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土砂災害特別警戒区域 建築制限/山側の壁はRC

🗨️「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に、家は建てられる?」

建てられます。自分が住む家なら、開発の許可も要りません。ただし居室のある建物は、土砂が当たると想定される側の壁を、国が決めた構造にしなければなりません。崖崩れの区域なら、山側の壁は鉄筋コンクリートで厚さ15cm以上、居室に面した部分には窓を付けないのが基本です。壁の代わりに、同じ強さの塀で土砂を受ける方法もあります。

[不動産] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月2日 発表

影響を受ける人
  • 自分が住む家を建てるだけなら、開発の許可(特定開発行為)は要らない
  • 居室のある建物は、土砂が当たる側の壁を国の告示の構造にする(崖崩れなら鉄筋コンクリート15cm以上・原則窓なし)
  • 都市計画区域の外でも、区域の中なら建築確認が要る
目次

自分の家なら開発の許可は要らない

「レッドゾーンに指定されたら、もう家は建てられない」。実家の裏山が指定された人から、よく聞く言葉です。ところが法律は、建てること自体を止めてはいません。止めているのは、決まった用途の開発と、決まった造りでない建物です。

土砂災害防止法の第10条は、特別警戒区域で「特定開発行為」をするには知事の許可が要ると定めています。対象は、建てる予定の建物が住宅や、社会福祉施設・学校・医療施設になる開発です。ただし住宅には「自己の居住の用に供するものを除く」という括弧書きがあります。分譲住宅を造るための造成は許可が要り、自分が住む家を建てる場合は許可の対象から外れます。

やりたいこと開発の許可(法第10条)建物の構造の決まり(令第80条の3)
自分が住む家を建てる・建て替える不要かかる
分譲住宅や貸家のための造成必要かかる
老人ホーム・学校・病院のための造成必要かかる
居室のない物置・車庫造成の目的によるかからない

出典:土砂災害防止法 第10条、建築基準法施行令 第80条の3。社会福祉施設・学校・医療施設は政令で定めるものに限る

どちらにも効いてくるのが、右の列の構造の決まりです。法第24条を受けて、建築基準法施行令の第80条の3が、特別警戒区域で「居室を有する建築物」の外壁などの造りを定めています。

地図で調べたあと、家に置いておくもの

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山側の壁はRCで15cm以上

決まりの中身は、国土交通省の告示第383号にあります。区域の指定のときに、県は土砂の種類ごとに「建物に当たる力の大きさ」と「土石等の高さ」を決めています。告示はその数字に応じて壁の造りを決めています。

崖崩れ(急傾斜地の崩壊)の区域で、力や高さが一定より小さい場合の基本の造りは次のとおりです。

部分告示の決まり(急傾斜地の崩壊)
外壁の材料鉄筋コンクリート造(コンクリートの設計基準強度18N/㎟以上)
外壁の厚さ15cm以上
窓・ドア設けない(100㎠以内で補強した給気口・排気口は除く)
鉄筋縦筋は力と高さで決まる量以上、横筋は径9mm以上を30cm以下の間隔
控壁鉄筋コンクリート15cm以上、外壁につなぐ間隔は4m以下

出典:平成13年国土交通省告示第383号 第2第1号イ。土砂が当たると想定される高さまでの部分にかかる。力や高さが大きい区域は構造計算など別の方法による

窓を付けない決まりには例外があります。土砂が当たると想定される部分がある階に居室がない場合や、その壁の内側が居室でなく、告示の造りに合った窓のない壁で居室と仕切ってある場合です。山側を納戸や浴室にして居間を谷側に置く間取りなら、山側の外壁の窓の扱いが変わり得ますが、仕切りの壁のほうに同じ造りが求められます。

建設現場で作業員が格子状に組んだ鉄筋の上で作業している
山側の壁は、鉄筋を決まった間隔で入れたコンクリートで造ります(写真はイメージ/Photo: Pexels)

告示は、移動してくる土石の力が1平方メートルあたり100キロニュートンを超える場合や、土石の高さが2mを超える場合などは、この基本の造りではなく別の方法で確かめるとしています。土石流や地すべりの区域も、それぞれ別の基準です。

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読者

うちの土地の「力の大きさ」は、どこで分かるの?

