🗨️「首都高が値上げって聞いたけど、うちが使う区間はいくら上がるの?」
距離で違います。4.2kmの区間なら+20円、56.6kmなら+180円。上がり幅は6.7%から9.2%まで開きます。ETCを付けていない車だけは、距離に関係なく2,130円です。
[交通] この記事の要点
首都高速道路株式会社は2026年7月31日、2026年10月1日(木)午前0時から通行料金を改定すると発表した。1kmあたりの料金を1割引き上げ、普通車は29.52円/kmから32.472円/kmになる。平均改定率は8.1%。中型車以上は2027年6月30日まで現行料金に据え置かれる。
2026年8月18日 発表
- 首都高を通勤・営業で日常的に使っている人
- 10月以降に東京・神奈川・埼玉・千葉へ車で出かける予定の人
- ETCを付けずに現金で首都高に乗っている人
- 中型車以上で運送業を営んでいる人(値上げは2027年7月から)
この記事でわかること
- 自分がよく通る区間で、10月からいくら上がるのか(首都高が出した5区間の実額)
- 「下限300円は据え置き」が、いま300円の区間の値段を守る話ではない理由
- 見出しになっている上限2,130円が、実際には何%の人に効くのか
先に結論
- 2026年10月1日(木)午前0時から、首都高の料金が上がります
- 上がり方は距離で違います。4.2kmの区間は+20円、56.6kmの区間は+180円
- 「下限300円は据え置き」ですが、いま300円の区間が300円のまま残るとは限りません
- 見出しになっている上限2,130円が効くのは、1日約106万台のうち3%以下です
- ETCを付けていない車は、距離に関係なく2,130円になります
1kmあたり29.52円が32.472円になる
首都高速道路株式会社は2026年7月31日、通行料金を2026年10月1日(木)午前0時から改定すると発表しました。変わるのは1kmあたりの単価です。普通車の場合、いまの29.52円/kmが32.472円/kmになります。約3円、率にしてちょうど1割の引き上げです。
料金は「(150+29.52×料金距離)×1.10」という式で決まっていて、改定後はこの29.52が32.472に置き換わります。会社が示した平均改定率は8.1%。理由として挙げられているのは、労務費と材料費の高騰による維持管理コストの上昇です。
高速代が上がる話は今年に入ってこれが初めてではありません。お盆の期間に休日割引が1日も適用されなかったことは別の記事で書きましたが、あちらが「一時的に割引が消える」話だったのに対して、今回は基本料金そのものが動きます。
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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自分がよく通る区間は、いくら上がるのか
平均8.1%と言われても、自分の財布から出ていく額には結びつきません。首都高は説明資料のなかで、普通車・ETCの場合の実額を5つの区間で示しています。そのまま並べます。
| 区間 | 料金距離 | 現行 | 10月1日から | 差 |
|---|---|---|---|---|
| 川崎浮島JCT〜空港中央 | 4.2km | 300円 | 320円 | +20円(+6.7%) |
| 京葉道接続〜錦糸町 | 7.9km | 420円 | 450円 | +30円(+7.1%) |
| 中央道接続〜箱崎 | 18.8km | 780円 | 840円 | +60円(+7.7%) |
| 川口JCT〜葛西 | 33.8km | 1,260円 | 1,370円 | +110円(+8.7%) |
| 三ツ沢接続〜三郷JCT | 56.6km | 1,950円 | 2,130円 | +180円(+9.2%) |
上がり幅は一律ではなく、6.7%から9.2%まで開いています。短い区間ほど率が小さく、長い区間ほど大きい。平均の8.1%は、この間のどこかというだけの数字です。
毎日使う人にとっては、1回あたりの差より積み上がった額のほうが効きます。首都高は普通車の平均移動距離にあたる料金を810円→880円(+70円)と示しています。往復すれば+140円、月20日通えば+2,800円、1年で+33,600円。ここは資料の2つの数字を掛けただけの単純計算ですが、通勤で使っている人の負担はこの桁で増えます。
