🗨️「日本の子どもの学力が世界トップって聞いたけど、本当のところは?」
OECDに加盟する国のなかでは、科学・読解力・数学の3分野すべてで1位でした。これは調査が始まって以来はじめてです。ただし全参加国・地域で見ると科学5位・読解力4位・数学5位で、読解力の平均点は前回より13点下がっています。上がって1位になったのではなく、他が下がったなかで日本が横ばいだった、というのが正確なところです。
[暮らし] この記事の要点
2026年9月9日 発表
- 小中学生・高校生の子どもがいる家庭
- これから学区や進学先を選ぶ人
- 教育にかける費用の配分を考えている人
2つの順位が同時に発表されている
この調査の結果を読むときにいちばん混乱するのが、順位が2種類あることです。OECDに加盟している国だけで並べた順位と、参加した91の国・地域すべてで並べた順位。日本の数字は次のようになりました。
| 分野 | OECD加盟国中 | 全参加国・地域中 | 前回との差 |
|---|---|---|---|
| 科学コンピテンシー | 1位 | 5位 | 低下したが有意差なし |
| 読解力 | 1位 | 4位 | −13点(有意に低下) |
| 数学的リテラシー | 1位 | 5位 | 低下したが有意差なし |
「3分野すべてでOECD加盟国中1位」は、調査が始まった2000年以降ではじめてのことです。ただし全参加国・地域で見ると4位から5位で、この2つが同じ記事のなかで混ざって出てくるため、読む側が数字を取り違えやすくなっています。
子どもにかかるお金を通しで見るなら
給食費は子育ての費用のごく一部です。市町ごとの差を調べ始めた人ほど、助成金や学費の全体像が先に要ります。
給食費や医療費のような自治体の助成は、調べる場所がばらばらで全体像がつかめません。助成金・保険・進学費用をまとめて1冊で見渡せるので、市町ごとの差を調べる前の下地になります。
書き込みながら自分の家の数字を出す形式です。中学の給食費が年5万円かかる市とかからない市で、家計にどう響くかを手を動かして確かめられます。
共働き世帯を想定した配分の話が中心です。住む場所を変えると教育費だけでなく通勤費や保育の使い方も変わるので、引っ越しを含めて考えるときに読みやすい1冊です。
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上がったのではなく、下がらなかった
資料には、こう書かれています。
2015年以降、OECD平均は平均得点が低下しているが、日本は横ばい
文部科学省・国立教育政策研究所「PISA2025のポイント」
つまり順位が上がったのは、日本が伸びたからではありません。まわりが落ちたからです。この読み方をしておかないと、次回の結果で順位が下がったときに「学力が落ちた」と誤解することになります。
調査の中身
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 義務教育を終えた15歳(日本では高校1年相当) |
| 参加 | 91か国・地域から約76万人 |
| 日本から | 183校・約6,500人(2025年6月〜8月に実施) |
| 形式 | オンラインでのコンピュータ使用型調査 |
2025年の調査から、中心分野の名前が「科学的リテラシー」から「科学コンピテンシー」に変わりました。知識があるかどうかではなく、それを使って何ができるかに焦点を移した、という趣旨の改称です。
読解力の13点は、どこで落ちたのか
資料には内訳が書かれています。下がったのは「読みの流ちょう性(速く正確に読む)」を測る設問の正答率です。一方で「評価し、熟考する」に関する設問の正答率は、有意に上がっています。
OECD平均は、後者も下がりました。日本は「じっくり考えて判断する力」は上がり、「速く正確に読む力」が落ちた、という形です。長い文章を最後まで読み切る経験が減っていることと無関係ではない、と私は見ています。ただしこの因果は資料には書かれていないので、あくまで解釈です。
もうひとつの数字:低得点層が増えている
順位より気になるのはこちらです。3分野すべてで、習熟度レベル1以下の生徒の割合が有意に上昇しています。高得点層の割合には有意な変化がありません。
つまり、上のほうは変わらないまま、下のほうが厚くなった。平均点が横ばいでも、中身は動いています。日本は家庭の経済的な背景による点差が小さい国のひとつとされてきましたが、その公正さを保ったまま底が下がっているとすれば、平均や順位を見ているだけでは気づけません。
生活・仕事にどう効くか
- 順位の読み方:「1位」はOECD加盟国のなかでの順位。全参加国・地域で見ると4〜5位で、この2つの数字が混ざって報道されている。
- 格差:日本は社会経済的な背景による点差が小さい国のひとつとされている。一方で低得点層の割合は3分野とも増えている。
- 読解力:13点の低下は有意差ありの判定。とくに「速く正確に読む」設問の正答率が下がっている。
結局どうすればよいか
- 「日本が1位」という見出しを見たら、OECD加盟国中か全参加国中かを先に確かめる
- 子どもの読解力が気になるなら、長い文章を最後まで読み切る機会が日常にあるかを見る
- 学校選びで迷っているなら、順位より通学時間と生活の負担で判断する
公式出典
- 文部科学省・国立教育政策研究所「OECD生徒の学習到達度調査 PISA2025のポイント」(2026年9月8日発表)
- 文部科学省「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果」(2026年9月8日発表)
更新履歴
- 2026年9月9日 初版を公開
※本記事は2026年9月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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