MENU
お役立ち記事
【近日公開】AIが物件資料からSUUMO・at homeの入稿文を作成「入稿メイト」|先行登録受付中(無料)

ため池 ハザードマップ/義務ではなく努力義務

🗨️「ため池のハザードマップは、法律で作ることが義務になっているのでしょうか」

法律の条文に「ハザードマップ」という言葉はありません。管理保全法の第12条が市町村に求めているのは、避難場所や避難経路を載せた印刷物の配布などで住民に周知するよう「努める」ことで、努力義務です。対象も県が指定した特定農業用ため池です。それでも防災重点農業用ため池の約98%では、すでに地図が作られています。

[災害] この記事の要点

発表日・更新日

2026年9月30日 発表

影響を受ける人
  • 田畑や池の多い地域で家を探していて、近くにため池があると気づいた人
  • 洪水ハザードマップは白だったのに、下流にため池がある土地を検討している人
  • 香川・広島・兵庫・岡山など、防災重点のため池が多い県に住んでいる人
目次

法律に「ハザードマップ」の語はない

ため池の法律は2本あります。2019年7月に施行された「農業用ため池の管理及び保全に関する法律」と、2020年に作られた「防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法」です。どちらの条文にも、「ハザードマップ」という語は入っていません。

住民への知らせについて書いているのは、管理保全法の第12条です。市町村長は、区域内にある特定農業用ため池が決壊したときの情報の伝達方法、避難場所、避難経路などを載せた印刷物を配るなどして、住民に周知させるよう努めるものとする、という内容です。

住民に周知させるよう努めるものとする。

農業用ため池の管理及び保全に関する法律 第12条

「努めるものとする」は努力義務の書き方で、「しなければならない」とは違います。しかも対象は、県知事が指定した特定農業用ため池だけです。その指定も第7条で「指定することができる」とされていて、指定するかどうかは県の判断になります。

水防法のほうは違います。洪水や内水、高潮の想定区域が指定されたら、市町村長は避難に関する事項を記した印刷物の配布などの措置を「講じなければならない」と書いています。ため池はその枠の外にあり、義務の強さは一段弱い作りです。

地図で調べたあと、家に置いておくもの

色がついていても、白でも、家に置くものは変わりません。自治体の備蓄は数日分が前提なので、最初の3日をしのぐ分は各家庭で持っておくものとされています。

アイリスオーヤマ 防災リュック 1人用 33点セット(防災士監修)
アイリスオーヤマ 防災リュック 1人用 33点セット(防災士監修)

一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。

白神山地の5年保存水 2L×6本
白神山地の5年保存水 2L×6本

飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。

トイレの女神PREMIUM 簡易トイレ 100回分
トイレの女神PREMIUM 簡易トイレ 100回分

断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。

※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。

全国のため池の数字

農林水産省が2026年3月にまとめた検証結果から、令和7年3月末の数字を並べます。

農地と林に囲まれた小さな池を上空から見た写真
田畑のすぐそばにある池も、下流に家があれば防災重点の対象になりうる(Photo: Pexels)
項目数字
全国の農業用ため池149,417か所
うち防災重点農業用ため池52,380か所
ハザードマップ等を作成済み防災重点のうち約98%
防災工事が必要と判断された(令和6年度末)約23,200か所
うち令和12年度までに着手予定約6,700か所
それ以外で工事が必要約16,500か所

目を引くのは下の3行です。工事が必要とされた約23,200か所のうち、特措法の期間内に手が付く予定なのは約6,700か所。残りの約16,500か所は、期間が終わった後も工事が必要な池として残ります。地図は98%そろっていても、池そのものが直るのはこれからの話です。

防災重点は西日本に偏っています。都道府県別の指定数(令和7年3月末)は、上位5つが次のとおりです。

順位都道府県指定数
1広島県6,753か所
2兵庫県6,121か所
3岡山県3,994か所
4福岡県3,469か所
5香川県3,099か所

下のほうを見ると、東京都は7か所、神奈川県は2か所です。同じ「防災重点」でも、広島県の1,000分の1ほどです。香川のため池がどれほど多いかは、実は地名にヒントがあります 香川のため池は12,187、高松の「浜」は海抜0.9mで地名の側から書きました。

