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群馬県太田市の土地は町ごとに坪単価が3.9倍ちがいます

群馬県太田市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪8.6万円で予算を組むと、藤阿久町では坪13.6万円なので届かず、新田小金井町では坪3.5万円なので余ります。同じ市内、同じ1坪で3.9倍の開きです。

太田市には2024年10-12月から2025年10-12月までに167件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで25町ぶん並びます。1つの市で25町。ここまで細かく分かれると、「太田市の相場はいくら」という1つの数字は、どの町の予算づくりにも使えません。

国土交通省が公表している実際の成約価格を、町ごとに並べ直しました。なお、この記事の数字はすべて群馬県太田市のものです。東京都大田区とは別の自治体なので、そちらを探していた場合はここから先の数字は当てはまりません。

先に結論

  • 太田市の土地は1坪8.6万円(中央値・167件)。1区画は350㎡=105.9坪が中央値です
  • 成約5件以上の町どうしで比べると、藤阿久町13.6万円と新田小金井町3.5万円で3.9倍。市の1つの数字は、どの町の予算にも当てはまりません
  • 坪単価の高い側に並ぶ西本町26.4万円などは成約が3件か4件しかなく、1件の取引で中央値が動きます
  • 藪塚町は坪1.5万円ですが、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場としては読めません
  • 建物込みなら中古戸建て62.8万円/坪、新築戸建て77.3万円/坪。どちらも分母は建物の延床坪で、土地の坪単価とは引き算できません
目次

太田市の土地は1坪8.6万円。1区画105.9坪で概算910.0万円

2024年第4四半期から2025年第4四半期までに太田市で成約した土地の坪単価は、中央値で8.6万円でした。坪単価が極端に外れた8件を除いたうえでの167件です。除いたあとでも、幅は1坪1.0万円から36.4万円まで開いています。

1区画の面積の中央値は350㎡、坪にすると105.9坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で910.0万円になります。ただし坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として使ってください。

窓口で「太田の土地はだいたい坪8.6万円ですね」と言われたとします。167件の真ん中を指す言葉としては外れていません。ただし候補地が藤阿久町にあるのか新田小金井町にあるのかで、同じ105.9坪でも土地代はまったく別の金額になります。予算の話をするときは、市名ではなく町名まで下ろしてから計算してください。

町別に並べると藤阿久町13.6万円と新田小金井町3.5万円で3.9倍

成約3件以上の町は25あります。25本の棒を並べると読めなくなるので、成約が5件以上あった8町を抜き出しました。

藤阿久町13.6万
台之郷町10.6万
下小林町9.9万
龍舞町9.3万
大原町6.6万
新田木崎町5.1万
新田小金井町3.5万
藪塚町1.5万

太田市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の25町から、成約が5件以上あった8町を抜き出しました。抜き出しの基準は取引件数だけで、坪単価の高さは見ていません。濃い色の2本が、見出しの倍率に使った藤阿久町と新田小金井町です。藪塚町は農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場としては読めません

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは25町のうち8町だけなので、候補地の住所で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

太田市の土地相場を住所から調べる(無料)

見出しに出した3.9倍は、成約が5件以上ある町どうしの比較です。藤阿久町は5件、新田小金井町は6件成約しています。

25町の端どうしを取れば差はもっと開きます。いちばん高いのは西本町の26.4万円で、新田小金井町との差は7.6倍になります。ただし西本町の成約は3件しかありません。3件の中央値は1件の取引で動くので、資金計画の基準にするなら3.9倍のほうを使ってください。

坪単価の高い側は、そろって件数が薄いという特徴があります。西本町26.4万円(3件)、新島町20.2万円(3件)、新井町20.0万円(4件)、東別所町18.5万円(3件)、浜町15.5万円(4件)。上位5町はすべて3件か4件です。だから8本のグラフには1つも入っていません。高い町の数字を見て「太田市はこのくらい」と受け取ると、根拠にしているのは数件の取引ということになります。

成約数がいちばん多いのは龍舞町の14件で、坪単価は9.3万円。市全体の8.6万円に近い水準です。次に多いのは新田木崎町と藪塚町の8件で、それぞれ5.1万円と1.5万円でした。取引が集まっている町ほど市の真ん中に寄る、という関係にはなっていません。

市全体の8.6万円は、25町のどこかにぴったり当てはまる数字ではありません。候補地が台之郷町(6件・10.6万円)なのか大原町(7件・6.6万円)なのかで、同じ105.9坪でも土地代は別の話になります。件数が同じくらいの町どうしでもこれだけ離れます。

藪塚町の坪1.5万円を住宅地の相場として読まない

藪塚町の坪単価の中央値は1.5万円で、8件の成約から出ています。市全体の8.6万円の4分の1を下回る町は、25町のなかでここだけです。

この数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。

坪1.5万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。

この記事が「太田市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。8件あっても、その8件が何に使える土地だったかまではこの集計から分かりません。売り出し中の土地で、周辺よりはっきり安いものを見かけたときは、値段より先に地目と都市計画上の区分を確かめる順番になります。市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。

新田小金井町の3.5万円はこの線より上にあるので、住宅地の数字として扱っています。見出しの倍率に使っているのもそのためです。

公示の11.3万円と成約の8.6万円。これは値下がりではありません

太田市の地価公示は住宅地38地点で、坪単価の中央値は11.3万円です。実際に成約した土地の中央値8.6万円との差は-23.9%でした。

この差を「値下がりした」と読むのは間違いです。公示は住宅地として選ばれた標準地の評価額、成約は実際に売れた土地の価格で、数えている対象が違います。太田市の167件には、先に見た農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。

