中古マンションを不動産ポータルへ登録するとき、「販売図面に書いてある内容を、そのまま転記すればよい」と考えていませんか。
実際には、所在地や価格だけでなく、専有面積、建築年月、管理費、修繕積立金、取引態様、情報公開日など、確認する項目は多岐にわたります。資料が不足したまま入力を始めると、途中で作業が止まるだけでなく、古い金額や誤った面積を掲載する原因にもなります。
結論からいうと、中古マンションの入稿は「入力画面を開く前」に必要資料と確認項目を整理するのが最も安全です。この記事では、不動産公正取引協議会連合会の公開資料を基準に、入稿前に揃えたい情報と実務上の確認手順をまとめます。

- 中古マンション広告で確認すべき項目
- 入稿前に揃えたい資料
- 資料ごとの主な確認先
- 推測入力を防ぐ作業手順
- 公開後に確認するポイント
中古マンションのインターネット広告には必要な表示事項がある
不動産公正取引協議会連合会は、物件種別ごとに広告で表示すべき事項を別表1から別表10に整理しています。中古マンションと、販売戸数が1戸の新築分譲マンションは「別表7」の対象です。
別表7では、インターネット広告について、広告主、取引態様、所在地、交通、階数、専有面積、建築年月、価格、管理費・修繕積立金、情報公開日などが挙げられています。
ただし、これは広告表示の共通基準です。SUUMO、LIFULL HOME’S、at homeなどの各ポータルでは、検索機能や商品仕様に応じた追加項目が設けられることがあります。共通ルールを確認したうえで、各社の最新マニュアルも確認するという二段構えが必要です。
入稿前に確認したい4つの情報群
1.広告主と取引に関する情報
- 広告主の名称・所在地・電話番号
- 宅地建物取引業の免許番号
- 所属団体
- 売主・代理・媒介(仲介)の別
- 取引条件の有効期限
取引態様は、単なる入力上の分類ではありません。表示規則では「売主」「貸主」「代理」「媒介(仲介)」の用語を用いて表示することとされています。元付資料の表記だけで判断できないときは、担当者に確認します。
2.物件を特定する基本情報
- 所在地
- 最寄り駅・交通
- 建物の階数と対象住戸の所在階
- 専有面積
- バルコニー面積
- 建築年月
- 引渡し可能年月
販売図面は一覧性に優れていますが、すべての項目の原本とは限りません。面積、構造、建築年月などは登記事項証明書や確認済みの物件資料と照合し、資料間で違いがあれば入力を保留します。
3.価格と継続的にかかる費用
- 販売価格
- 管理費
- 修繕積立金
- 専用庭・ルーフバルコニーなどの使用料
- 駐車場・駐輪場の使用料
- 共用施設等の負担金
管理費と修繕積立金は、意味も使途も異なるため、合算せずそれぞれ確認します。公取協の施行規則では、管理費と修繕積立金は1戸当たりの月額を表示し、予定額の場合はその旨を表示することとされています。
重要事項調査報告書が古い場合や、総会で値上げが決まっている場合は、現在額と改定予定を分けて確認します。金額が分からないからといって「0円」で登録すると、無料と誤認される可能性があります。
4.管理・公開状態に関する情報
- 管理形態
- 管理員の勤務形態
- 借地権の種類・期間・保証金等(該当する場合)
- 情報公開日または直前の更新日
- 次回の更新予定日
ポータル入稿は、初回登録だけで終わりません。価格変更、申込み、契約、成約など、募集状態が変わったときに速やかに更新できるよう、確認日と担当者も記録しておきます。
入力前に揃えたい資料

一般的には、次の資料を組み合わせて確認します。
- 登記事項証明書
- 販売図面・物件概要書
- 重要事項調査報告書
- 管理規約・使用細則
- 管理会社や売主からの最新回答
- 間取り図・物件写真
- 広告掲載許諾を確認できる記録
大切なのは、資料名だけで信用しないことです。発行日、更新日、対象住戸、作成者を確認し、複数の資料で数字が異なる場合は、どちらかを推測で採用しないようにします。
中古マンション入稿の実務フロー