「下限300円は据え置き」でも、いま300円の区間は320円になる
発表資料には「下限料金は、短距離利用車増加による渋滞を抑制するために設定しており、現行の額を維持します」と書かれています。ニュースでも「下限は据え置き」と伝えられました。短距離しか乗らないから今回は関係ない、と読んだ人がいるはずです。
ところが、ここに盲点があります。据え置かれるのは「300円という額」であって、「いま300円の区間」ではありません。
証拠は首都高自身が挙げた例のなかにあります。上の表のいちばん上、川崎浮島JCT〜空港中央(料金距離4.2km)。羽田空港へ向かうときに湾岸線で通る、あの短い区間です。ここはいま300円ですが、10月1日からは320円になります。
理由は単価が上がるからです。1kmあたりが29.52円から32.472円になると、同じ距離でも計算結果が上がり、下限の300円を超えてしまいます。つまり下限で乗れる距離が短くなり、いままで下限に守られていた区間が、その外側へはみ出します。
本当に1円も変わらないのは、改定後の計算でもまだ300円に届かない、それより短い区間だけです。「下限据え置き」を「短距離は値上げなし」と読むと、10月の請求で食い違うことになります。
上限2,130円が効くのは、1日約106万台のうち3%以下
この改定でいちばん大きく報じられたのは、上限料金が1,950円から2,130円へ180円上がることです。金額が大きく、見出しにしやすい。ただし上限が適用されるのは55km以上を走った場合だけで、そこまで長く首都高を走る車がどれくらいいるのかは、あまり触れられていません。
首都高の資料には、その数字が載っています。2024年11月の利用実績で、距離帯ごとの1日あたり利用台数です。
| 走った距離 | 1日あたり利用台数 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 0〜6km | 105千台 | 9.9% |
| 6〜12km | 236千台 | 22.3% |
| 12〜18km | 186千台 | 17.5% |
| 18〜24km | 175千台 | 16.5% |
| 24〜30km | 135千台 | 12.7% |
| 30〜36km | 91千台 | 8.6% |
| 36〜42km | 61千台 | 5.8% |
| 42〜48km | 27千台 | 2.5% |
| 48〜54km | 14千台 | 1.3% |
| 54〜60km | 16千台 | 1.5% |
| 60km〜 | 14千台 | 1.3% |
合計は約1,060千台/日。上限が効く55km以上に該当しうるのは、54〜60kmと60km〜を全部足しても30千台で、全体の2.8%にとどまります。+180円という数字は、100台のうち3台以下の話ということです。
いちばん台数が多いのは6〜12kmの帯(236千台、22.3%)で、ここは表の2番目、7.9kmで+30円の世界です。0〜24kmまでを足すと702千台、全体の66.2%。首都高を使う人の3人に2人は、24km未満しか走っていません。
私はこの改定を、見出しの印象より1回あたりの負担が軽い改定だと見ています。ただし軽いのは1回あたりの話で、毎日往復する人には年3万円台で効いてきます。自分がどちらなのかは、上の表で自分の距離帯を探せば分かります。
軽自動車は+150円、トラックは9か月遅れて上がる
車種区分ごとの基本料金(下限〜上限)も発表されています。
| 車種区分 | 現行 | 10月1日から |
|---|---|---|
| 軽・二輪 | 280円〜1,590円 | 280円〜1,740円 |
| 普通車 | 300円〜1,950円 | 300円〜2,130円 |
| 中型車 | 330円〜2,310円 | 330円〜2,520円(2027年6月まで330円〜2,310円) |
| 大型車 | 400円〜3,110円 | 400円〜3,410円(2027年6月まで400円〜3,110円) |
| 特大車 | 550円〜5,080円 | 550円〜5,570円(2027年6月まで550円〜5,080円) |
