検索窓に「親指トラックボール」と打つと、候補の2番目に出てくるのは「腱鞘炎」です。3番目は「使いにくい」。2026年9月16日にこちらで実際に叩いて、返ってきた並びがこれでした。
手首が楽になると聞いて買った人が、そのあとで打っている言葉、ということになります。
そこへ9月2日、バッファローが同社初のトラックボールを出しました。運営者はこれを買っていないので、使い心地は書けません。書けるのは、「疲れにくい」と書いているのが誰なのかを並べることと、各社が公式に出している数字を突き合わせることだけです。並べたら、選ぶときに見る場所がはっきりしました。
バッファロー
トラックボールマウス BSTBB700BKX(グラファイトブラック)
親指操作34mmボール静音スイッチ3台切り替え
2026年9月2日発売。白のBSTBB700WHXと2色。
画像:Amazon.co.jp の商品ページより(クリックでAmazonの商品ページが開きます)
この記事で分かること
- ✓ 「疲れにくい」は、メーカーと、実際に触った書き手とで中身が違います。
- ✓ 国の指針が入力機器に求めているのは「手に適した形状及び大きさ」だけです。
- ✓ 前後の長さは3機種で117mm・124.4mm・134mmと17mm違います。
- ✓ 保証期間は6か月のものと2年のものがあります。
\Amazonの商品ページ/
在庫と色(黒/白)はページ側で確認できます。
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「疲れにくい」と書いているのは誰か
トラックボールの紹介は、たいてい「手首が疲れにくい」から始まります。ただ、それを誰が言っているのかは書き手ごとに違います。まずメーカー自身。
手首を動かさず指先だけで操作するので、長時間の作業も疲れにくくなります。
ロジクールはさらに踏み込み、ERGO M575SPの製品ページに「前腕をより自然な位置に置き、前腕の筋肉緊張を25%軽減します」と数字つきで載せています。一方、実際に触った人の書き方はこうです。価格.comマガジンの記事で、ふだん普通のマウスを使う編集部員の山野徹氏が書いています。
ちなみに、肝心の肩こりに効果があったかは、使用時間が短いため判断できませんでした(気持ちやわらいだかも?)
価格.comマガジン「バッファロー初のトラックボールマウス「BSTBB700X」レビュー!」(真柄利行/2026年9月13日)
メーカーは効果を書き、触った人は「判断できなかった」と書く。この落差が、そのまま買う前には確かめようのない部分です。
国の文書が求めているのは「手に適した形状及び大きさ」
公的な文書はどうか。厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を通して読むと、トラックボールという言葉は解説部分に一度だけ出てきます。
これらの入力機器を利用することによって、情報機器作業を効率化でき、作業者の負担を大きく軽減できる場合もあるので、目的とする情報機器作業に適した入力機器を使用できるようにする必要がある。
「軽減できる場合もある」。パッドやスティックとまとめて挙げたうえでの一文で、特定の形を推してはいません。要求事項のほうは、こうあるだけです。「マウスは、使用する者の手に適した形状及び大きさで、持ちやすく操作がしやすいこと。」
国がトラックボールを勧めているわけでも、否定しているわけでもありません。言っているのは「手に合うかどうか」です。だとすると、見る場所は形の名前ではなく寸法になります。
前後の長さを3機種で並べると17mm違う
親指で操作するトラックボールは、手のひらを乗せたまま本体を動かさずに使います。前後の長さが合っていないと、親指がボールに届かなかったり、逆に窮屈になったりします。ところが、この寸法を他社と並べた記事はほとんど見当たりません。各社の公式ページから拾いました。

本機を試した真柄利行氏も同じところを見ていて、「一般的なトラックボールマウスは奥行きが130mmを超えるものが多いのですが、本機は117mmと短めの設計になっています」と書いています。高さは51mmで、3機種のなかでは最も高い。短くて高い形です。
短いほうが良いという話ではありません。手が大きければ長いほうが収まります。ただ、店頭で握れないなら、判断できる材料はこの数字と、いま使っているマウスの実寸だけです。定規で測ってから見ると、17mmの意味が分かります。
取り上げたきっかけ
どんなトラックボールなのか




