🗨️「会社が寮の敷金を給料から引くのは、ありなの?」
在留資格「特定技能」で働く人については、なしです。出入国在留管理庁の運用要領が、寮の費用として給料から引いてよい額を費目ごとに決めていて、敷金や礼金、仲介手数料はそこに含めてはいけないことになっています。東京地方裁判所は2026年9月11日、寮の敷金などを一方的に差し引いて初任給を0円にしたラーメン店の運営会社に、約100万円の支払いを命じました。労働基準法は賃金の全額払いを原則にしていて、給料から何かを引くには労働者の過半数代表との書面による協定が要ります。これは日本人の社宅・寮でも同じです。
[事件・事故] この記事の要点
2026年9月12日 発表
- 会社の寮・社宅に住んでいる人
- 給与明細に「寮費」「住宅費」の控除がある人
- 外国人を雇っていて、住まいを用意している会社
運用要領に、引いてはいけない項目が並んでいます
会社が用意した寮に住むとき、毎月いくらまでなら給料から引かれてよいのか。在留資格「特定技能」で人を雇う場合については、出入国在留管理庁の「特定技能外国人受入れに関する運用要領」が費目ごとに計算方法を決めています。借上げの部屋を寮にしているときの居住費は、こう書かれています。
借上げに要する費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金等は含まない。)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額
— 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和7年4月)
括弧の中を読んでください。敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金は「含まない」。居住費として徴収できる項目に、そもそも入っていません。会社が部屋を借りるときに払った敷金を、住む人の給料から回収する形は想定されていない、ということです。
会社の持ち物なら、土地代は入れられません
寮が借上げではなく会社の持ち物の場合も、算定の仕方が決まっています。
| 費目 | 徴収してよい上限 |
|---|---|
| 借上物件の居住費 | 借上げに要する費用(管理費・共益費を含む)÷ 入居人数 |
| 自己所有物件の居住費 | 建設・改築等に要した費用(土地の購入代・造成費用は除く)・耐用年数・入居人数を勘案した合理的な額 |
| 水道・光熱費 | 実際にかかった額 ÷ 同居している人数(会社側やその家族を含む) |
| 食費(現物支給) | 購入に要した額以内 |
| 食費(社員食堂) | ほかの従業員から徴収する額以内 |
| 食費(調理して提供) | 材料費・水道光熱費・人件費 ÷ 提供を受ける人数 |
どれも「実費を人数で割った額以内」という考え方で統一されています。運用要領は、徴収する居住費が高額な場合には「実費に相当する等適正な額であることについて疑義が生じる」として、会社に追加の立証を求めることがあるとも書いています。
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