三郷市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は7か所です。
7か所の住所を標高の資料に当てると、いちばん高いところで3.0メートル、いちばん低いところで1.3メートルでした。参考に引いた市内の地点も、どれも標高4メートルに届きませんでした。
この記事でわかること
- ✓ 7か所とも標高3メートル前後。世田谷区の7か所は31メートルから48メートルでした
- ✓ 5か所の名前が「隧道(ずいどう)」。3つが外環自動車道の下、2つがJR武蔵野線の下です
- ✓ 市の浸水履歴は381件。うち道路冠水が177件で、50の町のうち30町に記録があります
箇所の数・種別・住所は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【埼玉県】」273か所と箇所ごとの説明表から、浸水の記録は三郷市「浸水履歴一覧」(2011年1月1日以降・2026年6月3日更新)から取りました。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIです。
5か所の名前が「隧道」です
国土交通省の一覧には埼玉県内の273か所が載っています。市町村別ではさいたま市41、加須市24、川口市18、久喜市17と続き、三郷市は7か所でした。
7か所の名前を並べると、5つが「隧道」。トンネルのことですが、この言い方をする市は多くありません。同じ埼玉県でも、川口市は「ガード」と「地下道」、県全体では「アンダーパス」が最も多い呼び名です。
| 管理番号 | 種別 | 路線 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 埼玉県-02-144 | 市道 | 市道3460号線 | 上口隧道(外環自動車道の下) | 上口2丁目 | 1.3m |
| 埼玉県-02-145 | 市道 | 市道3478号線 | 彦野隧道(外環自動車道の下) | 彦野2丁目 | 3.0m |
| 埼玉県-02-146 | 市道 | 市道3347号線 | 天神隧道(外環自動車道の下) | 天神1丁目 | 2.2m |
| 埼玉県-02-147 | 市道 | 市道1061号線 | 仁蔵隧道(JR武蔵野線の下) | 仁蔵 | 1.4m |
| 埼玉県-02-148 | 市道 | 市道3197号線 | 采女隧道(JR武蔵野線の下) | 采女1丁目 | 2.3m |
| 埼玉県-02-224 | 国道 | 国道298号 | 谷口立体 | 谷口 | 2.7m |
| 埼玉県-02-225 | 国道 | 国道298号 | 鷹野立体 | 鷹野3丁目 | 1.6m |
管理者は市道の5か所が三郷市、国道298号の2か所が北首都国道事務所です。警察署の欄は7か所とも吉川警察署でした。名前は隣の市ですが、庁舎があるのは三郷市上彦名144番地3。市内にある警察署が、隣の市の名前で呼ばれています。
備考欄は7か所とも空です。同じ日に調べた柏市の3か所には、3つとも「アンダーパスの前後に、冠水情報板あり」と書いてありました。この資料からは、三郷市の7か所に手前の表示があるかどうかは読み取れません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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7か所とも、何の下をくぐるかがはっきりしています

外環自動車道の下が3か所、JR武蔵野線の下が2か所、国道298号の立体が2か所。外環自動車道と国道298号は同じ場所を並んで通る道なので、7か所のうち5か所が、この1本の帯の下に並んでいます。
残る2か所の仁蔵隧道と采女隧道は、JR武蔵野線が市を横切るところにあります。三郷市の冠水注意箇所は、高いところを通る道と線路の下に集まっている、ということです。

市でいちばん高い場所でも4メートルに届きません

7か所は1.3メートルから3.0メートル。参考に三郷駅の南にあたる早稲田3丁目を引くと3.7メートル、戸ヶ崎2丁目が1.7メートルでした。
三郷市は中川と江戸川にはさまれた低い土地です。同じ日に調べた世田谷区の7か所は31メートルから48メートルで、数字が1つも重なりません。世田谷区は「高いところに冠水箇所がある」市区で、三郷市は「全部が低い」市です。
市は津波災害警戒区域も、高潮浸水想定区域も、土砂災害警戒区域も、造成宅地防災区域も「指定されていません」と書いています。崖くずれや高潮の区域として、市内に線が引かれていないということです。三郷市で備えるのは、水があふれることと、たまることになります。
市の浸水履歴は381件。道路冠水が177件です

