🗨️「レッドゾーンに指定された土地は、もう売れないの?」
売買そのものを禁じる決まりはありません。動くのは値段のほうです。相続税の評価では、区域にかかっている面積が全体の何割かに応じて0.90・0.80・0.70の補正率がかかり、がけ地の補正と重なるときの下限は0.50と決められています。
[不動産] この記事の要点
2026年9月8日 発表
- レッドゾーンに指定された家や土地を持っている人
- その土地を相続する予定の人
- レッドゾーンの土地に新築を建てようとしている人
この記事でわかること
- ✓ 相続税の評価は0.90・0.80・0.70の3段階。がけ地補正と重なると下限0.50
- ✓ 移転は「勧告」で、出ていけという命令ではない
- ✓ 警戒区域721,014か所のうち621,287か所がレッド。少数派なのはイエローのほう
「売ることもできず、退去命令があれば出ていかなくては」
質問サイトに、2020年11月にこう書き込んだ人がいます。5年前に中古の戸建てを買い、先月になって土砂災害特別警戒区域に指定された、という相談です。買ったときに不動産会社から区域の説明は無く、市や県の説明会もまだ開かれていない。そのうえで本人が「分かっている」こととして書いていたのが、この一文でした。不動産カテゴリで2,429回読まれています。
回答は一行目からこうです。「まず、売ることは可能です。しかしその説明をしなくてはなりません。」
実際、レッドゾーンの土地や建物の売買を禁じる決まりはありません。売り主と不動産会社には、宅地建物取引業法35条の重要事項説明で区域にあることを伝える義務がありますが、伝えたうえで売ることはできます。移転についても、土砂災害防止法25条が定めているのは知事が勧告することができるという規定で、出ていけという命令ではありません。
国が決めているのは、値段のほうです
止められているのは売買ではなく、値段の付き方のほうです。国税庁は財産評価基本通達20-6で、レッドゾーンにかかっている宅地の相続税評価に補正率をかけると決めています。使うのは付表9の「特別警戒区域補正率表」で、中身は3行しかありません。
| 特別警戒区域の地積 ÷ 総地積 | 補正率 | 100坪の土地なら |
|---|---|---|
| 0.10 以上 | 0.90 | 10坪以上がかかっている |
| 0.40 以上 | 0.80 | 40坪以上がかかっている |
| 0.70 以上 | 0.70 | 70坪以上がかかっている |
敷地の1割でもかかれば1割引き、7割を超えれば3割引きです。さらに、がけ地を含む宅地で付表8のがけ地補正率を使う場合は、この補正率とがけ地補正率を掛け合わせます。ただし掛け合わせた数値の最小値は0.50と決められていて、それ以上は下がりません。
危ない土地なのに、3割引きで止まるんですか?
国税庁が通達の趣旨として書いているのは、こういう理屈です。区域内では建物の構造を強くする対策費がかかる。ただ、費用が多額になるなら、その費用を出してまで建物の敷地にするとは通常考えられず、駐車場などとして使うことになる。だから減額の下限は「建築物の敷地として利用できないことによる減価」で足りる、と。土地が消えるわけではないので、そこで止まります。
もう一つ、見落とすと申告を間違える点があります。倍率方式で評価する地域では、この補正はかけません。固定資産税評価額を決める段階で区域による利用制限がすでに反映されているためです。二重に引くことになります。
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