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おとり物件は泣き寝入りしなくていい。「摘発されないのはなぜですか?」への答えと通報先5つ

※ 本ページには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。

内見の予約を入れていた部屋が、当日になって「昨日申し込みが入ってしまったので内見できなくなった」という連絡で消える。失ったのは部屋ひとつではありません。その部屋を基準に見送ったほかの候補と、引っ越しの期日までの持ち時間です。

2024年10月、SUUMOで見つけた部屋でまさにこの断られ方をした人が、Yahoo!知恵袋にこう書いています。

騙されたこと自体情けないのですが、おとり物件を使った売り方に腹が立ちます。11月末退去の方が本当だったのなら待ってでもそっちの物件に住みたかったです。

Yahoo!知恵袋(2024年10月31日投稿)

この記事は、遭ってしまった後にできることを集めました。通報先は5つあります。ただし、どこに伝えるかで起きることが変わります。掲載サイトへの通報で動くのは、そのサイトの掲載まで。業者の免許に届く窓口は、ポータルサイトではなく都道府県庁の中にあります。

先に結論

どこに 何を伝える どうなる
SUUMO(ヘルプ内の指摘フォーム) 成約済みの物件が掲載されている事実と物件URL サイト側で確認・対応
LIFULL HOME’S「掲載情報110番」 「事実と違う」「成約済みの物件だった」の指摘 事実確認のうえ情報の修正・非掲載処理
アットホーム(報告フォーム) 物件URLと、業者へ問い合わせた日・担当者名 サイト側で確認・対応
不動産公正取引協議会 不動産広告についての相談・苦情(電話可) 広告ルールの専門機関として対応
都道府県の宅建業の窓口 会社名・店舗名と経緯 行政の指導。業務停止・免許取り消しに届く唯一のルート

「そもそも、あれはおとりだったのか」をまだ確かめたい段階なら、先に姉妹記事のおとり物件の見分け方を読んでください。この記事は、通報の側だけを書きます。

目次

おとり物件の通報先5つ。どこに何を伝えるか

先に共通の前提をひとつ。通報に「おとりの証拠」は要りません。ポータル3社のフォームが受け付けているのは「成約済みの物件が掲載されている」という事実の報告で、おとりかどうかの判定は受けた側が行います。

SUUMO:ヘルプ内に個人向けの指摘フォームがある

SUUMOのヘルプには「成約済みの賃貸・売買物件が掲載されている」場合の、個人向けの案内ページと専用フォームがあります(SUUMOヘルプの該当ページ)。物件詳細画面の下部からも報告できます。入力項目はリンク先で確認してください。

LIFULL HOME’S:窓口の名前は「掲載情報110番」

LIFULL HOME’Sの通報窓口には「掲載情報110番」という名前が付いています。「事実と違う」「成約済みの物件だった」という指摘を受け付け、事実確認のうえで情報の修正・非掲載の処理につなげる、と公式サイトが説明しています(LIFULL HOME’Sの取り組みページ)。

アットホーム:問い合わせの記録を書く欄まである

アットホームの報告フォームは、報告の対象に「申込・成約済の物件が掲載されている」を明記しています。実際のフォームには、該当物件のURLに加えて「情報提供会社へ問い合わせた日」「担当者名」「問い合わせ方法」を書く欄があります。

つまり、電話を切った直後が勝負です。断られた日付、電話に出た担当者の名前、言われた内容をその場でスマホにメモしておく。それがそのまま通報の材料になります。

不動産公正取引協議会:広告ルールの専門窓口

不動産広告のルール(表示規約)を運用している業界の機関です。首都圏なら首都圏不動産公正取引協議会で、電話03-3261-3811、平日10:00〜12:00/13:00〜16:30。受け付けるのは「不動産広告についての相談・苦情」だけで、契約トラブルは対象外です(公式のお問い合わせページ)。首都圏以外の地域は、全国の不動産公正取引協議会の一覧から自分の地区の協議会を探せます。

