🗨️「千葉と茨城で道路が冠水したって聞いたけど、どこ?うちの近くも危ない?」
伝えられているのは千葉県旭市と茨城県鹿嶋市です。標高を測ると旭市は5.5メートル、鹿嶋市は37.1メートル。低い土地だけが浸かったのではありません。9日22時20分の時点で、雨の中心は茨城から東京へ移っています。
[災害] この記事の要点
2026年9月9日 発表
- 千葉県北東部・茨城県南東部でこれから車で帰る人
- アンダーパス(線路や道路の下をくぐる道)を通勤経路に持っている人
- 今夜これから雨が強まる東京・神奈川・千葉南部にいる人
9日の夜、関東のどこで何が起きたか
9月9日の夕方から夜にかけて、関東で局地的に強い雨が降りました。道路の冠水が伝えられているのは、千葉県旭市と茨城県鹿嶋市です。
まず、いまどこで降っているのかから見ます。9日22時20分のアメダスの実況です。

冠水が伝えられた茨城は、22時20分には23地点すべてが1時間4ミリ以下まで落ちています。いま強く降っているのは東京と神奈川の側です。この面は数時間で入れ替わるので、いる場所の雨を自分で見てください。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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千葉・旭市で冠水 ただし旭市には雨量計が無い
旭市で道路が冠水したと伝えられていますが、旭市にはアメダスの雨量計がありません。千葉県内のアメダスは18地点で、旭市はそのどれにも入っていません。
そこで旭市をはさむ3地点を見ます。北西9.3キロの東庄、南西14.5キロの横芝光、東18.9キロの銚子です。

横芝光で16時30分までの1時間に33.5ミリ、東庄で16時50分までに30.0ミリ、銚子で17時20分までに30.0ミリ。1時間30ミリは「バケツをひっくり返したように降る」と表現される強さです。旭市の記録は残っていませんが、その真ん中で同じ雨が降っていたと考えるのが自然です。
茨城・鹿嶋市でも冠水 こちらは1時間14ミリ
鹿嶋市のアメダスの記録は、16時10分までの1時間で14.0ミリが最大です。千葉側の半分以下でした。
14ミリで道路って浸かるんですか?
浸かります。その場所の排水が追いつかなければ、雨量の大小は関係ありません。アンダーパスや、周りより一段低いところは、雨量計の数字が小さくても水がたまります。
標高5.5メートルと37.1メートルが、同じ日に浸かった
ここが今回いちばん見てほしいところです。国土地理院の標高データで2つの市の代表点を測ると、こうなります。
| 市 | 代表点の標高 | 9日の最大1時間降水量 |
|---|---|---|
| 千葉県旭市 | 5.5メートル | 記録なし(近隣は30.0〜33.5ミリ) |
| 茨城県鹿嶋市 | 37.1メートル | 14.0ミリ |
標高が7倍近く違う2つの街で、同じ日に道路が浸かっています。低い土地だから浸かる、というのは半分しか当たっていません。
旭市のほうは、そもそも湖の底でした。ここには江戸時代まで椿海(つばきのうみ)という湖があり、1670年(寛文10年)に新川を開削して水を九十九里浜へ抜いた干拓地です。旭市・匝瑳市・東庄町にまたがる約5,100ヘクタールが「干潟八万石(ひかたはちまんごく)」と呼ばれています。水を抜いてつくった平らな土地なので、強い雨が来れば元の性質が出ます。
一方の鹿嶋市は台地の上です。それでも浸かるのは、周りより一段低い場所に水が集まるからで、標高そのものとは別の話になります。アンダーパス、掘り込みの交差点、坂の底。この3つは台地の上にもあります。

警報は出ていない。注意報が出ているのはここ
9日夕方の発表時点で、千葉県にも茨城県にも警報は出ていません。出ているのは注意報です。数を数えるとこうなります。

千葉県で大雨(浸水害)注意報が出ているのは、銚子市・野田市・旭市・我孫子市・八街市・印西市・富里市・山武市・大網白里市・九十九里町・横芝光町の11市町です(9日16時43分発表・銚子地方気象台)。旭市はこの中に入っています。
茨城県は、水戸市・日立市・龍ケ崎市・常陸太田市・笠間市・取手市・ひたちなか市・那珂市・神栖市・城里町・東海村・利根町の12市町村(9日16時18分発表・水戸地方気象台)。
24時間で見ると、雨は茨城側に積み上がっていた
1時間の雨だけ見ていると、今日の関東は「千葉が強かった」ように見えます。ところが24時間で積み上げると、順位が入れ替わります。

水戸で105.5ミリ。上位10のうち9地点が茨城です。強い雨が短時間に来たのが千葉側、長く降り続いたのが茨城側、という分かれ方をしています。地面に水がたまっている量でいえば、茨城のほうが多い状態です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
冠水した道路に車で入らない
夜の冠水がいちばん危ないのは、水深が見えないからです。街灯の下でも、路面が濡れているだけなのか30センチたまっているのかは分かりません。
- 水深30センチでエンジンが止まる
- 水圧でドアが開かなくなる(外の水位が高いほど開かない)
- 電気系統が浸かると、電動の窓も動かなくなる
- 60センチを超えると車体が浮いて流される
「行けそう」に見えた時点で引き返してください。先に入った車が走れていても、その車と自分の車の最低地上高は違います。
これからどこで強まるのか
22時20分の実況では、1時間13.0ミリの東京(世田谷)が関東で最も強く、次いで千葉(館山)11.0ミリ、神奈川(辻堂)10.5ミリです。全国で見ても、この時刻の1位は静岡の清水(14.5ミリ)で、関東はその次にあたります。
9日の関東の雨の見通しは、ウェザーニュースが夕方から夜にかけて配信していました。雨の範囲がどう広がったかは、映像で見るのが早いです。
雨の面は数時間で動きます。この記事の数字は9日22時20分のもので、いま自分がいる場所の雨は、気象庁のアメダスと雨雲の動きで確かめてください。10分ごとに更新されます。
生活・仕事にどう効くか
- 今夜の帰り道:22時20分の時点で1時間13.0ミリの東京(世田谷)が関東で最も強い。茨城側は23地点すべてが1時間4ミリ以下まで落ちている。強い雨の場所は数時間で入れ替わる。
- 車で冠水路に入ったとき:水深30センチでエンジンが止まり、60センチを超えると車体が浮いて流される。ドアは水圧で開かなくなり、電動窓も止まる。
- 住まいを選ぶとき:旭市の代表点は標高5.5メートル、鹿嶋市の代表点は37.1メートル。同じ日に両方で冠水が伝えられている。標高が高いことは、冠水しない理由にならない。
結局どうすればよいか
- 冠水した道路に車で入らない。引き返せるうちに引き返す
- 自宅と通勤経路のアンダーパスの場所を、明るいうちに確認しておく
- 自分の住所の浸水想定を、ハザードマップで一度だけ見ておく
公式出典
- 気象庁 アメダス(2026年9月9日 22時20分の実況と当日の10分値)(2026年9月9日発表)
- 気象庁 気象警報・注意報(千葉県 9日16時43分発表/茨城県 9日16時18分・16時23分発表)(2026年9月9日発表)
- 国土地理院 標高API(旭市・鹿嶋市の代表点の標高)(2026年9月9日発表)
- 関東農政局「椿湖の干拓」(干潟八万石の成り立ち)(2026年9月9日発表)
更新履歴
- 2026年9月9日 初版を公開(9日22時20分のアメダス実況まで反映)
※本記事は2026年9月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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