🗨️「自宅の確認済証・検査済証を紛失してしまいました。再発行はできますか。」
できません。三鷹市も鹿児島市も、自分のホームページにそう書いています。窓口で出してもらえるのは、名前の違う別の書類です。そしてその呼び名も値段も、市ごとに変わります。
[不動産] この記事の要点
2026年9月19日 発表
- 中古住宅を買う前に、その家が新耐震か旧耐震かを自分で確かめたい人
- 親の家を相続して、確認済証も検査済証も見つからないまま手が止まっている人
- 耐震改修の補助や住宅ローンで「検査済証の番号」を求められて困っている人
この記事でわかること
- ✓ 代わりに出る書類の呼び名は市ごとに違う(堺市は「建築確認処分等証明」で200円、三鷹市は「建築確認申請受理台帳の記載事項証明書」で300円)
- ✓ 建築計画概要書には検査済証の番号・日付が載らない。遡れる年代も違う(神戸市では概要書が1971年から、台帳は1957年から)
- ✓ 窓口では、当時の建築主の氏名と、当時の地名・地番を聞かれる(鹿児島市)
確認済証も検査済証も、再発行はできません
実家が新耐震かどうかを確かめようとすると、まず探すのが確認済証です。40年前の紙ですから、たいていは出てきません。押し入れの奥まで半日かけて探して、無い。そこで「役所で再発行してもらおう」と考えます。
三鷹市は、この問いをそのままの言葉でホームページに載せています。
自宅の確認済証・検査済証を紛失してしまいました。再発行はできますか。
三鷹市 よくある質問
市の答えはこうです。
建築確認の証明となる確認済証、建築工事完了時の法適合を証明する検査済証の再発行はできません。代わりに建築確認申請受理台帳の記載事項証明書を、市役所第二庁舎1階建築指導課監理係で発行しています。手数料は、1部300円です。
三鷹市 よくある質問
鹿児島市も同じです。「一度交付がされた『確認済証』や『検査済証』の再発行は出来ません。再発行に代わって、『記載事項証明』の発行となります」。探していた紙そのものは、もう手に入りません。窓口で受け取れるのは、別の名前がついた別の書類です。
離れた市がそれぞれ同じ質問を立てているのは、窓口で繰り返し聞かれているからです。
中身が同じなら、名前が違うだけのことでは。
中身も少し違います。そして名前が市ごとに変わるので、同じ言い方で頼むと窓口で話が止まります。
揺れた瞬間に、部屋の中で起きることを減らすもの
地震のけがの3〜5割は、屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものです(東京消防庁)。壁にネジを打てない部屋でもできる手から並べます。
東京消防庁の実験では、L型金具で壁に直接ネジ止めするのが最も効果が高いとされています。賃貸で壁に穴を開けられない部屋での代わりがこれです。家具の両端の側板部を、できるだけ奥で突っ張ります。天井側にも強度が要ります。
突っ張り棒だけだと効きが落ちます。同じ資料が、ポール式にはストッパー式や粘着マット式の併用をすすめています。マット単独でも効果は小さいので、上の棒と2つで1組と考えてください。
お湯でも水でも作れて、袋のままおにぎりの形になります。断水すると鍋も食器も洗えません。洗い物の出ない形を先に入れておくと、水の減り方が変わります。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
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代わりに出る書類は、市によって名前が違います
中古住宅の解説はたいてい「台帳記載事項証明書を取りましょう」で終わっています。間違いではありませんが、その名前では案内していない市があります。5市の公式ページから、呼び名と手数料と窓口をそのまま並べます。
| 市 | その市での呼び名 | 手数料 | 窓口・メモ |
|---|---|---|---|
| 東京都三鷹市 | 建築確認申請受理台帳の記載事項証明書 | 1部300円 | 市役所第二庁舎1階 建築指導課監理係 |
| 大阪市 | 台帳記載事項証明書 | 250円/件 | 建築指導部。部内の端末で自分でプリントする方法もある。オンライン申請は250円+送料140円〜 |
| 大阪府堺市 | 建築確認処分等証明 (ページでは「建築確認処分等(台帳「等」記載事項証明書)」と併記) | 証明書1件につき200円 | 堺市役所高層館13階(南側)建築安全課 管理係。概要書の写しも200円/通、閲覧だけなら無料。発行に20分ほどかかり、午前11時30分以降に申請すると受け取りは午後0時45分以降 |
