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一宮市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは9か所だけ、うち3か所は高速道路のICの地下道です

一宮市で冠水しやすい道として国が名前を出しているのは、9か所です。うち3か所は、高速道路のIC(インターチェンジ)の下をくぐる地下道でした。

人口37万4,122人の市で9か所。人口5万8,604人の津島市が10か所、18万7,207人の安城市が14か所なので、一宮市は市の大きさのわりに少ないほうです。愛知県内では11番目にあたります。

ただし、この数は安全の点数ではありません。国のリストは道路を管理している国・県・市が「ここは冠水に注意する」と挙げた箇所を集めたもので、水が来る場所を全部数えたものではありません。だから一宮市の場合は、市が別に公開している浸水実績図を並べて見ないと足りません。

この記事でわかること

  •  国のリストで一宮市は9か所(国道2・県道1・市道6)。うち3か所が一宮木曽川IC・尾西IC・一宮西ICの地下道で、9か所のうち8か所は「アンダー」か「地下道」
  •  人口37.4万人で9か所。5.9万人の津島市10か所、18.7万人の安城市14か所より少ない。数の少なさは水が来ない証明にならない
  •  市の「浸水実績図」は138マップで住所ごとに見られる。ただし市自身が「水防法の規定に基づく雨水出水(内水)ハザードマップには該当しません」と書いている
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箇所数は国土交通省中部地方整備局「道路防災情報Web(ウェブ)マップ」の道路冠水注意箇所一覧(愛知県)を1件ずつ数えたものです。雨量は気象庁アメダスの実測値で、2026年9月8日19時時点のものです。状況は動いています。
高架の下をくぐる暗い箱の向こうに、住宅街の道路と「止まれ」の標識が見えている
高架の下をくぐる暗い箱の向こうに、住宅街の道路と「止まれ」の標識が見えている(写真: Pexels)
目次

一宮市の「道路冠水注意箇所」9か所を全部載せます

国のリストに載っている一宮市内の9か所です。「地先名」は国土交通省の表記をそのまま写しています。標高は、国土地理院の標高APIで地先名をそのまま引いた参考値です。

# 区分 路線名 地先名 参考標高
1 国道 国道22号 一宮市丹陽町 7.0m
2 県道 井之口江南線 一宮アンダー
3 国道 国道155号 萩原アンダー 4.4m(萩原町)
4 市町村道 市道B439号線 一宮木曽川IC地下道 7.2m(木曽川町)
5 市町村道 市道L1613号線 尾西IC地下道
6 市町村道 市道0210号線 一宮西IC地下道
7 市町村道 市道J489号線 外崎地下道 8.1m
8 市町村道 市道J650号線 九日市場地下道 8.2m
9 市町村道 市道J634号線 伝法寺地下道 7.3m

標高が「—」の3か所は、地先名だけでは地図上の1点を決められなかったので、値を出していません。値が出た6か所は4.4〜8.2mの範囲に収まります。市街地は平らで、海より低い土地ではありません。

同じ愛知県内でも、津島市の10か所は標高を引くと全部が海面より低く、いちばん低い唐臼町で-1.7mでした。一宮市はそこと事情が違います。土地が低いから水がたまっているのではありません。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

緊急脱出用ハンマー シートベルトカッター付(JIS規格適合品)

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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9か所のうち3か所は、高速道路のICをくぐる地下道です

地先名をもう一度見ると、一宮木曽川IC地下道、尾西IC地下道、一宮西IC地下道と、インターチェンジの名前がついた地下道が3つ並んでいます。管理しているのはいずれも市道です。

そして「アンダー」または「地下道」と名前についているのは、9か所のうち8か所。ついていないのは国道22号の丹陽町(1番)だけです。

一宮市の道路冠水注意箇所9か所の内訳。道路の区分と地先名の型
9か所のうち6か所が市道、8か所は名前の時点で「くぐる道」(国土交通省の一覧から作成)

高速道路は、まわりの道と平面で交わりません。盛り土や高架で高いところを通ります。すると、その下を横切る一般道は掘り下げるしかない。結果としてできるのが、両側が坂で真ん中がいちばん低い、底のある箱のような道です。

雨水は低いほうへ流れます。箱の底に入った水は、自力では出ていきません。地上の道路が普通に走れていても、その一角だけ水がたまるのはこの形のためです。一宮市の9か所のうち8か所は、その形をしています。

高速道路のインターチェンジをくぐる地下道の断面図。両側から水が流れ込む
高速道路をくぐるために掘り下げた道。水の出口がなく、そこだけプールになります

読者

うちの近所は国のリストに載っていません。安心していいですか?

