杉並区で中古マンションを探していて、予算に届かないから70㎡を50㎡に落とそうかと迷っているなら、その値引きは削った面積のぶんだけです。1平米あたりの値段は、部屋を狭くしてもほとんど下がりません。
国土交通省の成約データで、2024年10-12月から2025年10-12月までに杉並区で成約した中古マンション586件を、専有面積で5つの帯に分けました。帯ごとの1平米あたりの中央値は、いちばん高い帯で113.9万円、いちばん低い帯で105.0万円。ほぼ横一線です。
同じ586件を築年数で分け直すと、いちばん上の帯が140.0万円、いちばん下の帯が75.5万円になります。杉並区で1平米あたりの単価を動かしているのは、広さではなく築年数のほうでした。予算の削りどころを間違えないための数字を並べます。
先に結論
- 杉並区の中古マンションは1平米あたり107.5万円(中央値・586件)
- 面積帯でいちばん高いのは50〜70㎡の113.9万円、いちばん低いのは30㎡未満の105.0万円。5帯はほぼ横並び
- 同じ586件を築年数で割ると築0〜10年が140.0万円、築41年以上が75.5万円。開き方がまるで違う
- 予算を詰めるなら、広さより築年数を譲るほうが1平米あたりに効く
- 90㎡以上は11件、新築マンションは17件。この2つは目安として読む
杉並区の中古マンションは1平米あたりいくらか
杉並区の中古マンション586件の成約価格は、1平米あたりの中央値で107.5万円です。ここでいう単価は、成約総額を専有面積で割った値です。同じ「坪単価」でも土地や戸建てとは分母が違うので、この記事では土地の数字と並べません。
専有面積で5つの帯に分けると、次の並びになります。
杉並区の中古マンション成約価格(1平米あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・586件)
狭い部屋にしても1平米あたりは安くならない
「小さい部屋のほうが割安になる」という感覚は、杉並区の成約データには出ていません。30㎡未満は105.0万円で、たしかに5つの帯でいちばん低い数字です。ただしすぐ上の30〜50㎡が108.2万円、その上の50〜70㎡が113.9万円。狭いほど安いという順番ではなく、真ん中がいちばん高くて両端が低い形になっています。
広さを1段階落としても1平米あたりの値段は据え置きのまま、部屋だけが狭くなります。 予算が届かないときに面積を削るのは、値引きを引き出す手ではなく、買うものを小さくするという決定です。総額は下がりますが、下がったぶんは面積そのものです。
件数の偏りも見ておきます。30㎡未満が246件で5つの帯のうちいちばん多く、30〜50㎡と50〜70㎡がそれぞれ116件、70〜90㎡が97件と続きます。杉並区で成約している中古マンションは、件数でいえば単身向けの狭い部屋が主役です。それでも単価が押し下げられているわけではありません。
家族の人数で70㎡以上が要る人にとっては、この並びはむしろ追い風です。70〜90㎡が105.3万円で、30㎡未満とほぼ同じ水準に収まっています。杉並区では広い部屋にしたところで1平米あたりが跳ね上がらない、と読めます。
90平米以上の帯は11件しかない
90㎡以上の中央値は107.7万円ですが、これは11件だけを並べた真ん中の値です。他の帯が97件から246件あるのに対して、この帯は1件か2件の取引で数字が上にも下にも動きます。
広い部屋を探している人は、107.7万円を相場として当てにしないでください。同じ90㎡以上でも、建物の年代や条件で中身がばらけます。この帯は「杉並区に広い部屋の取引もある」という事実の確認までにとどめて、値段は個別に見るのが安全です。
単価を動かしているのは築年数
同じ586件を、今度は築年数で切り直した表です。
| 築年数 | 1平米あたりの中央値 | 件数 |
|---|---|---|
| 築0〜10年 | 140.0万円 | 83件 |
| 築11〜20年 | 114.5万円 | 151件 |
| 築21〜30年 | 105.0万円 | 195件 |
| 築31〜40年 | 86.7万円 | 119件 |
| 築41年以上 | 75.5万円 | 38件 |
広さの5帯が105.0万円から113.9万円のあいだに収まっていたのに対して、築年数では140.0万円から75.5万円まで並びます。同じ586件を切り直しただけで、開き方がまるで違います。杉並区の中古マンションの値段は、何平米かより何年に建ったかで決まっている、ということです。
この築年数は2026年を基準に数えているので、物件情報では建築年を西暦で確認してください。 築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。「築30年くらい」という言い方のままだと、105.0万円の帯と86.7万円の帯のどちらにいるのか分かりません。
もうひとつ、元データからは1982年より前に建った物件が外れています。築41年以上の38件は1982年から1985年に建ったもので、それより古いマンションはこの表に入っていません。区内の古い物件をこの75.5万円で見積もらないでください。
件数がいちばん多いのは築21〜30年の195件、次が築11〜20年の151件です。今の杉並区で出回っている中古マンションの中心はこの2つの帯で、1平米あたりでいえば105.0万円から114.5万円のあいだになります。
杉並区の新築マンションは1平米あたり155.0万円
新築マンションは17件で、1平米あたりの中央値は155.0万円でした。中古マンションの107.5万円と同じく専有面積で割った単価なので、この2つは並べて比べられます。
ただし17件は少ない数です。1棟の分譲がまとまって入れば、それだけで中央値が動きます。155.0万円は「杉並区の新築はこのあたり」という当たりを付けるための数字で、翌年も同じ位置にあるとは限りません。
予算が足りないとき、広さと築年数のどちらを譲るか
ここまでの数字を、部屋を決めるときの順番に置き換えます。
広さを譲っても1平米あたりは下がりません。総額が下がるのは、小さい部屋を買うからです。築年数を譲ると1平米あたりが下がります。築11〜20年の114.5万円に対して築31〜40年は86.7万円。同じ広さで比べたときに総額に効くのはこちらです。
杉並区では、広さを削る前に築年数を1段下げるほうが、同じ予算で入れる部屋は広くなります。 そのかわり、築31〜40年や築41年以上の部屋は買ってすぐ手を入れる前提になります。配管や水回りまで含めた工事費を先に出しておかないと、安く買ったつもりが総額で逆転します。
物件を決める前にリノベーションの費用を出しておくと、築浅を買う案と総額で並べられます。
工事費が分かると、築浅を買う案と総額で比べられます
まとめ
- 杉並区の中古マンションは1平米あたり107.5万円(中央値・586件)
- 面積帯は105.0万円から113.9万円のあいだ。広さを削っても単価は下がらない
- 築年数では140.0万円から75.5万円まで開く。譲るなら築年数のほうが総額に効く
- 築年数は2026年基準。物件情報では建築年を西暦で確かめる
- 90㎡以上は11件、新築は17件。この2つは相場ではなく目安として読む
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション586件、新築マンション17件
- マンションの単価は、取引総額を専有面積で割った1平米あたりの価格です。土地や戸建ての坪単価とは分母が違うため、この記事では並べていません
- 築年数は2026年を基準に数えています。元データは1982年以降に建てられた物件に限られ、それより古いマンションは集計に入っていません
- 面積帯の90㎡以上は11件、新築マンションは17件です。件数が少なく、1件の取引で中央値が動きます


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