三郷市は「浸水履歴一覧」を35ページで公開しています。2011年1月1日以降に報告があったもので、受付日・災害名・住所・地番・床下浸水・床上浸水・道路冠水の深さがセンチ単位で入ります。
数えると381件。そのうち道路冠水の深さが入っているのが177件、床下浸水が107件、床上浸水が94件です(1件に2つ入ることもあります)。地区別では戸ヶ崎が88件で最も多く、鷹野51件、高州40件、谷口34件と続きます。
目次に並ぶ地区は30。市の町名はおよそ50なので、6割の町に浸水の記録があることになります。市は「目次にない地区については、市で把握している履歴はございません」と添えています。
381件のうち190件が、2013年の台風26号です
災害名で数えると、2013年10月の台風26号が190件。15年ぶんの記録の半分が、この1つの台風に入っています。
この台風での地区別は戸ヶ崎63件、鷹野36件、高州20件、新和14件、谷口14件。床上浸水の深さが最も大きかったのも、このときの鷹野5丁目で56センチでした。
次に多いのは2023年6月2日の大雨で79件。このときは栄1丁目と鷹野5丁目で、道路冠水50センチが記録されています。大人のひざが完全に隠れる深さです。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
国の7か所と市の記録が重なるのは1つだけ
国の一覧の7か所を、市の浸水履歴で引いてみます。
地番の欄に構造物の名前が出てくるのは1件だけ。2021年3月13日の大雨で、上口の「2丁目隧道」が30センチ超と記録されています。国の一覧にある上口隧道と、市の記録が同じ場所を指しているのは、この1件です。
いっぽう仁蔵は、目次に名前がありません。市が把握している浸水の記録が1件も無い地区に、国の一覧の仁蔵隧道があります。谷口と鷹野は逆で、国の一覧に国道298号の立体が1つずつあり、市の記録でも34件・51件と上位でした。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
道路が浸かった場所だけ、地図が公開されています

三郷市の浸水履歴には続きがあります。道路冠水の箇所だけ、地図が公開されています。床上浸水と床下浸水の箇所は地図に載りません。
一覧のほうも、床上・床下浸水と一部の道路冠水は「地番及び枝番の末尾はX表記」になっています。個人の家が特定されないようにするためです。それでも道路の分は、通る人みんなに関わるからでしょう、位置がそのまま見られます。
内水ハザードマップについて、市はこう書いています。水防法第14条の2に基づく雨水出水浸水想定区域を指定していないため、同法第15条第3項に基づくハザードマップではない。つまり不動産の取引で説明が義務になるのは、洪水ハザードマップだけです。
もし車で水に入ってしまったら

7か所はどれも、上を高速道路か線路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 越谷市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは3か所だけ、うち2か所は地下道ですらない(埼玉県) 同じ県で、こちらは3か所です
- 川口市 冠水 どこが危ないの?(埼玉県) 呼び名が「ガード」と「地下道」に固まっています
- さいたま市 冠水 どこが危ないの? 国が数えた41か所は岩槻区13、浦和区は0(埼玉県) 県内でいちばん多い市です
この記事のまとめ
三郷市で道路が冠水しやすい場所は7か所。5つが「隧道」という名前で、3つが外環自動車道の下、2つがJR武蔵野線の下、残る2つが国道298号の立体です。標高は1.3メートルから3.0メートルで、市内に高い場所がありません。
市の浸水履歴は381件で、道路冠水が177件。15年ぶんの半分にあたる190件が、2013年の台風26号1つで出ています。戸ヶ崎が88件で最も多く、道路冠水の箇所だけは地図で位置まで見られます。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【埼玉県】」273か所と箇所ごとの説明表
- 三郷市「市内の浸水履歴」浸水履歴一覧(2011年1月1日以降・2026年6月3日更新)と道路冠水箇所マップ
- 三郷市「ハザードマップ」よくある質問(水防法に基づくハザードマップの範囲)
- 三郷市「町名別世帯数及び人口」令和8年9月1日
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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