上越市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は36か所です。
住所を並べていて、手が止まりました。柿崎区、柿崎区、柿崎区。36か所のうち21か所が、柿崎区に集まっています。
この記事でわかること
- ✓ 36か所のうち21か所が柿崎区。34か所は市道です
- ✓ 説明表には「1メートル以上の冠水の有無」という欄があり、「有」は5か所でした
- ✓ 市の内水ハザードマップは水防法に基づくもので、不動産取引の重要事項説明の対象です
箇所の数・種別・住所は国土交通省 北陸地方整備局「道路冠水注意箇所」新潟県471か所と、箇所ごとの説明表36枚から自分で数えました。雨の想定と浸水の記録は上越市 雨水施設課「内水ハザードマップ」です。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
36か所のうち21か所が、柿崎区にあります

新潟県の一覧を数えると471か所ありました。いちばん多いのが新潟市の235か所、次が長岡市の48か所、そして上越市の36か所と続きます。県内で3番目です。
その36か所を住所で分けると、柿崎区が21か所。旧上越市の区域が8か所、頸城区が3か所、大潟区・板倉区・浦川原区・中郷区がそれぞれ1か所ずつでした。
柿崎区は、2005年の合併で上越市になった旧柿崎町です。市域の東の端、日本海に沿った細長い区域で、面積でいえば市の一部でしかありません。そこに6割近くが寄っています。
中身を見ると、同じ地名が何度も出てきます。直海浜が4か所、山谷が4か所、柿崎が3か所、川井が2か所、法音寺が2か所、上下浜が2か所。ひとつの集落に2つ3つとまとまって指定されている形です。
道路の区分は、34か所が市道。残る2か所が国道18号上新バイパスの横断ボックスです。県道は1つもありません。警察署の欄は35か所が上越警察署で、中郷区の1か所だけが妙高警察署でした。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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説明表に「1メートル以上つかるか」が書いてあります

新潟県の説明表には、ほかの県には無い欄があります。「冠水範囲」「冠水原因」「1m以上の冠水の有無」「排水ポンプの有無」。1か所ごとに、どこまで水が来るのかが書かれています。
36か所のうち、この欄が埋まっているのは34か所。国が管理する国道18号の2か所だけ空欄です。国の箇所は国の様式、市の箇所は市の様式で書かれているからです。
「1m以上の冠水の有無」が「有」になっているのは5か所でした。春日野1丁目、国府4丁目、佐内町、下荒浜の2か所。5か所とも「アンダー部」で、5か所とも排水ポンプが付いています。
| 管理番号 | 路線 | 場所 | 標高 | 1m以上 | ポンプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 新潟県-02-204 | 市役所大通大豆線 | 春日野1丁目 | 8.2m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-205 | 国府西本町線 | 国府4丁目 | 5.5m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-206 | 佐内川原町線 | 佐内町 | 2.7m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-207 | 八千浦環状南線 | 下荒浜 | 4.7m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-208 | 八千浦環状南線 | 下荒浜 | 4.7m | 有 | 有 |
5か所とも、直江津の側に寄っています。いちばん低い佐内町は標高2.7メートルです。
残る29か所は「無」。ポンプが付いているのは、5か所に加えて富岡と直海浜の2つだけで、合わせて7か所です。ポンプがある場所と、1メートル以上たまる場所は、ほぼ同じでした。深くなるから機械を入れている、という順番だと思います。
冠水の原因の欄も読めます。いちばん多いのが「周辺レベルより低く、溜まりやすい」で23か所。次が「道路側溝の容量不足」5か所、「用排水路の容量不足」3か所。「豪雨時に排水路が越水し路面が冠水」と書かれた場所も1つありました。
標高は2.7メートルから263メートルまで開きます