おかあさん

いいえ。このリストは「道路が下をくぐる形になっていて、水がたまると抜けない場所」を道路管理者が挙げたものです。載っていないのは、そういう形の道が無いか、まだ挙げられていないという意味しか持ちません。一宮市の9か所のうち8か所が「アンダー」「地下道」で埋まっているのが、その性格をよく表しています。

人口37.4万人で9か所、津島市は5.9万人で10か所です

愛知県全体では262か所・48市町村です。人口の規模と箇所数を並べると、対応していないことが分かります。

人口 箇所数 県内順位
名古屋市 235万3,515人 40 1
一宮市 37万4,122人 9 11
安城市 18万7,207人 14 4
津島市 5万8,604人 10 9
愛知県内4市の人口と道路冠水注意箇所の数の対比
人口が多い市ほど箇所数が多いわけではありません(各市の人口公表値と国土交通省の一覧から作成)

人口は各市が公表している最新の値で、名古屋・一宮・安城は2026年8月1日現在、津島は9月1日現在です。一宮市より人口が18万7千人少ない安城市が14か所、31万5千人少ない津島市が10か所でした。一宮市の9か所は、豊川市と並んで県内11番目にあたります。

数が少ない理由は2つ考えられます。ひとつは、市内にくぐる道が実際に少ないこと。もうひとつは、挙げられていない道があること。国のリストは道路管理者が届け出た箇所の集計なので、どちらなのかは一覧の側からは分かりません。

「9か所しかない」ではなく「9か所しか挙がっていない」と読むほうが安全です。 同じ国のリストを関東甲信で数えたときも1,014か所で、最多は埼玉の273か所でしたが、そこでも数の多い県が危ない県という並びにはなっていません。

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9月8日の一宮は1時間53.5ミリ、となりの犬山市付近では約100ミリ

一宮市に降った雨は、気象庁アメダスの一宮の観測点で、16時10分までの1時間に53.5ミリ。9月7日から8日にかけての合計は127.0ミリです。

地点 1時間最大 9月7〜8日の合計
名古屋 101.5ミリ(16時50分まで・観測史上最多) 225.5ミリ
蟹江 73.5ミリ(15時40分まで) 143.5ミリ
愛西 60.5ミリ(15時20分まで) 127.0ミリ
一宮 53.5ミリ(16時10分まで) 127.0ミリ

数字だけ見ると、一宮は名古屋の半分です。ただし気象庁が「記録的短時間大雨情報」を出した市の並びを見ると、話が変わります。

  • 16時10分 小牧市野口で1時間102ミリ(実測値)
  • 16時30分 犬山市付近で1時間約100ミリ
  • 16時30分 瀬戸市・春日井市・尾張旭市の各付近で1時間約100ミリ
  • 17時00分 長久手市付近で1時間約100ミリ

犬山市は一宮市の北東どなり、小牧市はその東です。17時28分には、愛知県西部に線状降水帯の発生を伝える「顕著な大雨に関する情報」も出ました。

2026年9月8日の1時間雨量。小牧・名古屋・犬山・一宮の比較
一宮の1時間53.5ミリに対し、となりの犬山市付近では約100ミリ(気象庁アメダス)

アメダスは点で測ります。一宮の観測点で53.5ミリだったことは、市内のどこも53.5ミリだったという意味ではありません。となりの市で1時間100ミリが降っている日は、自分の市の観測値だけを根拠に判断しないほうがいい日です。

「一宮市 浸水実績図」は市の138マップで見られます

一宮市は、過去の豪雨で実際に水が出た場所を地図にして公開しています。名前は「浸水実績図(内水ハザードマップ)」で、市の地図サービス「138マップ」の中にあります。避難所の場所も同じ画面に出ます。

