京都府の鴨川・高野川の想定では、南区の上鳥羽川端町や上鳥羽清井町などは、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
2026年6月26日の朝には、荒神橋(左京区)で氾濫危険水位に届き、鴨川・高野川にレベル4氾濫危険警報が出ました。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が3日〜1週間続くのは町・字の中心59か所で、うち57か所が南区の想定。京都府は、鴨川と桂川の合流点付近で最大約5日間続くと説明している
- ✓ 府の整備計画が「未曾有の大水害」と書くのは1935年6月の鴨川大洪水。三条大橋や五条大橋など30を越える橋が流され、床上・床下浸水は24,173棟(京都府)
- ✓ 改修の効果で、1935年より多い雨が降った1959年も鴨川からの浸水は無かった。ただ府は下流の堤防の区間を「破堤による壊滅的な被害が発生する危険性が高い」としている(2010年の整備計画)
鴨川・高野川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は京都府が鴨川と高野川をまとめて計算した想定で、高潮、下水があふれる内水、そのほかの川の氾濫は入っていません。
北東へのびる帯は支川の高野川です。想定の雨は、流域全体の24時間で736mmです。
府の説明資料は、いちばん深いのは南区の鴨川と桂川の合流点付近で、約7.7mとしています。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
南区は町・字の中心282か所のうち244か所が区域に入り、0.5〜3mが161か所、3〜5mが70か所、5〜10mが8か所、0.5m未満が5か所です。
5〜10mの8か所は、上鳥羽川端町・上鳥羽清井町など上鳥羽の7か所と、吉祥院嶋高町です。
町・字の数がいちばん多いのは下京区の453か所です。町・字の中心が5〜10mに入るのは南区だけで、左京区は3〜5mが16か所です。

3日〜1週間続くのは、南区の上鳥羽の町などです。府の説明資料の表では、中京区でも最大25時間、東山区で13時間続きます。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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鴨川の過去の水害と最近の大雨

1935年は、上流から流れてきた木が橋に引っかかって堰のようになり、せき上げられた水が市中にあふれました(京都府のパンフレット)。
国立情報学研究所が集めた気象庁の電文で数えると、2012年12月以降に荒神橋が氾濫危険水位に届いたのは年表の3回です。
ただ荒神橋の氾濫危険水位は、2015年の電文では今より20cm高い線で、3回は同じ高さで比べた回数ではありません。
台風第25号(9月20〜22日)では、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、水防団待機水位が決まっている荒神橋・上賀茂・大原(高野川)の3観測所とも届いていません。

今の水位を見る場所

鴨川・高野川の洪水予報の基準は、左京区吉田河原町の荒神橋の1か所だけです。出町橋と三条大橋のカメラのページでも、荒神橋の水位を見られます。
京都市は、川でオオサンショウウオ類を見かけても捕まえたり触ったりせず、歩道にいる場合は文化財保護課に連絡するよう呼びかけています。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
鴨川の治水の歴史と流せる量
鴨川は平安時代から暴れ川で、824年には治水を受け持つ防鴨河使が置かれました。白河法皇は、思いどおりにならないものの一つに「鴨川の水」を挙げています。
1935年の洪水のあと、1936〜47年には鴨川約17.9km・高野川約5.2kmの川底を2〜3mほど掘り下げる改修が行われました(京都府のパンフレット)。
「1935年のあと大きくあふれていないから、鴨川はもう氾濫しない」とは言い切れません。
2010年の府の整備計画は、流せる量がいちばん小さい四条大橋〜二条大橋を、概ね3年に1度起こりうる雨の洪水の規模としています。
七条大橋より下流の堤防で守る区間にも、概ね5年に1回程度の洪水にしか対応できない所が「相当の延長で存在している」と書いています。
七条〜二条の区間には三条大橋や七条大橋があり、川底を掘ったり河川敷を切り下げたりすると、橋の架け替えや鴨川の景観の大きな変化につながると府は書いています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
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ここで扱った浸水想定は、京都府が鴨川と高野川をまとめて作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 京都府「昭和10年の鴨川大洪水とその後の治水対策について」(2019年3月5日更新)
- 京都府パンフレット「千年の都と鴨川治水」
- 京都府「鴨川河川整備計画」(平成22年1月)
- 国立情報学研究所「指定河川洪水予報データベース」(鴨川。気象庁の電文)
- 国立情報学研究所「指定河川洪水予報データベース」の鴨川の電文(2012年12月〜2026年9月)をart-piで集計
- 京都府「鴨川・高野川洪水浸水想定区域図」(2025年11月17日更新)
- 京都府「鴨川・高野川洪水浸水想定区域図 資料2」
- 京都府「鴨川・高野川の洪水予報情報」
- 京都府「河川防災情報」(河川カメラ)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 京都市「市内河川のオオサンショウウオ類について」
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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