🗨️「印旛沼の決壊って、どこが切れたの?」
北印旛沼の東側、成田市側の堤防です。栄町は9月22日6時47分に「越水」で避難指示を出し、その27分後の7時14分に「決壊」に切り替えて対象地区を足しました。23日の朝の時点でも成田市は避難所を2か所開けたままで、印旛沼の周りでは交通規制が続いています。
[災害] この記事の要点
2026年9月23日 発表
- 成田市・栄町・佐倉市の、印旛沼の周りに住んでいる人
- 印旛沼の近くに田や畑、倉庫を持っている人
- 県道や市道で印旛沼の北側を通勤・通学に使っている人
栄町の避難指示は、27分で「越水」から「決壊」に変わった
栄町の情報メールは、9月22日の朝に2回続けて出ています。言葉が途中で変わったのがこの朝の特徴です。
| 時刻 | 栄町が出した情報 |
|---|---|
| 9月21日 17:25/19:51 | 台風25号の接近に伴う避難指示 |
| 9月22日 6:47 | 印旛沼の越水に伴う避難指示 |
| 9月22日 7:14 | 印旛沼の決壊に伴う避難指示(対象地区の追加) |
| 9月22日 14:56 | 県道鎌ケ谷本埜線バイパス(全線)の車両通行止め |
| 9月23日 9:17 | 同バイパスの通行止め解除 |
7時14分の配信で足された地区は、安食前新田・拾五町歩・酒直南部の3つ。避難先として旧酒直小学校と安食小学校の避難所が示され、「少しでも高い場所へ移動し、身の安全を確保してください」という文が添えられています。問い合わせは栄町災害対策本部(0476-95-1111)です。
崩れたのは北印旛沼の東側、成田市側
印旛沼は、北印旛沼と西印旛沼が細い水路でつながった形をしています。今回水があふれたのは北印旛沼の東側で、成田市側の堤防が壊れました。栄町の安食前新田や拾五町歩は、その沼の北側にあたる低い土地です。
沼なのに、どうして堤防が切れるの?
印旛沼は自然のままの沼ではなく、周囲を堤防で囲み、ポンプで利根川と東京湾へ水を出している調整池のような使われ方をしています。上流から入ってくる水の量がポンプで出せる量を超えると、沼の水位そのものが上がり、堤防に内側から水圧がかかります。
だから、この地形で効いてくるのは「雨がやんだか」ではなく「沼から水を出しきれたか」です。雨がやんだあとに水位が上がる時間帯があるのは、上流から集まってくる水が遅れて届くからです。

成田市は23日も避難所を2か所開けている
成田市の「台風25号に伴う情報一覧」は23日に更新されていて、この時点の状態はこうなっています。
- 土砂災害の警戒レベル4「避難指示」は解除した
- 印旛沼の周りでは交通規制が続いている
- 避難所は公津小学校と八生小学校の2か所(23日午前9時現在)。22日午前6時5分に閉めた早期開設の避難所とは別
- 低い土地や浸水のおそれがある区域の人には、周囲を確かめてただちに安全な場所へ避難するよう呼びかけている
成田市は、国の統計では9年間ずっと浸水ゼロだった
国土交通省の水害統計で成田市を2015年から2023年まで引くと、床上浸水は9年間で0棟、床下浸水は1棟です。被害額の計上がある年はあっても、建物が水に浸かった記録はほとんど残っていません。
| 成田市(2015〜2023年の累計) | 棟数 |
|---|---|
| 床上浸水 | 0 |
| 床下浸水 | 1 |
| 半壊 | 1 |
| 全壊・流失 | 0 |
集計条件は、国土交通省「水害統計調査」の市区町村別水害被害(表-3)を2015年から2023年まで足したものです。棟数は建物の被災棟数で、2024年以降は確報が出ていないため含みません。
つまり今回は、直近9年の記録には一度も出てこない形の浸水です。「うちの地域は水に浸かったことがない」という感覚がそのまま当てはまらない場所が、今回は出ています。過去の記録が少ないことは、安全の証明にはなりません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
沼の周りの土地で、いま確かめておくこと
水が引いたあとに困るのは、片づけよりも「自分の土地がどういう区域なのか知らないまま元に戻す」ことです。浸水想定区域や地盤は、住所を入れれば地図で見られます。
- 自分の家や実家の住所が、浸水想定の中かどうかを確かめる
- 床下まで水が来た家は、乾かす前に写真を撮っておく(り災証明の資料になる)
- 沼の北側の低い土地は、雨がやんだあとに水位が上がる時間帯がある。夜のうちに戻らない
生活・仕事にどう効くか
- 避難:成田市の避難所は23日午前9時の時点で公津小学校と八生小学校の2か所。22日午前6時5分に閉めた早期開設の避難所とは別枠で開いている。
- 道:栄町は22日14時56分に県道鎌ケ谷本埜線バイパスを全線通行止めにし、23日9時17分に解除した。成田市側は印旛沼の周りで規制が続いている。
- 家の記録:国の水害統計では、成田市は2015〜2023年の9年間で床上浸水0棟・床下浸水1棟。今回の浸水はその9年間に一度も無かった規模になる。
結局どうすればよいか
- 自分の地区に避難指示が残っているかは、栄町の情報メールか成田市の「台風25号に伴う情報一覧」で地区名を見る
- 沼の周りを車で通る予定があるなら、出る前に通行止めの区間を確かめてから動く
- 自宅や実家が浸水するおそれのある区域かどうかは、住所を入れて浸水想定と地盤をまとめて見ておく
公式出典
- 栄町「印旛沼の決壊に伴う避難指示について(対象地区の追加)」(町情報メール)(2026年9月22日発表)
- 栄町「情報メール」一覧(県道鎌ケ谷本埜線バイパスの通行止めと解除)(2026年9月23日発表)
- 成田市「台風25号に伴う情報一覧」(2026年9月23日発表)
- 国土交通省「水害統計調査」市区町村別水害被害(表-3)(2023年12月31日発表)
更新履歴
- 2026年9月23日 初版を公開
※本記事は2026年9月23日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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