🗨️「「この時期としては10年に1度の高温」って、40℃くらいまで上がるということ?」
違います。気象庁が見ているのは5日間平均した気温で、日中の最高気温ではありません。東京の8月19日以降の予想最高気温は34℃で、猛暑日の35℃にも届きません。
[災害] この記事の要点
気象庁は2026年8月10日、北海道から九州南部までの広い範囲に「高温に関する早期天候情報」を発表し、8月16日頃から18日頃にかけて、この時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温になる可能性があるとした。8月13日14時30分発表の最新の早期天候情報では、対象期間が8月19日から27日に移り、発表中の地域は北海道のみとなっている。
2026年8月15日 発表
- 高齢の家族が日中ひとりで家にいる人
- 西向き・最上階など、部屋が昼過ぎから暑くなる住まいの人
- 外出を控えれば安全だと考えている人
この記事でわかること
- 「10年に1度」の判定は5日間平均気温で、日中の最高気温ではない
- 気象庁のページを今日開くと、高温が発表中なのは北海道だけ。取り消されたわけではない
- 熱中症で運ばれた10万510人のうち、最も多かった場所は住居で38.1%
先に結論
- 「10年に1度」は5日間平均した気温の話。日中の最高気温が40℃という意味ではない
- 東京の8月19日以降の予想最高気温は34℃。猛暑日(35℃)にも届かない
- 気象庁のページを今日開くと、高温が発表中なのは北海道だけ。取り消されたのではなく、対象期間が動いただけ
- 熱中症で運ばれた10万510人のうち、いちばん多かった場所は住居(38.1%)
暑さを抑えるために先に手を入れるもの
家の性能をすぐに変えるのは難しいので、窓と空気の流れから対処します。効果と費用の釣り合いが良い順です。
窓から入る熱を止めるのが、エアコンの効きを上げる一番安い方法です。西向きの部屋は特に差が出ます。買う前に窓の幅と丈を測ってください。
エアコンの冷気は下にたまります。天井方向へ空気を回すと、設定温度を上げても体感が変わります。
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「10年に1度」が指しているのは、日中の最高気温ではありません
気象庁は8月10日、北海道から九州南部までの広い範囲に「高温に関する早期天候情報」を出しました。8月16日頃から18日頃にかけて、この時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温になる可能性がある、という内容です。
この見出しを見て「40℃くらいまで上がるのか」と身構えた人は多いはずです。「10年に1度の高温=とんでもない最高気温が出る」というのは、この情報の読み方としては違います。
気象庁のページには、この情報を出す条件がそのまま書かれています。
早期天候情報は、原則として毎週月曜日と木曜日に、情報発表日の6日後から14日後までを対象として、5日間平均気温が「かなり高い」もしくは「かなり低い」となる確率が30%以上(略)と見込まれる場合に発表されます
見ているのは5日間平均した気温です。「かなり高い」は過去の統計で上位10%に入る階級で、ここから「10年に1度」という言い方が出ています。1日だけ跳ね上がる話ではなく、5日間ならして高い状態が続く、という予報です。
実際の予想最高気温を、8月15日5時発表の週間天気予報から並べるとこうなります。
| 地点 | 8/16 | 8/17 | 8/18 | 8/19 | 8/20 | 8/21 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京 | 30 | 32 | 33 | 34 | 34 | 34 |
| 神戸 | 32 | 32 | 33 | 33 | 33 | 32 |
| 大阪 | 33 | 33 | 33 | 34 | 34 | 32 |
| 名古屋 | 33 | 32 | 33 | 35 | 36 | 34 |
| 福岡 | 34 | 33 | 34 | 34 | 33 | 32 |
気象庁 週間天気予報(2026年8月15日5時発表)の予想最高気温。単位は℃。
40℃はどこにもありません。東京にいたっては猛暑日にすら届かない日が続きます。それでも「10年に1度」が成り立つのは、繰り返しになりますが判定の物差しが違うからです。
気象庁のページを今日開くと、赤いのは北海道だけです
ここで、実際に気象庁の早期天候情報のページを開いた人は戸惑うはずです。日本地図で赤く塗られているのは北海道だけで、本州も九州も白いからです。
地図の上には、こう書かれています。「早期天候情報 令和8年8月13日14時30分 発表」「情報の対象期間:8月19日〜8月27日」。北海道に付いているラベルは「8/19頃から」です。
予報が取り消されたわけではありません。この情報は6日後から14日後までしか扱わない決まりなので、8月16日から18日はもう対象期間の外に出ています。近づいた日の暑さは、早期天候情報ではなく週間天気予報や熱中症警戒アラートが担当する、という受け渡しが起きているだけです。
もう1つ、8月14日14時30分発表の2週間気温予報も見ておくと、8月22日から26日の5日間平均気温は北海道が「かなり高い」、本州のほとんどが「高い」という色分けになっています。暑さが引っ込む見通しにはなっていません。