ステップ1:資料を受け取り、不足項目を洗い出す
入力画面を開く前に、社内チェックシートへ情報を集約します。空欄を可視化してから担当者へまとめて確認すると、何度も作業を中断するのを防げます。
ステップ2:数字と単位を原本で照合する
特に間違えやすいのは、専有面積と壁芯・内法の違い、月額と年額、所在階と建物階数、築年月の転記です。コピー&ペーストした後も、桁と単位を目視確認します。
ステップ3:広告可否と取引態様を確認する
先物物件の場合は、「広告可」という情報だけでなく、対象媒体への掲載許諾が取れているかを確認します。SUUMOも、先物物件を掲載する際は管理会社から「SUUMOへの掲載許諾」を得るよう案内しています。
ステップ4:入力後に別の視点で検品する
入力者本人は、元資料の誤記や思い込みを見落としやすいものです。最低でも、価格、面積、所在地、交通、費用、取引態様、画像の対象住戸を公開前チェック項目にします。
ステップ5:公開ページを確認する
「登録完了」の表示だけで終わらせず、実際の公開ページで価格、間取り、画像順、会社情報、問い合わせ導線を確認します。連動入稿の場合は、連動先へ正しく反映されているかも確認します。
よくある入稿ミスと防止策
| よくあるミス | 防止策 |
|---|---|
| 管理費と修繕積立金を合算する | 別項目として月額を照合する |
| 販売図面の古い価格を転記する | 価格確認日と確認者を記録する |
| 所在階と建物階数を逆にする | 「対象住戸」「建物全体」に分けて確認する |
| 不明項目を0や「なし」で埋める | 未確認リストへ戻し、担当者へ照会する |
| 公開後の表示を確認しない | 公開URLをチェック表へ記録する |
よくある質問
販売図面だけで入稿できますか?
販売図面に多くの情報がまとまっている場合でも、管理費・修繕積立金、管理形態、最新の販売状況などは、別資料や担当者確認が必要になることがあります。販売図面だけを唯一の根拠にしない方が安全です。
資料同士で面積や金額が違う場合はどうしますか?
入力者が推測で決めず、相違点と資料の発行日を整理して担当者へ確認します。確認結果と確認日を残すと、後日の修正にも対応しやすくなります。
ポータルごとに必須項目は同じですか?
共通する広告表示ルールはありますが、入力画面や追加必須項目、画像仕様などは各ポータルの契約商品・システムによって異なります。最新の契約者向けマニュアルを確認してください。
外注担当者が判断してよい範囲はどこまでですか?
転記や形式調整は外注しやすい一方、広告可否、取引態様、未確認の費用、物件状態などは、権限を持つ担当者へ確認する線引きが必要です。判断基準を依頼時に共有しておきましょう。
まとめ
中古マンションのポータル入稿では、入力の速さよりも、根拠のある資料から正しい項目を拾い、公開後まで確認することが重要です。
- 公取協の別表7で共通の表示事項を把握する
- 販売図面だけでなく、登記・管理資料・最新回答を組み合わせる
- 不明項目を推測や0円で埋めない
- 広告可否と取引態様を確認する
- 公開ページの確認までを入稿作業に含める
ポータルごとの特徴は、SUUMO・HOME’S・athome、入稿作業の違いと注意点まとめもあわせてご覧ください。作業前の準備を短時間で確認したい方は、新着物件を早く出すための入稿チェックリストも参考になります。
参考資料
※本記事は2026年7月23日時点の公開情報をもとに作成しています。個別の掲載可否や入力仕様は、各ポータルの最新マニュアル、営業担当者、所属する不動産公正取引協議会等へご確認ください。


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