都道府県の宅建業の窓口:業者の免許に届く、いちばん強いルート

不動産会社は、都道府県知事か国土交通大臣の免許がないと営業できません。その免許を出した行政の窓口が、業者への指導・処分の入り口です。東京都なら住宅政策本部 不動産業課 指導相談担当(電話03-5320-5071)。ほかの道府県は「県名 宅建 指導」で検索すると各庁の窓口が出てきます。業務停止や免許取り消しにつながる唯一のルートです。

実は、この答えは15年前から変わっていません。2011年、Yahoo!不動産の相談コーナーに「おとり物件を出している不動産が摘発されないのはなぜですか?」という質問が投稿され(Yahoo!不動産 知恵袋・2011年3月16日投稿)、ベストアンサーは都道府県庁の宅建指導の窓口への通報を勧めていました。この質問はいまも「おとり物件 通報」の検索結果の上位に出てきます。15年間、同じ場所で人が困り続けているということです。

「名前が知られるのが怖い」への答え。記名の扱いは窓口で違う

2011年の質問者は「すごく嫌な思いしました」と書きながら、通報については、店に個人名を知られているからと「怖いのでやめときます」と引き下がっています。この不安には、確認できた事実で答えます。

まず、名前を書いて出す相手は、掲載サイトの運営会社・協議会・行政の窓口であって、その不動産会社ではありません。そのうえで、アットホームの報告フォームで必須なのは名前とメールアドレスの2つで、電話番号と住所は任意です(実際のフォームで確認)。首都圏不動産公正取引協議会は電話で相談できます。SUUMOとLIFULL HOME’Sのフォームの入力項目は、それぞれのリンク先で確認してください。提出した情報がその先でどう扱われるかは、各窓口の案内に従ってください。

通報するとその後どうなるか

掲載サイトに通報した場合の流れを公表しているのはLIFULL HOME’Sで、指摘→事実確認→情報の修正・非掲載処理、という順番です。事実と違う広告なら、そのサイトから消される。ここまでがポータルの守備範囲です。

会社そのものに何かが起きるのは、その先です。都道府県の窓口に情報が届くと、宅建業法にもとづく行政の指導や処分の対象になり得ます。先ほどの「摘発されないのはなぜ」という15年前の質問への答えは、この構造にあります。掲載サイトにいくら通報しても、届く先は掲載の削除まで。免許を握る行政に情報が行かなければ、処分は始まりません。

「通報なんて迷惑がられるのでは」という遠慮も要りません。次の章で出てくる一斉調査は、SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホーム・CHINTAI・Yahoo!不動産を運営する5社自身が実施主体に入っています。おとり広告はポータルにとっても追い出したい相手で、利用者からの報告はその材料になります。

通報しても掲載が消えないことがある理由

通報したのに数日たってもまだ載っている。ここで「通報は無駄だった」と結論を出す前に、掲載の裏側をひとつ知っておいてください。ひとつの部屋を1社だけが載せているとは限らない、ということです。

大家さんや管理会社から任された1社が業者間のデータベースに部屋を登録し、「広告を出してよい」という区分を付けると、ほかの仲介会社もそれぞれ自分の判断で同じ部屋をSUUMOやLIFULL HOME’Sに載せられます。ひとつの部屋に掲載が4本も5本もぶら下がるのは、この仕組みの結果です。この区分がどう決まるかは、業者向けに広告転載の可否を確認する実務の記事で書いています。

そして部屋が決まったとき、その4本5本の掲載は自動でいっせいには消えません。各社の担当者がそれぞれ手作業で落とします。「消えない掲載」のすべてがおとりとは限りません。成約後の削除は各社の手作業で、悪意ゼロでも数日残ります。業者がどのタイミングで掲載を止めるべきかは、実務側から成約済み物件の掲載をいつ止めるかの記事に書いたとおりで、ここが遅い会社の広告は、おとりでなくても結果としておとりと同じ見え方をします。

