🗨️「プルデンシャル生命から情報が漏れたと聞きました。うちの契約も入っているのでしょうか」
対象は、多摩支社を退職した元営業社員が担当していた1,570名です。氏名・電話番号・住所に加えて、加入商品名と証券番号、勤務先の企業名まで含まれています。二次被害は9月11日時点で確認されていませんが、これは「あなたの◯◯保険の件で」と名乗れる材料がそろっている、ということです。心当たりのある電話がかかってきたら、その場で答えずに切り、カスタマーサービスセンター0120-810740へ自分からかけ直してください。
[経済] この記事の要点
2026年9月15日 発表
- プルデンシャル生命に契約があり、多摩支社の担当だった人
- 担当者が2026年春に代わったと連絡を受けた人
- 保険会社を名乗る電話がここ数か月で増えたと感じている人
漏れたのは1,570名分
公表文に書かれている中身を、そのまま並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 1,570名(契約者・被保険者等) |
| 漏れた情報 | 氏名、電話番号、住所、加入商品名、証券番号、勤務先等の企業・団体名、契約の状況、被保険者の氏名 など |
| 原因 | 2026年3月に多摩支社を退職した元営業社員が、在籍中の帳票類を社外に持ち出し、退職後も保有したまま紛失。私有スマートフォンの電話帳にも顧客の連絡先が残っていた |
| 持ち出した理由 | 会社の説明では「後任の担当者から相談や照会があった際に正確に回答できるようにする目的」 |
| 発覚 | 2026年6月(帳票類の拾得者から連絡) |
| 公表 | 2026年9月14日 |
| 二次被害 | 2026年9月11日時点で確認されていない |
不正アクセスでも、委託先からの流出でもありません。辞めた担当者が紙を持ったまま辞め、それを落としたという経路です。帳票類の回収と、元社員が持っていた連絡先の削除は完了したとしています。
公表まで3か月かかっている
時間の流れを見ると、会社が知ったのと世に出たのが同じ日ではありません。
| 日付 | 起きたこと |
|---|---|
| 2026年3月 | 当該元営業社員が多摩支社を退職 |
| 2026年6月 | 帳票類の拾得者から連絡があり、会社が把握 |
| 2026年7月7日 | 報道を受けて「本日の報道について」を掲出。調査中とだけ述べ、件数も項目も出していない |
| 2026年9月14日 | 1,570名と項目を公表 |
7月の時点で報道が先行しており、そこでは漏えい人数を600人とする記事も出ていました。公式に確定した数字はその2.6倍です。
3か月もかかるものなんですか
本人への通知については、個人情報保護委員会が「速やかに」と定めています。ただし通知が難しいときは、ホームページでの公表と問い合わせ窓口の設置で代えることも認められています。今回の「本公表をもって広く周知」は、その代替措置の形にあたります
同じ会社で3回目です
ここは報道がほとんど触れていない部分で、同社の公式PDFを3本並べるだけで見えます。
| 公表日 | 何が起きたか | 対象者 |
|---|---|---|
| 2024年12月20日 | 熊本支社などから代理店へ転職した元社員6名が退職時に契約情報を持ち出し | 331名 |
| 2025年5月30日 | 熊本支社の元社員による持ち出しの疑いと、在籍社員3名による漏えい | 44名 |
| 2026年9月14日 | 多摩支社の元営業社員が帳票類を持ち出し、退職後に紛失 | 1,570名 |
2024年のPDFには、持ち出した6名について退職時に持ち出しが無いことを誓約書へ署名していたにもかかわらずと書かれています。そのときの再発防止策は「退職時の誓約プロセス、年次の宣誓書の作成、モニタリング等の強化」でした。今回掲げられた再発防止策も、退職予定者への確認の強化と、退職時の書類の返却・廃棄手続の見直しです。方向はほぼ同じものが2年ぶりに並んでいます。
「関係当局」としか書かれていない
届出についての書きぶりも、過去2回と今回で違います。
金融庁ならびに個人情報保護委員会に報告し、警察にも相談しております
2024年12月20日および2025年5月30日の公表文より
これに対して、桁がひとつ大きい今回の公表文にあるのは「関係当局への報告を実施」の一文だけです。委員会の名前も金融庁の名前も出てきません。