運ばれた人がいちばん多かった場所は、道路でも工事現場でもありません
ここからが、この記事でいちばん伝えたい数字です。総務省消防庁が令和7年10月29日に公表した確定値によると、令和7年5月から9月に熱中症で救急搬送された人は全国で10万510人。平成20年の調査開始以降で最多でした。
その発生場所の内訳がこれです。
| 発生場所 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 住居 | 38,292人 | 38.1% |
| 道路 | 19,773人 | 19.7% |
| 駅など不特定の人が出入りする屋外 | 12,175人 | 12.1% |
| 道路工事現場・工場・作業所など | 10,559人 | 10.5% |
| 不特定の人が出入りする屋内 | 8,462人 | 8.4% |
| 教育機関 | 3,553人 | 3.5% |
総務省消防庁「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」より。ほかに仕事場②2,226人・その他5,470人。
住居が道路の約2倍です。しかもこれは令和7年だけの偏りではなく、令和3年から5年連続で住居が最多(38〜40%台)で動いていません。年齢では65歳以上が5万7,433人=57.1%、入院が必要な中等症以上が約36%、亡くなった方は117人でした。
私は、この「10年に1度」の情報がいちばん効くのは、外出の予定を変える人ではなく家にいる人だと考えています。根拠はこの38.1%です。暑さのニュースは日中の屋外の絵とセットで流れるので、対策の意識も屋外に向きます。でも搬送されている人の内訳は、5年間ずっとその逆を示しています。
夜も下がりません。神戸は27℃が続きます
もう1つ、最高気温より見落とされる数字があります。同じ週間予報の最低気温です。
| 地点 | 8/16 | 8/17 | 8/18 | 8/19 | 8/20 | 8/21 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 神戸 | 26 | 26 | 27 | 27 | 27 | 27 |
| 大阪 | 26 | 26 | 26 | 26 | 27 | 26 |
| 福岡 | 27 | 27 | 27 | 27 | 27 | 26 |
| 東京 | 22 | 22 | 24 | 24 | 25 | 25 |
気象庁 週間天気予報(2026年8月15日5時発表)の予想最低気温。単位は℃。
神戸・大阪・福岡は、朝がいちばん涼しい時間でも26〜27℃です。夜のあいだに家の中の熱が抜けきらないまま、次の日の日射が入ってきます。「昼だけ我慢すればいい」という組み立てが崩れるのはここです。
今日やること
家の断熱をいまから変えるのは無理なので、手が届くところから2つだけ挙げます。
1つは、日中ひとりで家にいる家族への電話です。エアコンをつけているかを聞くだけで、上の38.1%のうちのいくらかは減らせるはずです。高齢者が搬送された人の57.1%を占めているという数字と、住居が最多だという数字は、同じ場面を指しています。
もう1つは、西日の入る窓を1か所だけ選んで日射を止めることです。全部の窓をやろうとすると始まらないので、昼過ぎに一番暑くなる部屋の窓を1つ決める。入ってきた熱を室内で冷やすより、入る前に止めるほうが早く効きます。
生活・仕事にどう効くか
- 家の中:令和7年に熱中症で救急搬送された10万510人のうち、38.1%にあたる3万8,292人は住居で発症している。道路の19.7%の約2倍。
- 夜:気象庁の週間予報では、神戸の最低気温は8月18日以降ずっと27℃、大阪は26〜27℃、福岡は27℃。夜のあいだに室温が下がらない。
- 情報の探し方:早期天候情報は6日後から14日後までが対象。目前に迫った日の暑さは、このページではなく週間天気予報と熱中症警戒アラートに出る。
結局どうすればよいか
- 日中ひとりで家にいる家族に、エアコンをつけているかを電話で1回確かめる
- 西日の入る窓を1か所だけ選んで、遮光カーテンかすだれで日射を止める
- その日の暑さは早期天候情報ではなく、週間天気予報と熱中症警戒アラートで確認する
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公式出典
- 気象庁 早期天候情報(令和8年8月13日14時30分発表・対象期間8月19日〜8月27日)(2026年8月13日発表)
- 気象庁 2週間気温予報(令和8年8月14日14時30分発表)(2026年8月14日発表)
- 気象庁 週間天気予報(2026年8月15日5時発表)(2026年8月15日発表)
- 総務省消防庁 令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況(令和7年10月29日公表)(2025年10月29日発表)
更新履歴
- 2026年8月15日 初版を公開
※本記事は2026年8月15日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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