冒頭の2024年の知恵袋の質問でも、ベストアンサーは業者側からの説明で、複数の会社が同じ物件を載せる仕組みと掲載のタイムラグを挙げて、おとりとは断定できないという趣旨でした。質問者の怒りと業者の説明は、すれ違ったまま終わっています。どちらが正しいかは、この投稿だけでは決められません。決められないからこそ、判定を通報先に委ねるのが最短です。

ここは私の考えです。白か黒か確信が持てなくても、通報してよいと考えています。根拠は、ポータル3社がそろって「成約済みの物件が掲載されている」という報告の専用窓口を設けていることです。判定は受けた側の仕事として設計されています。更新遅れだったなら事実確認で終わるだけで、誰も損をしません。ためらって黒い広告が残り続けるほうが、次に問い合わせる誰かの損になります。

おとり広告は「6社に1社」。一斉調査の数字の読み方

おとり広告がどれくらいあるのかは、業界の一斉調査の数字があります。首都圏不動産公正取引協議会などが2025年5〜6月に実施した、第14回のインターネット賃貸広告一斉調査です。対象はSUUMO・LIFULL HOME’S・アットホーム・CHINTAI・Yahoo!不動産の5サイト。「おとり広告の可能性が極めて高い」物件として721物件を抽出して調べ、19物件(2.6%)がおとり広告と認定されました。事業者別では67社中11社。調査対象になった事業者の6社に1社(16.4%)から、おとり広告が確認されています。

数字の読み方で間違えやすいところをひとつ。2.6%は「掲載物件全体のうち」ではありません。疑いが濃い物件だけに絞り込んだ721件の中の割合です。掲載全体に占めるおとりの割合は、この調査からは出せません。それでも、疑いを絞り込んだうえでなお2.6%が黒と確定し、出どころは調査対象事業者の6社に1社に広がっていた、という数字です。前回の第13回(2024年5〜6月実施)は72社中16社(22.2%)で、2年連続で「6社に1社」前後から下がっていません。

出典:首都圏不動産公正取引協議会「第14回インターネット賃貸広告一斉調査」(2025年10月2日公表・報告PDF

次の部屋探しで同じ思いをしないために

検索窓には「おとり物件 少ないサイト」「おとり物件なし」という言葉が実際に打ち込まれています。通報を済ませた人が次に考えるのは、もう同じ思いをしないことです。

予防の柱は2つ。ひとつは、その街の相場感を先に持っておくことです。水準を知っていれば「不自然に安い」に気づけます。住所を入れると実際の取引データから相場を表示する無料ツールを置いているので、候補の街で試してみてください。もうひとつは、問い合わせる前の広告の見方と、返事の中の矛盾の見つけ方。これは見分け方編に手順でまとめました。

そして、掲載の質でサイトを選ぶという選択肢もあります。

おとり広告の少ない掲載サイトで部屋を探す ▶

よくある質問

おとり物件は違法ですか?

禁止されています。実在しない物件、実在するが取引の対象になり得ない物件(成約済みなど)、実在するが取引する意思がない物件の広告は、消費者庁が示す「おとり広告」に当たります(出典:消費者庁「不動産のおとり広告に関する表示」)。不動産の表示に関する公正競争規約と、宅建業法の誇大広告等の禁止でも規制されています。

通報すると、自分の名前は不動産会社に知られますか?

提出先は掲載サイトの運営会社・協議会・行政で、その不動産会社ではありません。確認できた範囲では、アットホームの報告フォームの必須項目は名前とメールアドレスで、電話番号と住所は任意です。首都圏不動産公正取引協議会は電話(03-3261-3811・平日10:00〜12:00/13:00〜16:30)で相談できます。提出後の情報の取り扱いは、各窓口の案内で確認してください。

おとりかどうか確信がありません。それでも通報していいですか?

かまいません。通報の入り口は「おとりの告発」ではなく、「成約済みの物件が掲載されている」という事実の報告で足ります。SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホームの3社とも、その報告のための窓口を用意しています。事実確認は受けた側が行うので、更新遅れだったならそこで終わるだけです。

出典

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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