川西市の紙の防災マップ(PDF版を含む)の土砂災害の区域は、10の町丁目で一部が変わっています。加茂2丁目、久代2丁目、鼓が滝3丁目、緑台4〜7丁目、水明台1・3丁目、平野3丁目です。市が防災マップのページの冒頭に「紙面版の注意点」として挙げている地域で、この10町丁目では、紙の地図に引かれた線の一部が最新ではありません。
まず、下の一覧の2か所から確認してください。地図画像と公式マップで、自宅と通る道を照合します。
この記事の結論
- ✓ 紙の防災マップと土砂災害の区域がずれているのは、加茂2丁目・久代2丁目・鼓が滝3丁目・緑台4〜7丁目・水明台1・3丁目・平野3丁目の10町丁目
- ✓ 加茂2丁目では、急傾斜地崩壊危険区域が1970年と2019年の2回に分けて指定され、合計0.90ha
- ✓ 市は、土砂災害警戒情報が出て危険度分布が「非常に危険」になれば避難指示。山鳴りや湧き水の濁りが見つかった時点でも出す
先に確認したい具体的な場所
町名・施設名は位置を探す手掛かりです。地区全体が同じ危険度という意味ではありません。掲載地図は想定区域で、現在の冠水・崩落・通行止めの発生一覧ではありません。
地図の色(土石流・がけ崩れ・地すべりの区域)
青い丸は位置の目印です。危険な地点を示す印ではありません。
1. 加茂2丁目の斜面