中型車以上には特別措置があり、2026年10月1日から2027年6月30日までの9か月間は現行料金のまま据え置かれます。名目は道路運送事業における価格転嫁に向けた環境整備で、運賃へ転嫁する時間を先に確保するという趣旨です。運送の現場で実際に料金が上がるのは2027年7月から。逆に言えば、この9か月のあいだに運賃交渉を済ませておく前提の設計になっています。
大口・多頻度割引については、中型車以上の割引率が2030年7月1日から2031年3月31日までの9か月間、最大45%から最大25%へ縮小されます。据え置きの9か月と、縮小の9か月が対になっている形です。
ETCを付けていない車は、距離に関係なく2,130円
資料の注記に、見落とすと損をする一文があります。非ETC車には区間最大料金(普通車2,130円)が適用される(放射線の下り方向利用等を除く)というものです。
これは今回できた仕組みではなく、いまも非ETC車には区間最大料金の1,950円が適用されています。ただし改定でその上限が2,130円へ上がるので、現金で乗っている人は、3kmしか走らなくても2,130円を払うことになります。同じ3kmをETCで走れば300円です。差は1,830円。1回の遠回りや渋滞より、はるかに大きい差です。
ETCを付けずに首都高へ入る機会がある人は、10月以降この差が広がることを頭に入れておくと、レンタカーを借りるときの選び方も変わります。
割引はどうなるのか
各種割引について、資料に書かれている扱いは次のとおりです。深夜割引は「現行の割引を継続します」。都心流入割引と、都心流入・湾岸線誘導割引は、いずれも実施期間を2031年3月末まで延長。環境ロードプライシングも継続です。今回の改定で割引そのものが減るわけではありません。
圏央道経由と首都高経由で料金が変わる区間についても、起終点を基本とした継ぎ目のない料金の考え方は維持されます。ただし首都高経由の料金が変わるため、圏央道・外環経由の料金も連動して変わる区間があります。外環道迂回利用割引・千葉外環迂回利用割引も、割引を適用したあとの金額が変わります。
自分の区間の改定後の金額は、首都高が「2026年10月1日以降の料金・ルート案内」を現行料金の案内とは別のページで用意しています。9月のうちに一度、いつも使う区間を引いておくと、10月の請求で慌てずに済みます。
生活・仕事にどう効くか
- 毎日の通勤:普通車の平均移動距離にあたる料金は810円から880円へ+70円。往復で+140円、月20日なら+2,800円、年に直すと+33,600円の増加になる(首都高が示した2つの数字からの単純計算)。
- たまの遠出:川口JCT〜葛西(料金距離33.8km)は1,260円→1,370円で+110円。三ツ沢接続〜三郷JCT(56.6km)は1,950円→2,130円で+180円。長い区間ほど上がり幅が大きい。
- ETCなしで乗っている場合:非ETC車には区間最大料金が適用されるため、短い距離でも普通車2,130円。改定でこの額が1,950円から180円上がる。
- 運送・配送の仕事:中型車以上は2026年10月から2027年6月30日まで現行料金のまま。値上げが効き始めるのは2027年7月で、中型車の上限は2,310円から2,520円になる。
結局どうすればよいか
- 自分がよく使う区間の料金距離を、首都高の料金・ルート案内で調べる(10月1日以降の料金を出すページが別に用意されている)
- ETCを付けずに乗っている人は、10月以降は距離に関係なく2,130円になることを前提に、乗る区間を決め直す
- 運送業で中型車以上を使う場合は、値上げが2027年7月からである点を運賃交渉の前提に入れる
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公式出典
- 首都高速道路株式会社「2026年10月1日から首都高速道路の料金が変わります」(2026年7月31日発表)
- 首都高速道路株式会社 説明資料「首都高速道路の料金改定」について(PDF・全41ページ)(2026年7月31日発表)
更新履歴
- 2026年8月18日 初版を公開
※本記事は2026年8月18日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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