特定農業用ため池の条件

県知事が特定農業用ため池に指定できる池は、施行令の第1条で決まっています。決壊したときに浸水すると想定される区域の中に、住宅や学校、病院などがあることが前提で、池の大きさと距離の組み合わせが3通り並んでいます。

貯水量住宅等がある場所
1つ目問わない浸水区域のうち、池から水平距離100m未満
2つ目1,000㎥以上浸水区域のうち、池から水平距離500m未満
3つ目5,000㎥以上浸水区域のどこか

1つ目が目につきます。貯水量がどれだけ小さくても、家が池から100mより近い場所にあれば、条件に当てはまります。小さな池だから関係ない、とは言えない作りです。ほかに、周辺の状況から決壊への備えが特に必要と省令で認められるものも対象になります。

私はこう読みました

「作成済みが98%」という数字は、安心材料にも不安材料にもなると思います。地図が用意されていることは確かです。ただ、これは池の側から数えた割合で、住民が自分の家の位置を確かめたかどうかを測った数字ではありません。しかも法律は、周知を努力義務にとどめています。

農林水産省の今後の対策の文書にも、地図が適切に書かれているか、適宜点検して更新するよう努めることという一文が入っています。作って終わりではなく、古い地図が残っている可能性を国も見ています。

家探しの場面では、ここが盲点になりやすいと考えています。川の氾濫や高潮は水防法の地図で見られますが、近くに池があるだけの土地は、その地図が真っ白でも下流にあたっていることがあります。周りに田畑や池がある土地は、市町村のサイトでため池の地図もあわせて見る。それがいちばん手間の少ない確かめ方です。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。

よくある質問

Q. 重要事項説明で、ため池ハザードマップの説明はありますか。
A. 所在地の説明が義務になったのは、宅建業法施行規則に「水防法の規定による図面」と書かれている水害ハザードマップです。ため池は水防法ではなく別の法律なので、この項目には入っていません。どこまでが義務かは重説 ハザードマップ/中身の説明は義務ではないに整理しました。

Q. 自分の家がため池の下流にあたるか、どこで調べますか。
A. 市町村や県のサイトに「ため池ハザードマップ」として公開されている例が多くあります。市町村名とあわせて検索するのがいちばん早いです。

Q. ため池が近くにあるだけで、家は危ないのですか。
A. 決壊したときに浸水すると想定された区域の中にあるかどうかで決まります。池が近くても区域の外なら対象になりません。浸水の深さや広がり方は、地図で見るしかありません。

Q. 水災の火災保険は、ため池の決壊でも出ますか。
A. 補償の条件は保険会社ごとに違います。水災の考え方は床上浸水でも火災保険が出ない?水災補償の45cm・30%基準を整理にまとめています。

生活・仕事にどう効くか

  • 家を探す:水防法の地図とは別の法律の地図なので、洪水や高潮の地図が白でも、下流にあたる場合がある。市町村のサイトでため池の地図もあわせて見る。
  • 重要事項説明を受ける:所在地の説明が義務になっているのは水防法の水害ハザードマップ。ため池の地図は、この項目には入っていない。
  • 大雨の日:決壊時の情報の伝達方法や避難場所は、市町村が配る印刷物や地図に載る。事前に自分の家の位置を確かめておく。

結局どうすればよいか

  • 市町村名と「ため池ハザードマップ」で検索し、自分の家が浸水区域に入っていないか見る
  • ハザードマップポータルサイトで洪水・高潮の地図も見て、水防法の地図とため池の地図の両方を確かめる
  • 避難場所と避難経路を、ため池の地図に書かれたもので確認しておく

\気になる住所を1つ入れるだけ/

災害リスクを住所で調べてみる ›

浸水・土砂・地盤をまとめて表示(無料)

公式出典

更新履歴

  • 2026年9月30日 初版を公開

※本記事は2026年9月30日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する

災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。

災害・防災の新着

もっと見る
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

コメント

コメントする

目次