一宮市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は9か所です。
名前を並べると、この市にだけ無いものがあります。「アンダーパス」が1つもありません。6か所が「地下道」、2か所が「アンダー」。同じ愛知県でも、市によって呼び方が違います。
この記事でわかること
- ✓ 9か所とも「地下道」か「アンダー」。アンダーパスという言葉は使われていません
- ✓ 3か所が高速道路のインターチェンジの下、3か所が丹陽町九日市場に集まっています
- ✓ 市の内水ハザードマップは水防法に基づくものではないと市が明記しています
箇所の数・種別・住所は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所」愛知県262か所と、箇所ごとの説明表9枚から数えました。内水の地図と補助金は一宮市上下水道部計画調整課と建設部治水課のページです。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
9か所のうち3か所が、高速道路のインターチェンジの下です

愛知県の一覧は262か所あります。名古屋市40、豊橋市19、田原市15と続いて、一宮市は9か所です。
9か所の名前を見ると、3つに「IC地下道」が入っています。IC(インターチェンジ)地下道が一宮木曽川、尾西、一宮西の3つ。いずれも市道が高速道路の下をくぐる道です。
残りは外崎、九日市場、伝法寺の地下道が3つ。県道の一宮アンダー、国道155号の萩原アンダーが2つ。最後の1つは国道22号で、名称の欄にも「一宮市丹陽町」とだけ書かれていて、固有の名前がありません。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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丹陽町九日市場に、国と県と市が1か所ずつ持っています
| 管理番号 | 区分 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|
| 愛知県-02-040 | 国道155号 | 萩原アンダー | 萩原町萩原字庚申塚 | 4.0m |
| 愛知県-02-045 | 市道 | 九日市場地下道 | 丹陽町九日市場字上田 | 5.3m |
| 愛知県-02-042 | 市道 | 尾西IC地下道 | 開明字三味郭 | 5.5m |
| 愛知県-02-043 | 市道 | 一宮西IC地下道 | 大和町苅安賀字角出 | 5.6m |
| 愛知県-02-046 | 市道 | 伝法寺地下道 | 伝法寺9丁目 | 6.7m |
| 愛知県-02-008 | 国道22号 | (名称なし) | 丹陽町九日市場 | 7.0m |
| 愛知県-02-044 | 市道 | 外崎地下道 | 丹陽町外崎字上川田 | 7.2m |
| 愛知県-02-041 | 市道 | 一宮木曽川IC地下道 | 大毛字八幡 | 10.3m |
| 愛知県-02-039 | 県道 | 一宮アンダー | 丹陽町九日市場字六反農 | 11.5m |
住所と名称は説明表に書かれたものです。標高は住所から引いたので、実際の底はこれより低くなります。
住所を並べると、丹陽町九日市場が3回出てきます。国道22号が国、一宮アンダーが県、九日市場地下道が市。同じ字の中で、管理者が3つに分かれています。
これは道に困ったときに効いてきます。冠水しているのを見つけて連絡しようとすると、どこにかけるかが道ごとに変わるからです。9か所のうち、市が管理しているのは6か所、愛知県が2か所、国が1か所です。
9か所の標高は、4.0メートルから11.5メートルまでです

9か所の住所を国土地理院の標高データに通すと、いちばん低いのが萩原アンダーの4.0メートル。いちばん高いのが一宮アンダーの11.5メートルでした。差は7.5メートルしかありません。
この連載では、1つの市の中で50メートル以上ひらく市をいくつも見てきました。一宮市はそうならない。市のどこを切っても、土地の高さがほとんど変わらないということです。
もう1つ、この9か所には珍しい特徴があります。説明表に書かれた住所が、9か所とも字まで書いてあり、そのまま地図上の1点に落ちました。ほかの市では町名までしか定まらない箇所が混ざるので、標高の表がぶれます。一宮市の並びは、この連載でいちばん精度が高いものになりました。
市の内水ハザードマップは、重要事項説明の対象ではありません

一宮市にも内水ハザードマップがあります。ただし、その成り立ちが少し違います。市は上下水道部のページにこう書いています。
「この図は、浸水シミュレーションによる手法ではなく浸水実績を活用した図であるため、水防法の規定に基づく雨水出水(内水)ハザードマップには該当しません」。
つまり一宮市の内水の地図は、過去に実際に浸水した場所を集めたもので、計算で作った想定区域ではありません。水防法に基づく指定ではないので、家を買うときや借りるときの重要事項説明で示される地図にも当たりません。市も「全ての浸水箇所を反映したものではなく、個別の場所の浸水を特定するものでもありません」と添えています。
これは一宮市が手を抜いているという話ではありません。同じ時期に調べた三重県桑名市は水防法に基づく雨水出水浸水想定区域図を持っていて、愛知県豊田市は2枚あるうちの1枚がそれに当たると書いていました。3つの市で、3通りに分かれます。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
実績の地図と想定の地図は、見え方が違います
実績の地図には、良いところがあります。実際に水が出た場所なので、疑いようがありません。一宮市の場合は「138マップ(浸水実績)」で、過去の豪雨による浸水実績と避難所の場所を重ねて見ることができます。
弱いところもあります。まだ水が出ていない場所は、白いままです。想定の地図は、これまで一度も浸かっていない場所にも色を置きます。1000年に一度の雨で計算するからです。
だから読み方が変わります。一宮市の地図で色が付いていないことは、「そこが安全」ではなく「これまでのところ報告が無い」という意味です。国が数えた9か所は、その地図とは別に見ておくことになります。
防水板と雨水タンクに、市の補助があります
一宮市には、浸水対策の設備を付ける人への補助金があります。対象は雨水貯留浸透施設と防水板。雨水タンクは新設で100リットル以上のもの、浄化槽を転用した貯留槽、浸透ます、透水性舗装が入ります。
補助の対象になる区域は、防水板と雨水貯留施設が市内全域。雨水浸透施設だけ、河川法第54条の河川保全区域を除く市内全域です。電子申請の窓口もあります。
順番に注意が要ります。市はこう書いています。「必ず設置する前(個人設置の場合は材料等購入前)に申請してください。補助金交付の決定通知前に設置した場合は、補助の対象になりません」。買ってから申請しても通りません。
水に入ってしまった車から出るまで


一宮市の9か所のうち8か所は、掘り下げた道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが怖いところです。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 豊田市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 内水の地図が2枚あり、重要事項説明で使うのは片方です
- 津島市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 10か所とも標高がマイナスから0.1メートルの市です
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません(愛知県)
- 桑名市 冠水 どこが危ないの?(三重県) 堤防を横切る道が3か所ある市です
- 大垣市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は17か所です(岐阜県)
この記事のまとめ
一宮市で道路が冠水しやすい場所は9か所です。6か所が「地下道」、2か所が「アンダー」で、「アンダーパス」という言葉は1つも使われていません。3か所が高速道路のインターチェンジの下、丹陽町九日市場には国・県・市が1か所ずつ持っています。標高は4.0メートルから11.5メートルで、差は7.5メートルしかありません。
市の内水ハザードマップは過去の浸水実績を集めたもので、市は「水防法の規定に基づく雨水出水(内水)ハザードマップには該当しません」と明記しています。重要事項説明で示される地図ではありません。防水板と雨水貯留浸透施設には市の補助があり、設置する前に申請することが条件です。
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