国土交通省が2026年7月31日に公表した統計で、6月の新設住宅着工戸数が前年同月比18.6%増となりました。ただし内訳を見ると、種類によって伸び方に大きな差があります。この記事では、何が起きているのかと、住宅の購入・土地活用を考えている方への影響を整理します。
何が起きたか
国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年6月分)」(2026年7月31日発表)によると、6月の全国の新設住宅着工戸数は次のとおりです。
| 区分 | 戸数 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 合計 | 66,344戸 | +18.6% |
| 持家(注文住宅など) | 18,553戸 | +15.7% |
| 貸家(賃貸アパート等) | 30,253戸 | +24.6% |
| 分譲住宅 | 17,211戸 | +14.2% |
| うちマンション | 6,048戸 | +1.7% |
| うち一戸建て | 10,861戸 | +21.7% |
着工床面積は5,052千平方メートルで前年同月比+17.0%。季節調整済みの年率換算値は786千戸で、前月比+3.9%と2か月連続の増加でした。4~6月期の合計も186,790戸(前年同期比+20.2%)と、四半期でも伸びが続いています。
「新設住宅着工戸数」とは
新設住宅着工戸数は、その月に新しく工事が始まった住宅の数を国が集計した統計です。実際に完成・入居した数ではなく、あくまで「着工=工事開始」の件数である点に注意してください。完成・引き渡しはこの数か月~1年以上あとになります。
「持家」は注文住宅など個人が自分で建てる住宅、「貸家」は賃貸アパート・マンションなど大家として貸すために建てる住宅、「分譲住宅」は不動産会社が建てて販売するマンション・建売住宅を指します。
読者にどう効くか
マンションを探している人:分譲マンションの着工は前年比+1.7%とほぼ横ばいです。一戸建ての+21.7%と比べると供給の伸びが鈍く、新築マンションの選択肢が急に増える状況ではなさそうです。エリアによっては価格が下がりにくい可能性があるため、中古マンションも含めて選択肢を広げておくと動きやすくなります。
一戸建て・土地を探している人:一戸建ての着工は+21.7%と大きく伸びており、供給側は活発です。選べる物件・土地の数が増える局面なので、条件面で比較検討する余地が広がります。
相続した土地の活用を考えている人:貸家(賃貸アパート等)の着工が+24.6%と全体の中で最も伸びています。金利のある時代でもアパート経営を選ぶ動きが続いているということでもあり、土地活用の選択肢のひとつとして検討している方には参考になる数字です。ただし着工が増えている=その分「将来の空室リスクを負う大家」も増えているということでもあります。
注文住宅を検討している人:持家(注文住宅など)も+15.7%と伸びています。背景には、住宅ローン金利が今後上がっていく前に契約・着工を進めたいという動きがあるとみられます。
今やっておくこと
新築マンションの供給が伸び悩んでいるエリアでは、中古マンションの流通量・価格帯も合わせて確認しておくと選択肢が狭まりません。
2. 一戸建て・土地は「比較できるうちに」動く
供給が増えている局面は、条件のいい物件を選びやすいタイミングでもあります。
3. 土地活用でアパート経営を検討中なら、需要調査を先にする
周辺の賃貸需要と将来の人口動態を確認してから着工判断をすると、着工件数の増加に流されずに判断できます。
まとめ
・6月の新設住宅着工戸数は66,344戸で前年同月比+18.6%(国交省発表・2026年7月31日)
・伸びが大きいのは貸家(+24.6%)と一戸建て(+21.7%)
・分譲マンションはほぼ横ばい(+1.7%)で供給の伸びが鈍い
・マンション希望者は中古も含めて選択肢を広げるのが現実的
・一戸建て・土地は供給が増えている局面で比較検討しやすい
マンション購入を具体的に検討している方は中古マンション購入の注意点15選|内見・契約前の確認ポイントもあわせてご覧ください。土地から一戸建てを探している方には土地の現地チェックリスト|買う前に見る順番と、公的データで確かめる手順が参考になります。
・国土交通省「建築着工統計調査報告(令和8年6月分)」(2026年7月31日発表)
※本記事は2026年8月4日時点の公表情報にもとづく解説です。統計は今後の確報で修正される場合があります。詳細は国土交通省の発表資料でご確認ください。特定の金融商品・不動産会社を推奨するものではありません。


コメント