36か所の標高を引くと、いちばん低いのが佐内町の2.7メートル、いちばん高いのが中郷区松崎の263.1メートル。260メートルの開きがあります。
低いほうは直江津の周りです。佐内町2.7メートル、福橋3.1メートル、頸城区榎井3.3メートル、下荒浜4.7メートル、国府4丁目5.5メートル。海に近い平らな土地に、深くなる場所が寄っています。
高いほうは柿崎区の山側です。米山寺が105.8メートル、山谷が44.6メートル、川田が38.0メートル。柿崎区の21か所は、海沿いの上下浜から米山の裾まで、標高で100メートル以上ちらばっています。「柿崎区が危ない」ではなく「柿崎区のあちこちに、それぞれ別の理由の水たまりがある」と読むほうが近そうです。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
市の想定は1時間130ミリ。観測史上最大は91ミリです
上越市の内水ハザードマップは、雨水施設課が出しています。想定しているのは1時間130ミリ、およそ1000年に一度の雨。いっぽう市の観測史上最大の1時間降水量は、平成18年10月29日の91.0ミリです。
実際に降った最大の1.4倍を想定している、ということになります。この数字は市が勝手に決めたものではなく、国が全国を降り方の似た15の地域に分けて、それぞれの地域で観測された最大の雨から設定したものです。だから同じ地域の市は同じ数字になります。関東の市を調べたときは153ミリ、東海の市は147ミリ、上越市は130ミリでした。
地図は処理区ごとに3組あります。上越処理区の北部、上越処理区の南部、そして柿崎・大潟処理区。柿崎区に21か所ある以上、柿崎・大潟処理区の地図面は開く価値があります。
上越市の内水ハザードマップは、水防法第14条の2に基づく雨水出水浸水想定区域をもとに作られています。水防法に基づく地図なので、不動産を買うとき借りるときの重要事項説明の対象です。「うちの市の内水の地図は水防法に基づくものではありません」と断っている市も多いなかで、上越市は対象の側にいます。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
同じ県の長岡市とは、答えが正反対でした
新潟県の説明表は、市が違っても同じ様式です。そこで長岡市の48か所を同じ欄で読んでみました。
結果は、きれいに裏返っていました。長岡市は欄が埋まっている38か所のうち30か所が「1メートル以上つかる」。上越市は34か所のうち5か所です。排水ポンプの数も、長岡30か所に対して上越は7か所でした。
違いは、水がたまる場所の形にあります。長岡市の30か所はほとんどが線路や国道の下をくぐるアンダーパスで、原因の欄に「強雨、ポンプ故障等」と書かれた場所が17もあります。ポンプで汲み出し続けてようやく通れている道、ということです。
上越市にもくぐる道は20か所ありますが、「1メートル以上」と書かれたのはそのうち5か所だけ。残りは「車道部約30メートル」「車道部約50メートル」のように、平らな道が短い区間だけ浸かる形で書かれています。同じ雨でも、たまる深さが桁で違う。読むときはまず、自分の家の近くがどちらの型かを見てください。
もう1種類、「実際に浸かった場所」の地図があります
上越市には、想定の地図とは別に「過去の浸水実績に基づく内水ハザードマップ」があります。令和4年3月に高田区と新道区、令和5年3月に金谷区と有田区。市内すべてではなく、4つの区だけです。
もとになっているのは、市民からの情報提供と、職員のパトロールで見つかった浸水箇所。平成14年からの記録を積み上げたものだと市は書いています。
想定の地図と実績の地図は、役割が違います。想定は「1000年に一度の雨ならここまで来る」、実績は「この23年で実際にここが浸かった」。両方あるのは高田区・新道区・金谷区・有田区の4つだけなので、まず自分の住所がその4区に入るかを確かめるのが早いです。
近年の被害としては、平成29年10月22日から23日の台風21号が挙げられています。このとき床上5棟、床下74棟の住家が浸水しました。
もし車で水に入ってしまったら


1メートル以上と書かれた5か所は、どれも上を鉄道か道路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 長岡市 冠水 どこが危ないの?(新潟県) 同じ欄を読むと、38か所のうち30か所が「1メートル以上」でした
- 新潟市 冠水 どこが危ないの? 288か所のうち、市が人を張り付けているのは31か所(新潟県)
- 金沢市 冠水 どこが危ないの? 市が「1メートル以上つかる」と書いた道が13か所あります(石川県)
- 富山市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は64か所です(富山県)
- 長野市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト29か所、26か所は市道です(長野県)
この記事のまとめ
上越市で道路が冠水しやすい場所は36か所。そのうち21か所が柿崎区にあり、34か所が市道です。説明表の「1m以上の冠水の有無」が「有」なのは春日野1丁目・国府4丁目・佐内町・下荒浜の5か所で、5か所とも排水ポンプが付いています。標高は2.7メートルから263.1メートルまで開きます。
市の内水ハザードマップは1時間130ミリを想定したもので、水防法に基づくため重要事項説明の対象です。別に、高田区・新道区・金谷区・有田区の4区だけ「実際に浸かった場所」の地図があります。想定と実績、両方を見てください。
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