| 神戸市 | 台帳記載事項証明書 | 1通300円(現金またはキャッシュレス決済) | 建築住宅局建築調整課の1番窓口。窓口の検索システムを自分で操作して申請する |
| 鹿児島市 | 記載事項証明 | ページに金額の記載なし | 申請の前に台帳の確認が必要。先に電話で問い合わせる |
同じ役目の書類なのに、三鷹市では「建築確認申請受理台帳の記載事項証明書」、堺市では「建築確認処分等証明」です。堺市が正式名にしているのは「建築確認処分等証明」です。ページでは括弧書きで「台帳等記載事項証明書」と併記されていて、探している「台帳記載事項証明書」とは一字違います。
手数料は200円から300円まで開きます。ただ、金額より大きいのは一度で済むかどうかのほうです。平日しか開いていない窓口に出直せば、それだけで半日が消えます。
建築計画概要書には、検査済証の番号が載りません
役所で取れる書類は、もう1種類あります。建築計画概要書です。名前が似ているので同じものだと思われがちですが、別物です。神戸市がページに書いています。
※建築計画概要書には検査済証の番号・日付は記載されません。検査済証の番号等が必要な場合は台帳記載事項証明書を取得してください。
神戸市 建築計画概要書の閲覧・台帳記載事項証明書の交付
効いてくるのは、住宅ローンの審査や耐震改修の補助を申し込むときです。求められているのが検査済証の番号なら、概要書では用が足りません。
では概要書は取らなくていいんですか。
使い道が違うだけです。概要書には配置図や各階の平面図が付いていて、敷地のどこに何が建っていたかが分かります。
閲覧の根拠は建築基準法第93条の2です。ただし、この条文に「建築計画概要書」という言葉は出てきません。条文が書いているのは「国土交通省令で定めるもの」までで、中身は施行規則のほうで決まります。法律の本文に名前が無い書類なので、運用が市ごとに揺れます。
台帳は1957年まで、概要書は1971年まで(神戸市の場合)
遡れる年代も、2つの書類で違います。神戸市は閲覧できる時期をこう決めています。
- 建築計画概要書…建築主が民間なら1971年(昭和46年)以降に確認されたもの。国・県・市・住宅供給公社などが建築主のものは2007年(平成19年)6月以降
- 建築確認・完了検査の履歴(台帳記載事項証明書のもと)…1957年(昭和32年)以降に確認されたもの
台帳のほうが14年ぶん古くまで遡れます。旧耐震かどうかを知りたい家は1981年より前に建っているので、昭和40年代の家を概要書から当たると空振りになります。古い家なら、最初から台帳を頼むほうが早い。
神戸市の窓口は平日の8時45分から11時55分と、12時55分から17時30分。昼の1時間は閲覧も発行もできません。11時55分を過ぎて着くと、次に呼ばれるのは12時55分です。
建物の書類は、役所が開いている時間にしか動きません。いっぽうで、その家が建っている場所の側は、今いるところから調べられます。
窓口で伝える4つのこと。詰まるのは「当時の地番」です
鹿児島市は、申請のときに担当者へ伝える項目を4つ挙げています。
(1)建築年月日 (2)建築確認申請当時の建築主の氏名 (3)建築場所(当時の地名・地番) (4)主要用途・構造・階数
鹿児島市 よくある質問
1と4は、登記事項証明書があればだいたい埋まります。手が止まるのは2と3です。
2の「当時の建築主」は、今の所有者とは限りません。建てたのが祖父で、相続で父に移り、いま自分の名義という家なら、出すのは祖父の氏名です。3はもっと厄介で、市町村合併や住居表示で町名と番号が振り直された地域では、いまの住所を言っても台帳に当たりません。
当時の地番なんて、どこにも残っていません。
登記事項証明書の表題部に地番が載っていて、変更の経過も記録されています。先にこれを取ってから電話をかけてください。
鹿児島市は「申請をする前に建築確認整理台帳の確認が必要ですので、事前にお問い合わせ下さい」とも書いています。行ってから探すのではなく、記録があるかを電話で確かめてから行く。片道2時間かけて行き、台帳に無いと言われて帰る一日が、いちばん痛い。
民間の検査機関で確認を受けた家は、市には無い
市役所へ行っても出てこないことがあります。三鷹市の同じ回答の最後に、その条件が書かれています。
なお、指定確認検査機関(建築基準法に基づき、建築確認や検査を行う機関として国土交通大臣や都道府県知事から指定された民間の機関)で確認・検査した物件の証明については、各機関にお問い合わせください。
三鷹市 よくある質問
建築確認を出すのは市や県だけではなく、指定確認検査機関という民間の機関も行っています。そちらで確認を受けた家の証明は、その機関に頼みます。市の台帳に記録が薄いときは、この線を疑ったほうが早い。当時の工務店やハウスメーカーに控えが残っていることがあります。