法律の側はどうなっているか。個人情報保護法にもとづき、不正の目的をもって行われた漏えいと1,000人を超える漏えいは、どちらも個人情報保護委員会への報告義務の対象事態とされています。報告は速やかに行うものとされ、委員会は概ね3〜5日以内という目安を示しています。金融分野の事業者は、委員会または金融庁長官等へ報告する形になります。
どこへ報告したかは公表文からは特定できません。ここは会社の書き方が変わったという事実までで、報告していないという意味ではありません
いま気をつけるのは「電話」です
漏れた項目をもう一度見てください。氏名、電話番号、住所、そして加入商品名と証券番号です。これは、電話をかけてきた相手が「◯◯様の、◯◯保険の件で」と正確に言える材料がそろっている、ということです。
国民生活センターは、公的機関や実在する企業名をかたって家族構成や資産状況を聞き出す電話を「アポ電」と呼んで注意を呼びかけています。示されている対処は3つです。
- 家族構成や資産状況を聞かれたら、すぐに電話を切る
- 家族や企業を名乗る電話でも、一度切ってからかけ直す
- 個人情報は電話で伝えない
かけ直す先は、相手が口頭で言った番号ではありません。プルデンシャル生命が公表文に載せている窓口はカスタマーサービスセンター 0120-810740(平日9:00〜17:30、土曜9:00〜17:00)です。不安なときは消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110も使えます。
これは1社だけの話ではありません
金融庁は2026年8月6日に公表した保険モニタリングレポートで、生命保険会社の営業社員をめぐる問題をこう書いています。営業活動を通じて形成された顧客との信頼関係や、取得した顧客情報が不適切に利用されるリスクへの対応が重要な課題になっている、と。
出向者による代理店の内部情報の持ち出しについては、各社が調査した結果多くの生命保険会社で内部情報の持ち出しが確認されたとも明記しています。持ち出しは、どこか1社の管理の甘さというより、営業の形そのものに紐づいた問題として見られている、ということです。
数字と日付はすべて各社・各官庁の公表資料から取りました。報道でのみ伝えられている内容は、本文には入れていません
生活・仕事にどう効くか
- かかってくる電話:漏れた項目に加入商品名と証券番号が含まれる。相手は「ご契約の◯◯の件で」と正確に名乗れる状態にある。
- 確認のしかた:公表文に記載された窓口はカスタマーサービスセンター0120-810740(平日9:00〜17:30、土曜9:00〜17:00)。かかってきた番号にかけ直さず、この番号を自分で押す。
- 通知の届き方:会社は「本公表をもって広く周知」するとしている。個別通知の完了時期と手段は公表文に書かれていない。
結局どうすればよいか
- 保険会社を名乗る電話で家族構成や資産の話になったら、その場で答えずに切る
- 確認したいことがあるときは、相手が言った番号ではなく0120-810740へ自分からかけ直す
- 不審だと感じたら消費者ホットライン188、または警察相談専用電話#9110に相談する
公式出典
- プルデンシャル生命保険「弊社元営業社員によるお客さまの個人情報の漏えいに関するお詫びとお知らせ」(2026年9月14日発表)
- プルデンシャル生命保険「弊社元社員等によるお客さまの個人情報の漏えいに関するお詫びとお知らせ」(2024年12月20日発表)
- プルデンシャル生命保険「お客さまの個人情報の漏えいに関するお詫びとお知らせ」(2025年5月30日発表)
- 個人情報保護委員会「漏えい等報告・本人への通知の義務化について」(2026-09発表)
- 国民生活センター「その電話、『アポ電』かも−知らない番号からの電話に出るのは慎重に−」(2019年3月18日発表)
- 金融庁「2026年 保険モニタリングレポート」(2026年8月6日発表)
更新履歴
- 2026年9月15日 初版を公開。
※本記事は2026年9月15日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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