画像:Amazon.co.jp の商品ページより
支持球には人工ルビーが使われています。無線とBluetooth(ブルートゥース)の両方に対応し、3台まで登録して上面のボタンで切り替えられます。ホイールのチルトを除くすべてのボタンが静音スイッチです。
主な仕様
| 型番 | BSTBB700BKX(黒)/BSTBB700WHX(白) |
|---|---|
| 外形寸法 | 約95(幅)×51(高さ)×117(奥行)mm |
| 質量 | 約150g(電池を含む) |
| ボタン数 | 5 |
| カーソル速度 | 500/800/1200DPIの3段階 |
| 電源 | 単3形乾電池1本。最大約2年6か月(当社計算値で保証値ではないとの注記あり) |
| 電波到達距離 | 木の机など約10m/鉄製の机など約3m |
| 保証期間 | 6か月間 |
バッファローの製品ページより(2026年9月16日確認)。
ボールの回転の重さ、静音スイッチの音の大きさ、連続で何時間使えるかは、公式ページでは確認できませんでした。
慣れるまでに起きること
乗り換えで現実的な話は、慣れるまでの時間です。前出の山野氏は「本機を使用し始めて半日くらいは、マウス本体を固定してボールを動かすという操作に慣れていないためか、特に細かいポインター操作に苦労しました」と書き、素早い動きは簡単だったとも続けています。
すでに使っている側からは別の指摘が出ています。編集部員の柿沼良輔氏は、本機のボールを「もう少し引っ掛かりや重みがあったほうが何かと操作はしやすそうです」と書き、他社製より傾きが浅いぶん、人差し指で進む・戻るボタンを押すときに「ややわずらわしさがありました」としています。滑らかさが全員の正解とは限りません。
買う前に知っておきたい条件
この製品は店頭で握って確かめられません。製品ページには「この商品は特定販売店向けです」とあり、カテゴリの表記も法人向けマウス。販売はネット通販の同社公式ストアに限られます。「手のひらに、しっくり。」が売りの製品を、試さずに選ぶことになります。
保証期間も見ておく価値があります。本機は6か月間。エレコムのM-XT3DRBKも6カ月間ですが、ロジクールのERGO M575SPは2年間無償保証だと公式ページにあります。同じトラックボールでも4倍の差です。
ボタンの割り当てを変える専用ソフトはWindows専用で、管理者権限で動作するソフトの上では無効になります。Macで「進む・戻る」を使うなら、Mac側でMission Control(ミッションコントロール)のチェックを外すようメーカーが案内しています。ホイールを左右に倒す横スクロールは、高速スクロールには対応していません。
電波の届く距離は、木の机なら約10m、鉄製の机の上では約3mと公式に書かれています。スチールデスクでパソコン本体を足元に置くなら、先に確認しておきたいところです。
こんな人は見てもよさそう
手元のマウスを測って、前後が120mmを超えるものでは指が届かなそうな人。机が狭くてマウスを動かす場所が取れない人。夜間にクリック音を立てたくない人。仕事用と自分のパソコンを1台で行き来したい人。数字のうえでは条件に合います。
逆に、ボールに引っかかりや重さを求める人、Macで細かくボタンを割り当てたい人、保証の長さを重く見る人は、他社のものも並べたほうがよさそうです。合うかどうかは、形の名前ではなく寸法の話です。
この記事で確認した情報源
- ・価格.comマガジン「バッファロー初のトラックボールマウス「BSTBB700X」レビュー!」(真柄利行/2026年9月13日)(この商品を知った記事。)
- ・バッファロー「BSTBB700BKX : マウス」(寸法・質量・保証期間・電波到達距離・販売条件。)
- ・エレコム「ワイヤレストラックボール(親指操作タイプ)- M-XT3DRBK」(幅94.7mm×奥行124.4mm×高さ47.9mm、保証期間6カ月間。)
- ・ロジクール「ERGO M575SP ワイヤレス トラックボール マウス」(高さ134mm・幅100mm・奥行き48mm・145g、2年間無償保証。)
- ・厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(入力機器の要求事項と解説部分の記述。)
- ・Amazon.co.jp の商品ページ(BSTBB700BKX)(在庫と販売元、商品画像を確認しました。)
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