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家が決められず2年。最後に買ったのは、最初に見送ったマンションだった

家を決められず物件資料を比較し続ける5人家族

家探しを始めたころ、その家族には子どもが3人いました。

「せっかく家を買うなら、全員に部屋があって、駅にも近くて、日当たりもよくて、できれば予算内」

条件を書き出すと、どれももっともです。ところが2年後、家族がようやく購入したのは、最初のころに紹介されて一度見送ったマンションの、値上がりした別の部屋でした。

その間に物件価格は上がり、住宅ローンの金利も上がり、3人いた子どものうち1人は社会人になって家を出ました。必要な部屋数まで変わっています。

2年かけて理想に近づいたはずなのに、最後は「前に見たマンションへ戻ってくる」という、少し笑えて、かなり考えさせられる実話です。

この話の結論

家探しは、100点の物件が出るまで待つ競技ではありません。今の家族にとって合格点の家を、条件が大きく変わらないうちに選ぶ意思決定です。

※実在する購入例をもとに、個人が特定されないよう細部と会話表現を調整しています。地域や金融機関によって、物件価格や住宅ローン条件の動きは異なります。

目次

1軒目のマンションは「悪くない。でも、もっとあるかも」

家族が最初に紹介されたマンションは、立地も広さも大きな問題はありませんでした。

ただ、決め手もありません。

  • もう少し駅に近い物件が出るかもしれない
  • 同じ予算なら、もっと広い部屋があるかもしれない
  • 収納があと少し多ければ
  • 上の階ならもっと明るそう

つまり、欠点があったというより、「次にもっと良い物件が出たら後悔するかもしれない」という気持ちが勝ったのです。

家族はその部屋を見送りました。この時点では、誰も2年後に同じマンションへ戻ってくるとは思っていません。

探すほど詳しくなり、詳しくなるほど決められない

家探しを続けると、知識は増えます。

最初は「駅から近い」「広い」「予算内」くらいだった条件に、管理費、修繕積立金、駐車場、眺望、方角、築年数、管理状態、買い物のしやすさ、学校までの距離が追加されていきました。

知識が増えること自体は良いことです。しかし、この家族の場合は、条件を整理するのではなく、条件を足し続けてしまいました。

80点だった物件を見送ったあと、別の物件で新しい長所を知ります。すると、その長所まで次の必須条件になります。

家探しのチェックリストが、いつの間にか「欠点を見つけるための間違い探し」になっていたのです。

四季をまたいで2年間マンションの内見を続ける家族

家族が比較している間も、市場は停止してくれない

物件を見送り続けている間にも、周辺の売出価格は少しずつ変わっていきました。

以前なら予算内だった条件の部屋が、同じ予算では探しにくくなります。住宅ローンも、最初に資金計画を立てたときと同じ条件ではありませんでした。

家族の感覚としては「慎重に比較している」でも、市場側から見ると、2年間ずっと決断を保留している状態です。

ここで難しいのは、値上がりも金利上昇も、事前に断定できないことです。だから「早く買えば必ず得」という話ではありません。

ただし、待つという選択にも、家賃、相場の変化、借入条件の変化、そして家探しに使う時間というコストがあります。待つなら、何を待っているのかを決めておく必要があります。

周辺の実際の取引価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで確認できます。住宅ローンは広告の最低金利だけで判断せず、借入額・返済期間・金利タイプを変えて返済額を比べることが大切です。

