全国の出火37,141件、放火とその疑いは10.5%
総務省消防庁が公表した令和6年の火災の状況(確定値)では、総出火件数は37,141件で、前の年より1,531件減りました。出火原因の上位は次のとおりです。
| 出火原因 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| たばこ | 3,058件 | 8.2% |
| たき火 | 2,781件 | 7.5% |
| こんろ | 2,718件 | 7.3% |
| 電気機器 | 2,577件 | 6.9% |
| 放火 | 2,377件 | 6.4% |
| 放火+放火の疑い | 3,904件 | 10.5% |
注目したいのは最後の行です。「放火」単独では5番目ですが、「放火の疑い」を足すと10.5%で1番になります。たばこもこんろも、人が使っているから起きる原因です。人がいない建物で消去法で残るのは、外から持ち込まれる火のほうになります。
空いている建物の火事は、所有者に返ってくる
他人の建物やものを壊してしまったときの責任は、民法717条が決めています。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
建物を使っていない場合、占有者と所有者はふつう同じ人です。つまり逃げ道のない側だけが残ります。火災そのものの賠償は失火責任法で重過失がなければ免れますが、外壁が落ちた、塀が倒れた、というところは717条の世界です。空き家を持ち続けるというのは、この条文の当事者であり続けるということでもあります。
今日できるのは、敷地に何が置いてあるか見ること
放火とその疑いが10.5%という数字を、自分の持ち物の話に翻訳すると、やることは1つに絞れます。建物の周りに、燃えるものが置かれていないかです。
- 積んだままの段ボール、新聞、木材
- 物置や勝手口の前のゴミ袋
- 敷地に入れてしまう壊れた門扉、割れた窓
遠方の実家で自分では見に行けないなら、近所の人に月1回だけ様子を見てもらうか、空き家の管理サービスに頼む方法があります。片づけに出向く回数を増やすより、まず「入れない・燃やせない」状態にしておくほうが先です。
生活・仕事にどう効くか
- 消火にかかる時間:使われていない大きな建物の火災は消火が長引く。今回は鎮火まで約12時間、消防車など15台が出動した。
- 所有者の責任:建物の設置や保存に不備があって他人に損害を与えたときは、民法717条で占有者、次に所有者が賠償する。
- 出火原因の統計:令和6年の全国の出火37,141件のうち、放火と放火の疑いは合わせて3,904件(10.5%)。
結局どうすればよいか
- 使っていない建物の敷地に、燃えるものが置かれていないかを見に行く
- 門扉や窓が壊れて入れる状態になっていないかを確かめる
- 遠方の実家なら、近所の人か管理サービスに月1回の見回りを頼む
公式出典
- 総務省消防庁 令和6年(1〜12月)における火災の状況(確定値)(2025年11月25日発表)
- e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第717条(2026年9月22日発表)
更新履歴
- 2026年9月22日 初版を公開
※本記事は2026年9月22日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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