大崎市で川の氾濫による浸水が深く、長く想定されているのは、古川の市街地の南から鳴瀬川までの平地です。代表点では三本木高柳が深さ5〜10メートル(2階も水没)で、0.5メートル以上の浸水が2週間以上続く想定です。
この平地では堤防が何度も切れています。2022年7月16日には名蓋川の堤防が古川矢目で3か所決壊し、市は矢目地区に警戒レベル5の緊急安全確保を出しました。名蓋川の決壊は7年で3度目です。
先に結論
- ✓ 代表点で深さ3m以上は26。うち5〜10m(2階も水没)の5つは三本木・松山・鹿島台の町・字
- ✓ 0.5m以上の浸水が1週間以上続くのは42。古川駅の東と南の町・丁目も入る
- ✓ 2019年の東日本台風では、鹿島台の志田谷地地区で浸水解消まで10日間かかった(市の記録誌)
大崎市で川の氾濫・洪水が危ない場所

市内223の町・字のうち、代表点が浸水の範囲に入るのは177。深さ3メートル以上は26あります。
5〜10メートル(2階も水没)は5つで、三本木高柳など三本木の2つと、鳴瀬川沿いの松山須摩屋など松山・鹿島台の3つです。
3〜5メートルは21。古川の南の古川矢目、江合川に近い古川江合本町二丁目、鳴瀬川に近い鹿島台木間塚、田尻の字などが入ります。

| 町・字 | 近くの川(目安) | 想定の深さ(代表点) | 0.5m以上が続く時間 |
|---|---|---|---|
| 三本木高柳 | 多田川・鳴瀬川 | 5〜10m | 2週間以上 |
| 松山須摩屋・松山長尾・鹿島台船越 | 鳴瀬川 | 5〜10m | 1〜2週間 |
| 三本木坂本 | 鳴瀬川 | 5〜10m | 1〜3日 |
| 古川矢目・古川新沼 | 名蓋川・多田川 | 3〜5m | 2週間以上 |
| 古川米袋・宮内・楡木・旭四丁目・蓑口沼 | 多田川 | 3〜5m | 2週間以上 |
| 三本木新沼・南谷地・蒜袋、師山 | 多田川・鳴瀬川 | 3〜5m | 2週間以上 |
| 古川駅南三丁目 | 多田川 | 3〜5m | 1〜2週間 |
| 鹿島台大迫 | 吉田川 | 3〜5m | 1〜2週間 |
| 鹿島台木間塚 | 鳴瀬川 | 3〜5m | 1〜2週間 |
| 田尻桜田高野・田尻大沢 | 田尻川 | 3〜5m | 3日〜1週間 |
| 古川江合本町二丁目 | 江合川 | 3〜5m | 1〜3日 |
| 田尻北高城 | 田尻川 | 3〜5m | 1〜3日 |
| 三本木上伊場野 | 鳴瀬川 | 3〜5m | 12時間〜1日 |
| 岩出山 | 吉野川 | 3〜5m | — |
| 古川清水沢 | 長泥川 | 3〜5m | — |
深さと時間は、国土交通省「位置参照情報」の町・字の代表点(およその中心)1点で、重ねるハザードマップの洪水浸水想定区域(想定最大規模)を読んだ値です。国と県が川ごとに作った想定を重ねた最大値なので、どの川の想定かは分けられません。「近くの川」は地図上の位置から添えた目安です。代表点が範囲の外でも、町・字の中の低い所は範囲に入っていることがあります(ハザードマップで色がない場所の意味)。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
大崎市を流れる主な川と水位の基準
市のハザードマップ(古川地域の図)は、国の江合川・鳴瀬川・多田川などと、宮城県の渋井川・田尻川などの想定を重ねています。
国と気象台が洪水予報を出すのは、江合川・鳴瀬川・多田川・吉田川です(市の地域防災計画)。名蓋川と渋井川は、多田川の支流で県が管理する川です。
江合川は、上流の鳴子ダムで洪水を調節し、古川の荒雄で計画高水流量毎秒1,800立方メートルのうち800立方メートルを新江合川へ分ける計画です(市の地域防災計画)。
| 観測所(川) | 氾濫注意水位 | 避難判断水位 | 氾濫危険水位 |
|---|---|---|---|
| 荒雄(江合川) | 3.10m | 4.50m | 4.80m |
| 下谷地(江合川) | 2.40m | 3.50m | 4.00m |
| 三本木橋(鳴瀬川) | 5.00m | 6.00m | 6.40m |
| 野田橋(鳴瀬川) | 4.50m | 6.40m | 6.70m |
| 鹿島台(吉田川) | 5.80m | 7.40m | 7.90m |
| 西荒井(渋井川) | 3.05m | 3.60m | 3.80m |
| 矢目(名蓋川) | 1.80m | 2.00m | 2.20m |
渋井川の西荒井と名蓋川の矢目は、避難判断水位から氾濫危険水位まで0.20メートルです。表は国土交通省「川の防災情報」の値(2026年9月23日時点)です。
市の記録誌の表では、2015年9月11日7時に江合川の下谷地が4.13メートルで、氾濫危険水位を0.13メートル上回りました。
0.5m以上の浸水が続く時間