そのページには、市自身がこう書いています。

過去の豪雨時に起きた浸水実績を活用して、内水ハザードマップとしております。但し、全ての浸水箇所を反映したものではなく、個別の場所の浸水を特定するものでもありません。

この図は、浸水シミュレーションによる手法ではなく浸水実績を活用した図であるため、水防法の規定に基づく雨水出水(内水)ハザードマップには該当しません。

つまりこの図は、計算で「これから浸かる範囲」を描いたものではなく、実際に浸かった記録を並べたものです。記録が無い場所は「浸からない場所」ではなく「まだ記録されていない場所」です。 国の9か所と同じ読み方をします。

洪水のほうは別に「洪水ハザードマップ」があります。令和3年3月25日に発行され、想定される最大規模の雨に対応したものです。令和6年11月12日には愛知県の告示で対象の川が広がり、庄内川水系の新川・五条川・青木川、木曽川水系の郷瀬川・新郷瀬川が対象になりました。浸水の範囲と深さは、令和3年に公表したときから変わっていないと市は説明しています。

紙の冊子は、市役所本庁舎8階の治水課、本庁舎4階の危機管理課、尾西庁舎、木曽川庁舎、各出張所で配っています。

広げた紙の地図を2人が指でたどっている手元
広げた紙の地図を2人が指でたどっている手元(写真: Pexels)

読者

洪水ハザードマップと浸水実績図は、どちらを見ればいいですか?

おかあさん

両方です。洪水ハザードマップは川があふれたときの想定、浸水実績図は道路や下水があふれて水が引かなかった実際の記録で、見ているものが違います。今日のように短時間に強く降る雨で先に出るのは、川より先に、たまって抜けない側です。

土のうは市内6か所の防災倉庫で受け取れます(1軒30袋まで)

一宮市は、市内に住んでいる人向けに土のうを配っています。上限は1軒あたり30袋。袋だけの受け取りもできます。受け取りは車での来庁が必要です。

防災倉庫 所在地
丹陽防災倉庫 丹陽町外崎字遠場938
千秋防災倉庫 千秋町佐野字高屋63
今伊勢防災倉庫 今伊勢町馬寄字西平1-1
奥防災倉庫 奥町字下口西58
浅井防災倉庫 浅井町東浅井字森下19
大和防災倉庫 観音寺1丁目15-10

申し込みはLoGo(ロゴ)フォームなら24時間受け付けていて、回答は翌開庁日以降になります。電話は0586-28-8638(午前9時〜午後5時、土日祝を除く)。1袋は45cm×30cmで、約10〜15キログラムあります。配った土のうは市が回収しないので、そのまま各家庭で保管します。

配付場所の1つ目、丹陽防災倉庫の住所は「丹陽町外崎」です。国のリストに載っている9か所のうち、国道22号の丹陽町と外崎地下道の2か所と同じ地名が並びます。

冠水した住宅街の道路。雨がっぱを着た人たちが土のうを並べている
冠水した住宅街の道路。雨がっぱを着た人たちが土のうを並べている(写真: Pexels)

冠水した道に入ってしまったときにやること

上の9か所は、通る前に避ける場所です。避けきれずに入ってしまったときの話を最後に書きます。

  • 水がたまった道の深さは、入ってみるまで分かりません。同じ深さでも、進む速さで結果が変わります
  • エンジンが止まったら、水位が上がる前に降りる。待つほど不利になります
  • ドアは水圧で開かなくなります。窓が開くうちに開ける。開かなくなったら窓を割ることになります
  • 割る道具は、運転席から手が届く場所に置いておく。トランクでは間に合いません

冠水した道に車で入ると実際に何が起きるかは、冠水した道路に車で入るとどうなる? JAF(ジャフ)の実験で窓を割れたのは、脱出用ハンマーだけでしたにまとめています。落ち着いてからは、冠水しやすい場所の見分け方|「高台だから大丈夫」とは限りませんも合わせて読んでみてください。

冠水した道路に取り残され、ドアの高さまで水に浸かった乗用車
冠水した道路に取り残され、ドアの高さまで水に浸かった乗用車(写真: Pexels)