2. 鼓が滝3丁目の斜面

崖の上・崖の下・谷の出口が危ない理由

上段は斜面が崩れるがけ崩れ、下段は沢を流れ下る土石流です。崖の下だけでなく崖の上の家も確認します。紹介した場所の災害の種類は、上の一覧と公式マップの凡例で確認してください。
読者
家の周りが平らなら、土砂の心配はないですか?
「家の周りが平らなら安全」とは限りません。谷の出口や沢の下流なら土石流の範囲を確認します。家の背後の斜面と避難経路も合わせて見てください。
紙の防災マップが古くなった町丁目
川西市の防災マップには、紙面版とウェブ版があります。洪水と土砂災害を載せた紙面版は、北部・中部・南部の3パターンに分かれています。
市のページ(2026年5月11日更新)は、土砂災害の区域について次のように案内しています。
- 一部変更がある地域は、加茂2丁目、久代2丁目、鼓が滝3丁目、緑台4〜7丁目、水明台1・3丁目、平野3丁目
- 詳しくは、川西市防災マップのウェブ版か、兵庫県の「CG(シージー)ハザードマップ」を見る
市の地域防災計画(令和7年発行)の資料編は、この10町丁目にも土砂災害警戒区域が並べています。緑台7丁目だけでも4つの区域名が載っていて、そのうち2つに特別警戒区域の印が付いています。
資料編に並ぶ土砂災害警戒区域は、概算で190ほどです。そのうち約90に特別警戒区域が付きます。隣の宝塚市は、令和元年度末の時点で274か所でした。市の面積が違うので単純には比べられませんが、川西市の計画も「山地、丘陵地の斜面では潜在的な崩壊の危険性に宅地の進展も加わり」と書いています。
「紙の防災マップは市が作ったのだから、そのまま信じていい」。そう考えるのは自然です。ただ、土砂災害の区域を指定するのは県です。紙面版に載る線は、県の変更より前のものです。
読者
紙の防災マップは、そのまま信じていいですか?
区域を指定するのは県で、紙面版に載る線は県の変更より前のものです。加茂2丁目や鼓が滝3丁目など10町丁目で、一部が変わっています。
加茂2丁目の2つの指定
加茂2丁目は、市の資料の急傾斜地崩壊危険区域の表に、2回出てきます。
| 区域名 | 指定年月日 | 面積 |
|---|---|---|
| 加茂 | 1970年6月19日(昭和45年) | 0.23ha |
| 加茂(3) | 2019年2月26日(平成31年) | 0.67ha |
2つの指定のあいだは48年8か月。あとから加わった区域は、最初の区域の約2.9倍の広さです。合計0.90haになります。
別の表の土砂災害警戒区域でも、加茂2丁目には「加茂(3)」と「加茂(4)」の2つが載っています。どちらも急傾斜地の崩壊の区域で、特別警戒区域の印は付いていません。
私は、土砂災害の区域は「一度見て終わり」にできないと見ています。加茂2丁目では、指定が半世紀近いあいだを置いて2回あり、2026年にもまた一部が変わったからです。
鼓が滝3丁目と谷筋
鼓が滝は、ひとつの地名のなかで危険の種類が分かれています。
- 3丁目: 土砂災害警戒区域「鼓が滝(4)」。急傾斜地の崩壊の区域で、特別警戒区域の印がある
- 3丁目: 市の「既成危険宅地等」の表に、16番地内(法面の崩壊・土砂の流出)と26番地内(崖面の崩壊)が載る
- 1丁目: 土石流の区域「鼓が滝谷」がある
- 1丁目と2丁目: 急傾斜地崩壊危険区域が2つ。1丁目に2001年3月21日指定の0.61ha、1・2丁目と東多田にかかる2002年3月26日指定の0.38ha
つまり、3丁目はがけの崩れ、土石流の谷は1丁目の区域として載っています。丁目をまたいで「鼓が滝は谷筋だから土石流」とひとまとめにすると、危険の種類を取り違えます。
市の地域防災計画は、洪水で浸水が起こりやすい中部地区の地名にも、鼓が滝1丁目を挙げています。同じ丁目が、土砂と洪水の両方で資料に出てくる地区です。
\住所を入れるだけ・1分で確認できます/
避難指示が出る条件
市の地域防災計画(令和7年発行)には、土砂災害の避難情報を出す主な条件が書かれています。
| 段階 | 条件 |
|---|---|
| 高齢者等避難 | 大雨警報(土砂災害)が発表され、気象庁の土砂災害危険度分布が「警戒(赤)」となり、さらに大雨が予想される場合 |
| 避難指示 | 土砂災害警戒情報が発表され、危険度分布が「非常に危険(うす紫)」となり、さらに大雨が予想される場合 |
| 避難指示 | 山鳴り、湧き水・地下水の濁り、渓流の水量の変化などの前兆現象が発見された場合 |
| 緊急安全確保 | 大雨特別警報(土砂災害)が発表された場合、または土砂災害が起こったことを把握した場合 |
台風が夜間から明け方に接近・通過すると予想されるときは、強い雨を伴う場合に、前もって高齢者等避難や避難指示を出す、とも書かれています。
過去の実績も、市の「過去に発生した主な災害」の表にあります。土砂崩れ・崖崩れの件数が最も多いのは、2018年7月の平成30年7月豪雨で34件、通行止めは19か所でした。次に多いのは1999年6月末〜7月初めの大雨の崖崩れ22か所です。
2026年5月29日から、気象庁の情報名が変わりました。市の計画は旧名称で書かれています。旧「土砂災害警戒情報」は「レベル4土砂災害危険警報」、旧「大雨警報」は「レベル3大雨警報」と呼びます(宝塚市の案内による)。川西市の最新の運用は、市の避難情報のページで確かめてください。
自宅で確かめる3つの手順
- 川西市防災マップ(ウェブ版)で住所を検索し、土砂災害を選ぶ。紙の地図との線の違いを見る(公式ページを開く)
- 兵庫県の「CG(シージー)ハザードマップ」で同じ住所を見比べる。区域の指定は県が行う(公式ページを開く)
- 市の避難情報のページで、避難指示などの出し方を確認する(公式ページを開く)
問い合わせ先は、川西市の総務部危機管理課(072-740-1145)です。
雨が強まる前に確認すること
- 住所の着色・指定線と、危険箇所を通らない避難経路を確認。
- 避難先が洪水・土砂災害に対応しているか、当日開設されているかを確認。
- 自治体の避難情報、気象庁の危険度、道路管理者の通行規制を確認。
現在の危険度は気象庁キキクルで確認できます。市の避難情報が出ている場合はその内容に従い、川・沢・斜面を見に近づかないでください。
\避難先を決める前に、自宅の想定を/
自宅の住所で、公的データを確認
洪水・土砂災害などのリスクを確認できます。指定範囲は県の公式マップと照合してください。
同じ地域の冠水・土砂災害
出典・資料の時点
- 場所の根拠・川西市の公式地図
- 川西市防災マップWEB版
- ハザードマップポータルサイト(国土交通省・国土地理院)
- 兵庫県CGハザードマップ
- 気象庁 浸水キキクルの解説
- 川西市地域防災計画 資料編(令和7年発行)
- 川西市地域防災計画 風水害等対策計画編(令和7年発行)
- 宝塚市「避難情報の判断・伝達マニュアル(令和8年(2026年)5月版)」
- 宝塚市「新たな防災気象情報について」(2026年9月2日更新)
資料確認:地図と場所の一覧は2026年9月28日、本文の追加部分は2026年10月11日(公開日時は各市・府・気象庁のページの更新日による)。地図画像は国の公開データを重ねたもので、危険区域の線を描き足していません。市・府の資料の図は転載していません。区域の線は、必ず市のウェブ版か県・府の地図で見てください。町丁目全体が危険という意味ではありません。アイキャッチは雨の日の街並みのイメージ(Unsplash)で、当地の被害写真ではありません。
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