物件より先に、家族の条件が変わった

家探しを始めたとき、子どもは3人。家族は、全員分の部屋を意識して間取りを探していました。

しかし2年は、子どもにとってかなり長い時間です。

やがて一番上の子どもが社会人になり、家を出ました。

ここで家族は気づきます。

「私たち、もう同じ条件の家を探していないよね?」

ずっと必要だと思っていた部屋数が変わりました。通学を中心に考えていた生活動線も、数年先を見れば変わります。

物件情報は毎週更新していたのに、家族の希望条件は、家探しを始めた日のまま保存されていたのです。

社会人になった長子が独立し必要な部屋数の変化に気づく家族

そして現れた、見覚えのあるマンション

条件を見直して探し直したところ、ある部屋が候補に入りました。

住所を見て、家族は少しざわつきます。

2年前に一度見送った、あのマンションです。

同じ部屋ではありません。別の階、別の間取り。でも、エントランスも共用廊下も見覚えがあります。

そして価格は、2年前に見た部屋より高くなっていました。

「結局ここに戻ってくるんだ」

笑うしかないような気持ちと、「あのとき決めていれば」という気持ちが、少しだけ混ざります。

それでも家族は、その部屋を購入しました。

2年前の理想をすべて満たしたからではありません。家族が減った現在の暮らし、予算、立地、管理状態をあらためて比べると、今の自分たちには十分に合っていると判断できたからです。

2年後に以前見送ったマンションの別の部屋を内見する家族

これは「妥協して失敗した話」なのか

表面だけを見ると、こう見えるかもしれません。

  • 2年間決められなかった
  • 価格も金利も上がった
  • 最初に見送ったマンションへ戻った
  • 最後は条件を減らして購入した

けれど、本人たちが最後に行ったのは、単なる妥協ではありません。

家族が変わったので、条件を現在に合わせて更新したのです。

問題だったのは、条件を下げたことではなく、2年間「条件を変えないことが慎重さだ」と思い込んでいたことでした。

家は、探し始めた日の家族ではなく、購入後にそこで暮らす家族のために選びます。

家を決められないときに行いたい5つの整理

1.必須条件を3つまでにする

必須条件が10個あれば、候補がなくなるのは自然です。「予算」「場所」「最低限の広さ」など、譲れない条件を3つまでに絞ります。

2.「できれば」と「絶対」を分ける

南向き、角部屋、駅徒歩、眺望、収納などを、すべて同じ重さで扱わないようにします。なくても暮らせる条件は「加点項目」です。

3.探す期限を決める

「良い物件が出るまで」では終わりがありません。3か月後、更新時期、進学前など、見直す日を決めます。期限が来たら、購入・継続・中止を家族で選び直します。

4.物件だけでなく家族条件も更新する

半年ごとに、家族人数、勤務先、通学、車、必要な個室数、親との距離、予算を確認します。子育て世帯の2年は、家族構成や生活時間が変わるには十分な長さです。

5.「見送った理由」を記録する

感覚だけで見送ると、次の物件でも同じ迷いを繰り返します。「致命的だったのか」「少し気になっただけか」「価格で解決できるか」を残しておきましょう。

予算を整理するときは、年収と家族人数で見る家賃・住宅ローンの早見表も参考になります。中古マンションでは、専有部分だけでなく管理状況や修繕計画も含めて、中古マンション購入の注意点15選を確認してください。

「あのとき買えばよかった」を、次の判断材料にする

この家族は、2年前の選択を完全に忘れたわけではありません。

もっと早く決めていれば、価格も借入条件も違った可能性があります。一方で、2年たったからこそ、必要な部屋数が変わり、自分たちが本当に重視するものも分かりました。

大切なのは、後悔を続けることではなく、「なぜ決められなかったか」を次の判断に使うことです。

100点の家を待っている間に、家族も市場も動きます。

家探しのゴールは、欠点のない物件を見つけることではありません。今の家族が、欠点を理解したうえで「ここなら暮らしていける」と決められることです。

まとめ

家を決められず2年間探し続けた家族は、価格と金利の上昇、子どもの独立、必要な部屋数の変化を経験しました。そして最後に選んだのは、最初に見送ったマンションの、値上がりした別の部屋でした。

少し皮肉な結末ですが、家族が失敗だけをした話ではありません。

「もっと良い家があるかも」から、「今の私たちに必要な家はどれか」へ問いを変えたことで、ようやく決められたのです。

もし家を見れば見るほど分からなくなっているなら、物件を増やす前に、条件の優先順位と期限、そして現在の家族の暮らしを一度更新してみてください。

参考になる公式サイト

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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