よくある質問

一宮市の冠水情報をリアルタイムで見られますか

一宮市は「水防災情報システム」(bousai.ichinomiya-city.jp)を公開していて、雨雲の予測、キキクル、河川の水位をまとめて見られます。市はほかに、国土交通省「川の防災情報」(river.go.jp)と愛知県「川の防災情報」(kasen-aichi.jp)も案内しています。ただし、個別の道路が今この時間に通れるかどうかは、これらとは別に、その道路を管理している国・県・市の道路情報で確認することになります。

一宮市の浸水履歴はどこで調べられますか

市の「浸水実績図(内水ハザードマップ)」が、過去の豪雨で水が出た場所を地図にしたものです。138マップの中から見られます。ただし市が明記しているとおり、全ての浸水箇所を反映したものではなく、個別の場所の浸水を特定するものでもありません。

一宮市に「浸水被害防止区域」はありますか

一宮市が公開している浸水関係の地図は、洪水ハザードマップ(令和3年3月25日発行)と浸水実績図(内水ハザードマップ)の2つです。この2つはどちらも区域の指定ではなく、想定と実績を描いた地図です。今回調べた範囲では、市のページに「浸水被害防止区域」という名前の指定は見つかりませんでした。

9か所に載っていない道路は冠水しませんか

冠水します。国の一覧は道路管理者が挙げた注意箇所の集計で、市内で水がたまりうる場所を全部数えたものではありません。愛知県内のアンダーパスは175か所あり、全国では3,841か所(令和7年3月31日時点)です。国のリストに挙がっている数とは別の数字です。

出典

  • 国土交通省 中部地方整備局「道路防災情報Webマップ」道路冠水注意箇所一覧(愛知県) https://www.cbr.mlit.go.jp/road_map/doro_bosaijoho_webmap/html/23_aichi_kansui_list.html
  • 国土交通省「アンダーパス箇所数」(令和7年3月31日時点) https://www.mlit.go.jp/road/bosai/pdf/under_pass_data.pdf
  • 国土地理院 標高API(国のリストの地先名をそのまま引いた参考値)
  • 気象庁 アメダス(2026年9月8日の1時間降水量および9月7〜8日の降水量)/記録的短時間大雨情報(同日16時10分〜17時00分発表分)/顕著な大雨に関する情報(愛知県西部・同日17時28分)
  • 一宮市「浸水実績図(内水ハザードマップ)」 https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/jougesuidou/keikakuchousei/1046094/1046095/1018322.html
  • 一宮市「洪水に備えて(洪水ハザードマップ)」 https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/kensetsu/chisui/1044078/1010043/1038044/index.html
  • 一宮市「浸水被害に備えて土のうを配付します」 https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/kensetsu/iji/1044077/1000121/1002239.html
  • 一宮市 水防災情報システム https://bousai.ichinomiya-city.jp/
  • 一宮市「最新の人口」(2026年8月1日現在 374,122人) https://www.city.ichinomiya.aichi.jp/shiminkenkou/shimin/1044325/jinkou/1010427.html
  • 名古屋市「毎月1日現在の世帯数と人口」(2026年8月1日現在 2,353,515人) https://www.city.nagoya.jp/shisei/toukei/1003703/1003706/1003707.html
  • 安城市「人口・世帯数」(2026年8月1日現在 187,207人) https://www.city.anjo.aichi.jp/shisei/tokei/jinkousetai.html
  • 津島市 公式サイト(2026年9月1日現在 総人口58,604人) https://www.city.tsushima.lg.jp/

※本記事は2026年9月8日19時時点で公表されている情報にもとづきます。雨も避難情報も動いています。道路の通行可否は各道路管理者の情報を、避難情報は一宮市の発表を、そのつどご確認ください。

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    この記事を書いた人

    ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
    その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
    契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
    実務全般に携わってきました。

    特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
    反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
    自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

    現在は子育てのため一線を退いていますが、
    これまでの実務経験を活かし、
    フリーランスとして不動産会社様向けの
    バックオフィスサポート業務を開始しました。

    現場目線を大切にしながら、
    「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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