東京都が神田川など6本の川の流域で計算した想定では、千代田区の飯田橋二丁目・三丁目などは、町・字の中心が0.5〜3m(1階が浸水)の区域に入ります。
ただし都の比較では、ほぼ同じ規模の雨だった1993年と2004年の台風で、浸水家屋が3,117戸から46戸に減っています。
先に結論
- ✓ 東京都の流域の想定(1時間最大153mmの雨)で、町・字の中心が3m以上(2階まで浸水)の区域に入るのは、文京区水道一丁目など2か所
- ✓ 最大の水害は1958年9月の狩野川台風。都の記録では流域の床上浸水が18,394棟
- ✓ 神田川・環状七号線地下調節池は2019年の東日本台風で容量の9割、約49万m³をためた。ただ都の目標の1時間75mmに対する神田川の安全度達成率は2024年度末で53%
神田川の流域で浸水が想定される町

この地図は東京都が神田川・善福寺川・妙正寺川・江古田川・日本橋川・亀島川の流域で計算した想定です。色は川から離れた低い所にも付いていて、川があふれた分だけでなく、下水があふれる浸水(内水)も含んでいる可能性があります。色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。
0.5m以上の区域は約14平方キロメートルで、そのうち3〜5m(2階まで浸水)は約0.3平方キロメートルです。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
神田川など6本の川の流域の想定では、区域に入る町・字の中心は12市区の234か所です。多いのは千代田区41か所、新宿区39か所、杉並区35か所です。
0.5〜3mに入るのは87か所で、千代田区と新宿区が18か所ずつ、杉並区12か所、中野区10か所などです。
杉並区の0.5〜3mは、永福一丁目、下高井戸二丁目、成田西四丁目、善福寺三丁目などです。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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神田川の過去の水害と最近の大雨

年表の棟数は都の水害記録で、支川の善福寺川・妙正寺川の流域と、下水があふれる内水の浸水も含んでいます。
2018年3月の神田川流域豪雨対策計画は、神田川流域の5年平均の浸水棟数が350棟を超え、5年平均の被害額が約50億円に上るとしています。
2005年9月の集中豪雨は、被害の中心が支川の妙正寺川・善福寺川の流域でした。都はこのあと、両川で激甚災害対策特別緊急事業を行っています。
2026年9月の台風第25号では、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、神田川の洪水予報の基準点4か所は氾濫危険水位に届きませんでした。
支川の善福寺川では、松見橋(杉並区)が一晩に3回、氾濫危険水位を超えました。

今の水位を見る場所

神田川は東京都と気象庁が共同で洪水予報を出す川で、東京都の観測所の線は「氾濫危険水位」と「氾濫発生水位」の2本だけです。
神田川沿いは、杉並区が番屋橋、中野区が和田見橋、新宿区が南小滝橋、千代田区・文京区が飯田橋です。善福寺川沿いは松見橋(杉並区)を見ます。
環七地下調節池のたまり具合は、都の貯留率のページで見られます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
「神田川は氾濫しない」は本当か
「環七の地下に調節池があるから神田川は氾濫しない」とは言い切れません。
神田川・環状七号線地下調節池にためられるのは約54万m³までで、2019年の東日本台風ではその9割にあたる約49万m³がたまりました。
調節池は環七の道路の下にある長さ4.5km・内径12.5mのトンネルで、神田川・善福寺川・妙正寺川の洪水を取り込みます。
1997年4月に取水を始め、2018年3月末までに40回以上、水をためました。
1993年と2004年の比較では、2004年の1時間の雨が57mmと、1993年の47mmより強かったのに、浸水面積は85haから4haに減りました。
都は護岸の整備と調節池の貯留で、浸水被害が「激減」したとしています。
それでも都が目標にする1時間75mmの雨に対して、2024年度末の安全度の達成率は神田川53%、善福寺川41%、妙正寺川51%です。
都はこの調節池を、整備中の環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)で白子川地下調節池とつなぎ、合計約143万m³にする計画です(2024年5月時点)。

流域の町のページ
この記事の地図には、下水があふれる浸水の想定も重なっている場合があります。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む杉並区 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む新宿区 冠水 どこが危ないの? ›
ここで扱った浸水想定は、東京都が神田川・善福寺川・妙正寺川・江古田川・日本橋川・亀島川の流域で計算した想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 東京都建設局「神田川・環状七号線地下調節池」パンフレット(平成28年3月)
- 東京都建設局「東京都河川施設360°バーチャルツアー 神田川・環状七号線地下調節池」
- 東京都総合治水対策協議会「神田川流域豪雨対策計画(改定)」(平成30年3月)
- 東京都「荒川水系 神田川流域河川整備計画」(令和5年3月)
- 東京都建設局「妙正寺川・善福寺川 河川激甚災害対策特別緊急事業」
- 杉並区「近年における水害の特徴」(第2章)
- 東京都建設局「神田川流域」
- 東京都建設局「神田川流域洪水浸水想定区域図」(令和6年2月15日指定)・「神田川流域浸水予想区域図」(平成30年3月30日作成)
- 東京都建設局「洪水予報河川・水位周知河川」
- 東京都建設局河川部「東京都における地下空間を利用した治水施設」(令和6年5月28日)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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