書類が出てこなくても、違法建築ではありません
検査済証が見つからない家を「違法建築だ」と言う人がいますが、それは別の話です。建築基準法第3条第2項は、こう定めています。
この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地(略)がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物(略)に対しては、当該規定は、適用しない。
建築基準法 第三条第二項
建てたときの法律に合っていれば、あとから基準が変わっても、その新しい規定は適用されない。これが既存不適格です。違法建築とは、建てた時点で当時の法律に違反していた建物のことで、まったく別のものです。書類が手元に無いことと、その建物が合法かどうかは関係がありません。
ただし、制度の上で合法であることと、地震で壊れないことは別です。新耐震と旧耐震の境目がどの日付のどこにあるのかは、1981年の家が新耐震とは限りませんにまとめました。1981年に完成した家でも旧耐震になることがあります。
旧耐震と分かった家で、今日のうちにできること
書類を取った結果、1981年6月1日より前の確認だと分かったとします。次にやることは2つに分かれます。
1つは耐震診断と耐震改修です。補助を出す市は多いのですが、窓口も金額も市ごとに違い、たいてい年度の予算枠がなくなった時点で締め切られます。台帳の証明を取りに行った日に、同じ建築指導課で耐震の窓口も聞いてしまうのが早い。
もう1つは、役所を待たずに今夜できることです。旧耐震の家で人が死ぬ原因は、建物がつぶれることだけではありません。寝ている場所に何が倒れてくるかは、今日のうちに変えられます。
地震のあとに「この家にまだ住めるのか」を決める場面での見方は、地震で家が傾いた まだ住めるのかを判断するに分けて書きました。傾きは見た目では分かりません。
最後に、調べていて引っかかったことを書きます。この書類の解説はほとんどが「売るときに検査済証が無いと不利になります」という組み立てでした。ただ、この書類を自分の手で取りに行くのは、買う前の人と、親の家を継いだ人のほうだと私は見ています。売るときは不動産会社が代わりに動きますが、この2人には代わりに動く人がいません。呼び名が市ごとに違うという話が抜け落ちるのは、そこに理由があるのだと思います。
半日かけて押し入れを探しても、その紙はもう出てきません。出てくるのは、その市がその名前で呼んでいる別の一枚です。先に電話を1本かけて、名前と金額と、記録が残っているかを聞いておく。それだけで、実家の市役所へ行く日が一度で済みます。
生活・仕事にどう効くか
- 手続きが途中で止まる:検査済証の番号を求められている場面では、建築計画概要書を何通取っても用が足りません。どちらが要るのかを先に確かめないと、平日しか開いていない窓口へ二度行くことになります。
- 受け取りが昼をまたぐ:堺市は、午前11時30分以降に申請すると証明書の受け取りが昼休憩のあと(午後0時45分以降)になると書いています。発行そのものにも20分ほどかかります。
- 書類が無い=違法、ではない:建てた当時の規定に合っていれば、建築基準法第3条第2項により当時の規定のままでよいことになっています。台帳の証明が出てこないことと、その家が違法建築であることは別の話です。
結局どうすればよいか
- 実家のある市の建築指導課のページで、その市が使っている呼び名と手数料を先に確かめる
- 登記事項証明書を先に取り、建築年月日・当時の地番・当時の所有者の氏名を控えてから窓口へ行く
- 検査済証の番号が要るのか、敷地と建物の配置が分かればよいのかを決めてから、台帳の証明と建築計画概要書のどちらを頼むか選ぶ
公式出典
- 三鷹市 よくある質問「自宅の確認済証・検査済証を紛失してしまいました。再発行はできますか。」
- 鹿児島市 よくある質問「確認済証」や「検査済証」を紛失してしまいました。再発行は出来ますか。
- 大阪市 台帳記載事項証明書・建築計画概要書の閲覧と交付
- 堺市 建築計画概要書の閲覧・建築確認処分等証明
- 神戸市 建築計画概要書の閲覧・台帳記載事項証明書の交付
- 建築基準法 第三条第二項・第九十三条の二(e-Gov法令検索)
更新履歴
- 2026年9月19日 初版を公開
※本記事は2026年9月19日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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