公示価格は、候補地の周辺に標準地があるときの目安として使う数字です。予算そのものは、候補の町の成約価格で組むことになります。

中古戸建て62.8万円と新築戸建て77.3万円。分母は建物の延床坪です

建物まで含めて買う場合の数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数 単価の分母
土地 8.6万円/坪 167件 土地の面積
中古戸建て 62.8万円/坪 102件 建物の延床面積
新築戸建て 77.3万円/坪 54件 建物の延床面積

同じ「坪単価」でも、土地と戸建てでは割っている面積が違います。土地の8.6万円は成約総額を土地の面積で割った値、戸建ての62.8万円は成約総額を建物の延床面積で割った値です。この2つを引き算しても、建物代は出てきません。並べて比べられるのは、中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。

中古戸建ては下位25%が37.8万円、上位25%が84.5万円。新築戸建ては下位25%が66.1万円、上位25%が93.8万円です。中古の上位25%は、新築の下位25%を上回っています。2つの価格帯は重なっていて、坪単価だけでは新旧が分かれません。

中古を買って直す道を選ぶと、坪単価の低いほうから入って、直す費用の側を自分で決められます。ただし中古戸建ての幅は37.8万円から84.5万円まであり、下のほうの物件ほど手を入れる範囲が広くなります。工事費は物件ごとに変わるので、成約価格の表からは出てきません。とくに外壁は足場を組む工事なので、入居してから屋根と別々の時期にやると足場代を二度払うことになります。買う前に外まわりの見積もりを取っておくと、土地を買って建てる案と総額で並べられます。1社の見積もりだけでは、その金額が高いのか安いのかも判定できません。

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工事費が分かると、中古を買って直す案と土地から建てる案を総額で並べられます

中古マンションは9件しかない。借りるほうの数字も置いておきます

太田市の中古マンションは、同じ期間の成約が9件で、中央値は1㎡あたり10.8万円でした。マンションの単価だけは分母が専有面積(㎡)なので、土地や戸建ての坪単価とは並べられません。

9件は傾向として読める数ではありません。1件の取引が中央値を動かす規模です。この10.8万円は「太田市のマンション相場」ではなく、9件の真ん中がここだったという記録として見てください。土地167件・中古戸建て102件とは、同じ中央値でも数字の重みが違います。

借りる側の相場は1㎡あたり1,648円です。こちらは募集賃料21,030件から取った中央値なので、件数は確保できています。買うほうの判断がつかないうちは、借りて住んでから町を決めるという順番も取れます。

私はこう見ています

「太田市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。藤阿久町と新田小金井町で3.9倍、坪単価の高い上位5町はすべて3件か4件、そして藪塚町の1.5万円は住宅地の数字として読めない。167件を町別に割ると、そういう形が出てきます。

私は、市の中央値は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、藤阿久町では候補が出てこず、新田小金井町では土地に払いすぎます。太田市のように1区画の中央値が105.9坪と広い市では、坪単価の差がそのまま総額の差として効いてくると見ています。

もうひとつ、この市は町別の件数が薄いほうです。25町のうち成約5件以上は8町だけでした。3件や4件の町の数字を見るときは、金額そのものより「何件から出た中央値か」を先に確かめる読み方をおすすめします。ここは私の読みなので、持ち帰ってほしいのは根拠にした数字のほうです。

予算を決める前にやる3つのこと

  1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。市の8.6万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した8町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。
  2. 候補の町が住宅地かどうかを先に確かめる。藪塚町のように坪単価が極端に低い町は、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。安さの理由が土地の使い道にあるなら、それは予算の話ではありません。
  3. 土地から建てる案と、中古を買って直す案を総額で並べる。坪単価は種別ごとに分母が違うので、比べるのは総額です。中古なら購入価格に工事費を足してから並べてください。

太田市の学区を町名から調べる
太田市の土地相場を住所から調べる(無料)

どちらもこのサイトのページです。登録も入力も要りません

市全体をならした数字は太田市の不動産相場にまとめています。候補を2つか3つの町に絞ったら、太田市の学区一覧で町名から通学先も確かめておくと、あとで町を選び直さずに済みます。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地167件、中古戸建て102件、新築戸建て54件、中古マンション9件
  • 土地167件は、坪単価が極端に外れた8件を除いた集計です。除いたあとの幅は1坪1.0万円から36.4万円
  • 1区画の面積の中央値350㎡(105.9坪)と坪単価の中央値8.6万円は、別々に取った値です。掛け合わせた910.0万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 町別の集計は成約3件以上の町のみで25町。件数の少ない町の中央値は1件の取引に動かされるので、見出しの3.9倍は成約5件以上の藤阿久町(5件)と新田小金井町(6件)で取っています。端どうしの西本町(3件)と新田小金井町では7.6倍になります
  • 藪塚町は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあるため、住宅地の相場としては扱っていません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算はできません
  • 中古マンションの単価は、成約総額を専有面積(㎡)で割った値です。9件のため傾向としては読めません
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。太田市内の住宅地38地点の中央値。成約価格とは母集団が違うため、両者の差は値上がり・値下がりを示すものではありません
  • 賃貸:太田市の募集賃料21,030件から算出した1㎡あたりの中央値
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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