0.5メートル以上の浸水が1週間以上続くのは、代表点で42。2週間以上の12は、古川矢目や三本木高柳など、古川の市街地の南から鳴瀬川までの平地にあります。
地図では、三本木高柳の近くに4週間以上の色も出ています。
「浅い想定なら水はすぐ引く」とは言い切れません。古川駅東一丁目は深さ0.5〜3メートルの想定ですが、0.5メートル以上の浸水が1〜2週間続く想定です。同じ想定の町・字は24あります。
2019年の東日本台風では、鹿島台の志田谷地地区で約311ヘクタールが冠水し、浸水解消までに10日間かかりました(市の記録誌)。
市のハザードマップは、この台風で「避難所の開設が約1カ月半続きました」と書いています。
代表点が家屋倒壊等氾濫想定区域に入る町・字は、氾濫流(堤防が壊れて流れ込む水の勢い)で0、河岸侵食(川岸が削られる)で4です。市のハザードマップは、家屋倒壊等氾濫想定区域では「早期の立ち退き避難が必要」としています。
大崎市の過去の洪水

2015年の渋井川の破堤は、どこも川の水が堤防を越えた痕跡がなく、県の検討委員会は「川水が浸透して強度が弱まり堤防の外側から崩落した」と断定しました(市の記録誌)。
渋井川は2017年5月に復旧と堤防の強化工事を終えましたが、2019年10月13日4時ごろ、その近くの古川西荒井の右岸で再び破堤しました(市の記録誌)。
2015年のあと、市は県に多田川・渋井川・田尻川を水位周知河川にするよう要望しました。いまは渋井川の台所橋から多田川合流点までが、水位を知らせる区間です(市の地域防災計画)。
逃げるタイミングと、水位を見る場所

江合川は荒雄と下谷地、鳴瀬川は三本木橋と野田橋、渋井川は西荒井の水位で動きます。市の計画では、氾濫警戒情報が高齢者等避難、氾濫危険情報が避難指示の判断の参考です。
2022年7月16日は、西荒井で3時50分に避難判断水位を超え、市は4時15分に西荒井地区へ避難指示を出しました。矢目地区の緊急安全確保は、決壊の情報が入った後に出ています。
市のハザードマップは、浸水深3メートル以上の区域について「最上階も浸水するおそれがあることから、早期の立ち退き避難が必要」としています。
3メートル未満の区域も、同じ表は「1階が浸水するおそれがある区域の1階建ての建物等においては、早期の立ち退き避難が必要」としています。川沿いの家や平屋に住む人は、高齢者等避難の段階で動きます。
2022年7月の大雨では、市役所本庁舎の地下ボイラー室が浸水しました(市の記録誌)。地下の部屋や半地下の車庫は、水が入ると短い時間で出られなくなります。
国土交通省は「閉じている扉の向こうに水がある程度溜まると、外開き扉も内開き扉も開けることができなくなる」としています。
避難先にも条件があります。古川地域の避難所一覧では、中央公民館や大崎市民会館は洪水の欄が「×」、古川東中学校は「校舎2階」です。
渋井川や名蓋川のように国と気象台の洪水予報がない川について、気象庁は「大雨に関する情報の中で呼びかけて参ります」としています。
川ごとの水位は川の防災情報(国土交通省)で10分ごとに見られます。気象庁は「レベル3大雨警報やレベル4大雨危険警報が発表された場合には、自分の今いる場所の近くの河川の危険性が高まっていないかを洪水キキクルで確認」するよう呼びかけています(洪水キキクル)。
外水氾濫と内水氾濫