おかあさん

県が指定のときに公示していて、法第9条で市町村の事務所でも図書を縦覧できることになっています。設計の前に、市町村の窓口で見せてもらうのが近道です

壁の代わりに門や塀で受ける

建物の壁を厚くする代わりの方法も、令第80条の3に書かれています。土石等の高さ以上の高さの門や塀で、壁と同じ以上の強さを持つものが、土砂の衝撃を遮るように設けられていれば、建物の壁の決まりはかかりません。

山と家の間に、鉄筋コンクリートの塀を立てるイメージです。建物を木造のままにしたい場合や、山側にも窓が欲しい場合の選択肢になります。どちらが安く済むかは土地の形と高さで変わるので、設計の段階で比べてもらいます。

都市計画区域の外でも建築確認

山あいの土地では、都市計画区域の外にあって、小さな木造の家なら建築確認が要らない場所があります。ところが特別警戒区域の中では、法第25条で、居室のある建物は建築確認の対象になります。告示の造りになっているかを、確認の段階で審査されるということです。

すでに建っている家については、知事が移転などを「勧告することができる」と法第26条にあります。命令ではありません。勧告をしたときは、知事が移転先の土地のあっせんなどに努めることになっています。

私は、レッドゾーンの土地で一番大きいのは「建てられるか」ではなく「建てる費用がいくら上がるか」だと見ています。山側の壁を鉄筋コンクリートにするか、塀を立てるか、どちらにしても普通の木造より費用がかかります。全国の特別警戒区域は2026年6月30日時点で621,287区域あり、珍しい土地ではありません。土地を買う前に建物の見積もりまで取る、を順番として守るのが安全です。売るときの扱いや相続税の評価はレッドゾーン 土地 売買の記事にまとめました。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。

よくある質問

Q. イエローゾーン(警戒区域)でも、同じ構造の決まりがありますか。
A. ありません。構造の決まりは特別警戒区域(レッド)だけです。イエローとレッドの違いは土砂災害警戒区域とは?家は建てられる?レッド・イエローの違いで整理しています。

Q. レッドゾーンに新築すると、住宅ローン控除は使えますか。
A. 入居の時期で扱いが変わります。くわしくは住宅ローン控除が使えない土地ができますにまとめました。

Q. 火災保険の保険料は、レッドゾーンだと上がりますか。
A. 保険料の目安を作る機構の資料では、水災の料率は市区町村ごとに分かれていて、区域の線では分けていません。くわしくは土砂災害警戒区域 火災保険/料率は市区町村で決まるにあります。広島市の区域の場所は広島市 土砂崩れ どこが危ないの?で地図にしています。

自分の土地が特別警戒区域にかかっているかは、住所からまとめて確認できます。下のボタンから、浸水と土砂と地盤をひとまとめに見られます。

生活・仕事にどう効くか

  • レッドゾーンにかかる土地で建て替えを考えている人:県が指定のときに定めた「力の大きさ」と「土石等の高さ」で壁の仕様が変わります。設計の前に、市町村の窓口で指定の図書を見せてもらいます
  • レッドゾーンの土地を買おうとしている人:壁を鉄筋コンクリートにする分だけ、建てる費用が上がります。土地の値段と合わせて、建物の見積もりを先に取ります

結局どうすればよいか

  • 市町村の窓口で、特別警戒区域の指定の図書(区域・自然現象の種類・力の大きさ・高さ)を見る
  • 設計を頼む建築士に、建築基準法施行令第80条の3と告示第383号に合わせた設計か、門・塀で受ける設計かを相談する
  • 都市計画区域の外の土地でも、建築確認の手続きと日数を工程に入れておく

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公式出典

更新履歴

  • 2026年10月2日 初版を公開(土砂災害防止法・建築基準法施行令・国土交通省告示第383号の原文を確認したもの)

※本記事は2026年10月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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