猛暑に強い家・弱い家|記録的な夏から考える住まい選び3つの視点
猛暑は、地震のように突然襲ってくるリスクではありません。しかし毎年確実に、光熱費と健康を削っていきます。住まい選びでも無視できない要素になってきました。
まず、どれくらい暑くなっているのか
気象庁によると、2025年6〜8月の日本の平均気温は平年より2.36度高く、統計開始以降で最も高い夏となりました。同年8月5日には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測し、国内の観測史上最高気温を更新。40度以上を観測した地点数の積算、猛暑日となった地点数の積算も、いずれも歴代最多です。
「昔より暑くなった気がする」は体感の問題ではなく、記録として残っている変化だということです。
視点1:エリア——内陸の盆地と、夜が冷えない都市部
暑さの出方は地域によって性格が違います。
| タイプ | 暑さの特徴 | 効きやすい対策 |
|---|---|---|
| 内陸・盆地 | 日中の最高気温が非常に高くなりやすい | 日射を室内に入れない工夫(庇・外側での遮蔽) |
| 大都市の市街地 | ヒートアイランドで夜間も気温が下がりにくい | 断熱と換気計画、夜間もエアコンを使える前提の設計 |
| 沿岸部 | 最高気温は抑えられても湿度が高い | 除湿性能、風通しと防犯の両立 |
同じ市内でも、緑地や河川が近いか、アスファルトと建物に囲まれているかで体感は変わります。内見は、できれば夏の午後、または夕方以降にも行ってみることをおすすめします。
視点2:建物——2025年4月から新築の省エネ基準が義務化された
住まいの暑さ・寒さを最も大きく左右するのは、実は建物の性能です。
2025年4月から改正建築物省エネ法が施行され、原則としてすべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。具体的には断熱等性能等級4以上・一次エネルギー消費量等級4以上が必要で、これを満たさないと着工できません。かつて最高等級だった等級4が、いまは最低ラインになったわけです。
さらに上の水準として、ZEH基準(断熱等性能等級5相当)があり、国は2030年ごろにこの水準への引き上げを見込んでいます。
中古住宅・中古マンションを検討するときの見どころは次のとおりです。
- 窓 — サッシの素材(アルミ/アルミ樹脂複合/樹脂)とガラス(単板/複層/Low-E複層)。熱の出入りは窓が最も大きい
- 日射の入り方 — 西日が直接入る大きな窓があるか。庇(ひさし)やシャッター、外付けブラインドで外側から遮れるか
- 最上階・屋根の断熱 — 「2階だけ極端に暑い」は屋根・天井の断熱不足であることが多い
- エアコンの配置 — 増設できる配管ルートとコンセント容量があるか
窓の内側に内窓(二重窓)を足す、屋根裏に断熱材を追加するといった改修は、後からでも比較的取り組みやすい部類です。購入前に見積もりの目安を取っておくと判断しやすくなります。
視点3:停電時——「エアコンが使えない夏」への備え
猛暑と台風・地震が重なると、停電がそのまま命に関わります。復旧までの数日をどう乗り切るかは、立地だけでは解決できません。
- ポータブル電源+扇風機で、最低限の空気の流れをつくれるようにしておく
- 保冷剤・クーラーボックス、水の備蓄(1人1日3リットルが目安)
- 日中だけでも涼める場所(親族宅、公共施設)を家族で決めておく「分散避難」の発想
停電時に最低限の空気の流れをつくるなら、ポータブル電源(Jackery 708)と充電式のコードレス扇風機の組み合わせが扱いやすい構成です。扇風機は単体でも長時間動くので、平常時の節電にも使えます。
猛暑対策は、建物の性能と備えでかなりの部分を補えます。エリア選びだけで解決しようとしないことが大切です。
災害リスク診断では、住所から洪水・土砂災害・地震などのリスクをまとめて確認できます。停電を伴う災害の想定と合わせてご覧ください。
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まとめ
1. 2025年の夏は平均気温が平年より2.36度高く統計開始以来最高。伊勢崎の41.8度は国内観測史上最高気温で、猛暑日地点数の積算も歴代最多
2. 2025年4月から新築住宅は省エネ基準(断熱等級4以上)への適合が義務化。中古は窓のサッシ・ガラスと屋根の断熱を自分の目で確認する
3. 立地だけで猛暑は避けられない。建物性能の改修余地と、停電時に涼をとる手段まで含めて住まいを選ぶ


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