国の想定では、大和川が12時間316mmの雨であふれると、八尾市の太田一丁目や柏原市の本郷四丁目などは、町・字の中心が2階まで浸かる3〜5mの区域に入ります。
ただし浸水の区域は川沿いにとどまらず、北の東大阪市や大阪市生野区まで広がります。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が1〜2週間続く町・字の中心は90か所。うち堺市堺区が55か所
- ✓ 戦後最大の洪水は1982年8月。柏原で約2,500m³/sの流量を記録し、支川のはん濫や内水で21,956戸が浸水した(国土交通省「日本の川」)
- ✓ 奈良県側では保田遊水地が2025年6月に運用を始めた。ただ亀の瀬の狭い区間は、下流の整備が進んだ後に対策する計画(大和川河川事務所)
大和川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は大和川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
奈良県側でも、亀の瀬より上流の斑鳩町・大和郡山市・王寺町などに色が付きます。
町・字の中心が5〜10mの区域に入るのは12か所で、八尾市の沼三丁目や堺市堺区の遠里小野町三丁・四丁などです。
このうち4か所(八尾市の福万寺町北四〜六丁目、東大阪市の池島町七丁目)は、中心が恩智川沿いの治水緑地の中です。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
町・字の中心が区域に入るのは、31市区町の1,556か所です。
多い順に八尾市296か所、堺市堺区281か所、東大阪市150か所、大阪市平野区135か所などです。
八尾市は634か所のうち296か所で、0.5〜3mが222か所、3m以上が20か所です。
柏原市は66か所のうち39か所で、3〜5mは本郷四丁目・本郷五丁目・石川町の3か所です。

1〜2週間続くのは、堺市堺区の遠里小野町三丁・四丁や桜之町東二丁、松原市の天美北三丁目などです。
大阪市西成区の北津守二丁目〜四丁目などは、0.5〜3mでも1〜2週間続く想定です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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大和川の過去の水害と最近の大雨

1704年の付け替えで旧流域は新田になった一方、国は「新川筋の左岸一帯は排水不良地となり、洪水被害に悩まされることとなりました」と書いています。
2017年の台風21号で、柏原の水位は氾濫危険水位を上回り、戦後最大の洪水だった1982年も超え、1955年からの年最高水位で最も高くなりました。
柏原市で溢水したのは、国分市場と青谷です。
2026年9月の台風第25号では、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、柏原も板東も水防団待機水位に届きませんでした。

今の水位を見る場所

洪水予報の基準観測所は、奈良県側の板東と大阪府側の柏原です。亀の瀬のすぐ上流は、王寺町の藤井観測所で水位を見られます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
大和川が氾濫する可能性と亀の瀬の地すべり
「大和川があふれても、浸かるのは川沿いだけ」とは言い切れません。
八尾市の「やお防災マップ」は、大和川は周りより高い所を流れる天井川なので「大阪平野の広い範囲で浸水被害が発生する可能性があります」と書いています。
柏原市のコラムも、今の大和川の右岸堤防が決壊すると「淀川までほぼ水没してしまいます」と書いています。
奈良盆地から大阪平野へ抜ける亀の瀬には、推定約1,500万m³の地すべりの土の塊があります。
国は、地すべりで川がふさがると上流の奈良県側に水がたまり、土砂が崩れると下流の大阪府側が氾濫するとして、対策を続けています。
2021年8月の国の再評価資料は、その場合の死者を上流で538人、下流で2,792人と推定しています。避難する人が0%という前提です。
亀の瀬の狭い区間は、洪水のときに上流の奈良県側の水位を押し上げます。
それでも国は、上流から川を広げると下流へ流れる水が増えるとして、亀の瀬の対策は下流部の整備の後に行う計画です。
奈良県側では遊水地を整備し、保田遊水地が2025年6月に運用を始めました。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む堺市 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む東大阪市 冠水 どこが危ないの? 5か所のうち4か所は、大阪市との境の2キロにあります ›
- 大阪の大和川、実は江戸時代に造られた川だった なぜ幕府は流れを丸ごと変えた?
- 大阪市 冠水 どこが危ないの? 65か所のうち43か所に「冠水実績あり」と書いてあります
- 奈良市 冠水 どこが危ないの? 9か所とも、標高56メートル以上の場所です
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
ここで扱った浸水想定は、国が大和川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 国土交通省「日本の川 大和川」
- 国土交通省「日本の川 大和川 川の歴史」
- 国土交通省「日本の川 大和川 主な災害」
- 大和川河川事務所「台風21号と前線による大和川における大雨の概要」(平成29年11月13日)
- 大和川河川事務所「令和8年度 事業概要」
- 大和川河川事務所「大和川水系河川整備計画 概要版」
- 大和川河川事務所「洪水浸水想定区域図」
- 大和川河川事務所「大和川水系大和川洪水浸水想定区域図(想定最大規模)説明文」
- 大和川河川事務所「洪水予報の流れ」
- 近畿地方整備局「亀の瀬地すべり」
- 近畿地方整備局「亀の瀬地区直轄地すべり対策事業【再評価】」(令和3年8月)
- 柏原市「【コラム】龍田古道(14)亀の瀬の地すべり」
- 柏原市「天井川と洪水10」
- 八尾市「やお防災マップ」(令和8年8月改訂)
- 大阪府「大阪府における地下空間を利用した治水施設 -寝屋川流域総合治水対策-」(令和6年5月28日)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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