🗨️「長崎市で救急車が有料になったと聞きました。実際にお金を取られた人はいるんですか?」
救急車そのものは無料のままです。有料になったのは、運ばれた先の病院で医師が「緊急性が低い」と判断したときの選定療養費7,700円で、長崎市の3つの基幹病院が7月1日から始めました。市がまとめた最初の1か月の実績は、徴収12件です。ところが同じ1か月で、軽症の救急搬送は前年の同じ月より164件減っていました。徴収された12件に対して、減った搬送が164件。効いたのは徴収そのものではなく、その前段にある周知だった、と読めます。救急車を呼ぶのをためらった事例は確認されていないとされています。
[暮らし] この記事の要点
2026年9月17日 発表
- 長崎市に住んでいる人、長崎市で働いている人
- 高齢の家族がいて、救急車を呼ぶか迷ったことがある人
- 同じ制度がこれから始まる市区町村に住んでいる人
有料になったのは、救急車ではありません
ここを最初にほどいておきます。混同されやすい部分です。
| 費用 | だれが決めるか | |
|---|---|---|
| 救急車を呼ぶこと・運ばれること | 無料のまま | — |
| 運ばれた先の病院での選定療養費 | 7,700円 | 搬送先の医師が「緊急性が低い」と判断した場合 |
お金がかかるのは病院の会計です。呼んだ時点でも、乗った時点でもありません。判断するのも救急隊ではなく、診た医師です。
対象は長崎市の3つの基幹病院で、開始は2026年7月1日でした。
- 長崎大学病院
- 長崎みなとメディカルセンター
- 日赤長崎原爆病院
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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最初の1か月で、徴収は12件でした
長崎市がまとめた実績です。
12件のほとんどは、飲酒による深酔いの状態で運び込まれ、病院に着いたころには症状が改善していたケースだったとされています。
思ったより少ないですね。制度としては空振りということですか。
逆でした。徴収は12件でしたが、その裏側の数字が大きく動いています。次の表を見てください。
減ったのは、軽症の搬送のほうでした
前年の同じ月(2025年7月)との比較です。
| 項目 | 導入前(2025年7月) | 導入後(2026年7月) | 差 |
|---|---|---|---|
| 軽症の救急搬送 | 797件(全体の36.8%) | 633件(同30%) | −164件 |
| 病院への受け入れ交渉回数 | 3,174回 | 2,670回 | −504回 |
| 応需率(要請に応じた割合) | 68.3% | 79.1% | +10.8ポイント |
| 不応需回数(受け入れできず) | 1,007回 | 559回 | −448回 |
徴収は12件、軽症搬送の減少は164件。お金を取られた人の14倍近い数が、そもそも運ばれていません。
つまり効いたのは、7,700円という請求そのものではなく、「7,700円かかる場合がある」と知られたことだったことになります。
救急車の出動そのものは、ほとんど減っていません
ここが見落とされやすいところです。公表されているのは軽症の件数と構成比なので、割り戻して総数を出してみます。
| 計算 | 搬送の総数(概算) | |
|---|---|---|
| 2025年7月 | 797件 ÷ 36.8% | およそ2,170件 |
| 2026年7月 | 633件 ÷ 30% | およそ2,110件 |
全体では60件ほどの差で、ほぼ横ばいです。減ったぶんは、ほぼそのまま軽症の164件でした。必要な出動は減らさずに、軽症だけが減ったという形になっています。

いちばん効いた数字は、応需率かもしれません
応需率は、救急隊が「受け入れてもらえますか」と交渉して、病院が応じた割合です。68.3%から79.1%へ上がりました。
裏返すと、断られた回数が1,007回から559回へ、448回減ったということです。1日あたりにすると14回ほど、断られずに済んだ計算になります。
救急隊にとって、断られるたびに次の病院へ電話をかけ直す時間が乗ります。その時間は、その救急車が次の出動へ戻れない時間でもあります。応需率の10.8ポイントは、救急車が空くまでの時間の話でもある、ということです。
呼ぶのをためらった人は、確認されていません
この種の制度でいちばん心配されるのが、必要な人が遠慮してしまうことです。
市は3病院と市消防局への聞き取りをして、現場でのトラブルも、選定療養費を理由とした呼び控えの事例も確認されなかったとしています。一方で、救急車を使わず自分で来院した人(ウォークイン)への影響は、まだ測れていないとしています。
呼ぶかどうか迷ったとき、どうすればいいですか。
迷った時点で電話していい、というのが前提です。そのうえで、判断を手伝ってくれる番号があります。大人は救急安心センターの#7119、子どもは#8000です。看護師や相談員が、症状を聞いて「すぐ救急車」か「朝まで待てる」かを一緒に決めてくれます。
長崎市の1か月は、この制度が「使わせない仕組み」ではなく「順番を整える仕組み」として動きうる、ということを数字で示した例になりました。同じ制度は他の市でも順次始まっています。自分の住む市がどうなっているかは、市のホームページで「選定療養費 救急」と探すのが早いです。
生活・仕事にどう効くか
- 徴収は12件、軽症搬送の減少は164件でした。数字の大きさが14倍ちがいます。
- 応需率は68.3%から79.1%へ、10.8ポイント上がりました。受け入れ先がすぐ決まるようになったということです。
- 呼び控えの事例は確認されていないとされています。ためらわせる制度にはなっていない、という報告です。
結局どうすればよいか
- 迷ったら救急安心センター(#7119)か、こども医療電話相談(#8000)にまず電話する
- 持病のある家族については、かかりつけ医に「どの症状なら救急車か」を一度聞いておく
- 健康保険証とお薬手帳を、玄関から持ち出せる場所にまとめておく
公式出典
- 長崎新聞 『緊急性のない救急搬送』徴収が始まった1カ月間の状況(長崎市・長崎市消防局提供データ)(2026年9月17日発表)
更新履歴
- 2026年9月17日 初版。搬送総数は公表されていないため、軽症件数と構成比から当編集部が割り戻した概算であることを本文に明記した。
※本記事は2026年9月17日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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