この記事の洪水浸水想定区域は、川からあふれる外水氾濫の地図で、内水氾濫は含みません。道路の冠水の場所は「大崎市 冠水 どこが危ないの?」にまとめています。
自宅の洪水リスクを調べる
- 市の大崎市洪水土砂災害ハザードマップ(地域ごとの全域図・詳細図)で、自宅の深さと「早期立退き避難が必要な区域」、避難所の洪水の欄を見る
- 重ねるハザードマップで住所を入れ、「洪水」の浸水継続時間と家屋倒壊等氾濫想定区域まで表示する
- 雨水が道路や宅地にたまる場所は、市の内水ハザードマップ(古川・松山・三本木・鹿島台)で見る。分からないことは市の防災安全課(0229-23-5144)へ
市のハザードマップのページは「このハザードマップに掲載している浸水範囲、土砂災害警戒区域等以外の区域が安全を保障するものではありません」と書いています。色がないことは、浸からない証明ではありません。
大崎市のほかの災害リスク・ほかの市
- 大崎市 冠水
- 一関市 河川氾濫 (岩手県)
- 奥州市 河川氾濫 (岩手県)
- 北上市 河川氾濫 (岩手県)
- 山形市 河川氾濫 (山形県)
- 鶴岡市 河川氾濫 (山形県)
- 福井市 河川氾濫 (福井県)
- 坂井市 河川氾濫 (福井県)
この記事のまとめ
大崎市の洪水で深く長い浸水が想定されるのは、古川の市街地の南から鳴瀬川までの平地です。この平地を流れる名蓋川と渋井川は、2015年からの7年で決壊をくり返しました。
自宅の番地で深さと続く時間を確かめてください。3メートル以上の区域や平屋なら、どの水位で、洪水の欄が「×」でないどの避難所へ出るかを家族で決めておいてください。
出典(すべて2026年9月23日に確認)
- 大崎市「大崎市洪水土砂災害ハザードマップ」(学習面 令和3年7月作成・古川地域 全域図)
- 大崎市「内水ハザードマップについて」
- 大崎市地域防災計画(令和7年3月改訂)第3編 風水害等災害対策編
- 大崎市「大崎市の水害記録(平成27年9月関東・東北豪雨)」
- 大崎市「令和元年東日本台風 大崎市 水害の記録」(令和3年3月)
- 大崎市「令和4年7月 大崎市大雨の記録」(令和5年3月)
- 宮城県「洪水浸水想定区域図」
- 宮城県「みやぎ水害記録集(昭和23年9月洪水(アイオン台風))」
- 宮城県「みやぎ水害記録集(令和4年7月洪水)」
- 国土交通省 北上川下流河川事務所「浸水想定区域図(鳴瀬川水系)」
- 国土交通省 北上川下流河川事務所「浸水想定区域図(北上川水系)」
- 国土交通省 北上川下流河川事務所「北上川・鳴瀬川の災害の歴史」
- 国土交通省「浸水時の地下室の危険性について」
- 気象庁「よくある質問(FAQ)」新たな防災気象情報(令和8年4月10日)
- 地図:国土地理院「重ねるハザードマップ」・地理院タイル/町・字の代表点:国土交通省「位置参照情報」(2025年版)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:地理院タイル(全国最新写真)を加工して作成
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント