に集中しますが、アルプス・ヒマラヤ帯にも約17%があり、プレート内部にも古い断層があります。
狭まる境界で巨大地震が起きる理由
海のプレートが陸側のプレートの下へ沈み込むと、境界が固着して陸側を引きずります。岩盤が耐えられなくなって急に戻ると、広い断層面が一度にずれ、巨大地震になります。
海底が上下に大きく動けば、その上の海水も動き、津波が発生します。USGSは、サンアンドレアス断層のような横ずれ境界は動きが主に水平なため、スマトラ沖や東北地方太平洋沖の沈み込み型と同じ巨大津波は起こしにくいと説明しています。
地震の深さにも差があります。広がる境界と横ずれ境界の地震は主に浅く、沈み込み帯では冷たい海洋プレートが深部へ入るため、深い地震まで並びます。気象庁は日本周辺で地下約700kmまで地震が見られるとしています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
境界線から遠くても地震は起きる
気象庁の世界分布図にも、ハワイや中国内陸部の地震が示されています。USGSは、境界から伝わる応力がプレート内部の古い断層や亀裂など弱い場所に作用すると、地震が起こりやすくなると説明しています。
プレート内部の地震は境界付近より頻度が低くても、人口の多い場所の直下で起きれば被害が大きくなります。地図に境界線がないことと、揺れの危険がないことは別です。
世界プレート地図は概略図です。線の近さだけで住宅の揺れ、津波、液状化、建物被害を判断しません。住所ごとの地盤と自治体のハザードマップを重ねて確認します。
日本は世界地図の交差点
気象庁の基本図では、日本周辺は太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートが関わる場所として説明されます。海側の2枚は年に数cmの速さで陸側の下へ沈み込み、複雑な力を加えています。
一方、より細かい研究図では北日本をオホーツクプレート、西日本をアムールプレートとして分ける場合があります。名称が違っても、日本付近に複数の境界と沈み込み帯が重なるという読み方は変わりません。
世界地図から自宅へ絞り込む
確認の順番は、世界のプレート地図、日本周辺の震源分布、自治体の地震ハザードマップ、住所付近の地盤、建物の耐震性能です。世界地図は一段目であって、最後の答えではありません。
| 地図・資料 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
| 世界のプレート地図 | 地震帯と境界の大きな配置 | 自宅の震度、発生日時 |
| 世界の震源分布 | 地震が帯状に集まる場所と深さ | 将来の個別地震の予知 |
| 自治体ハザードマップ | 地域の想定震度、液状化、津波 | 建物ごとの耐震性 |
| 建物・室内点検 | 耐震性、家具転倒、備蓄の弱点 | 地域全体の発生確率 |
プレートの名前を覚えることより、寝室の家具を固定し、携帯トイレと水を用意し、家族の連絡方法を決めるほうが被害を減らします。境界線の意味が分かると、世界のニュースを「遠い国の地震」で終わらせず、日本の備えへ戻せます。
よくある質問
世界のプレートは何枚ありますか?
気象庁は大小十数枚と説明しています。小プレートや境界の扱いが研究モデルによって違うため、唯一の固定枚数として覚えないほうが正確です。
地震が一番多いプレートはどれですか?
プレート1枚ではなく、太平洋プレートを囲む環太平洋地震帯に世界の地震の約90%が集まります。両側のプレートがどう動くかまで見ます。
プレート境界から遠ければ安全ですか?
安全とはいえません。プレート内部でも地震は起きます。世界地図ではなく、地域の震源・活断層・地盤・建物を順に確認してください。
公式出典
- 気象庁「地震発生のしくみ」
- 気象庁「地震・津波・火山を知る」
- NOAA Ocean Exploration「3種類のプレート境界」
- USGS「環太平洋に世界の地震の約90%」
- USGS「世界の3つの主な地震帯」
- USGS「Seismicity of the Earth 1900–2018」
- USGS「プレート内部で地震が起きる理由」
- USGS「Tectonic plate boundaries(テクトニック・プレート・バウンダリーズ)」(掲載地図はパブリックドメイン)
※2026年9月14日確認。地図は世界規模の概略で、境界の細部や小プレートの名称は研究の進展により更新されます。
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