国の想定では、多摩川があふれると川崎市多摩区の中野島二丁目や堰一丁目〜三丁目などは、町・字の中心が3〜5m(2階まで浸水)の区域に入ります。
ただし2019年の東日本台風で、多摩川の水が川から直接あふれたのは、堤防が無かった二子玉川です。
川崎市では、多摩川沿いの排水樋管(はいすいひかん)5か所の周りが、逆流した川の水と流れにくくなった内水で浸かりました。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が2週間以上続く町・字の中心は60か所。内訳は川崎市川崎区40・幸区10・横浜市鶴見区8・大田区2
- ✓ 最大の水害は、国の事務所の記録で浸水戸数が最も多い1947年のカスリーン台風
- ✓ 二子玉川の堤防は2025年4月に完成。ただ世田谷区の検証の計算では、2019年に堤防があっても上野毛・野毛地区の浸水の深さは約4cmしか下がらない
多摩川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は多摩川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
地図は2019年の浸水範囲ではなく、流域に48時間で588mmの雨が降った場合の計算です。
町・字の中心が5〜10m(2階も水没)の区域に入るのは7か所です。
川崎市幸区大宮町、世田谷区野毛三丁目、川崎市高津区諏訪一丁目、府中市南町五丁目・六丁目、日野市栄町五丁目などが入ります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
区域に入る町・字の中心は22市区の692か所です。多いのは川崎市川崎区122か所(うち0.5〜3mが114か所)、大田区112か所(同100か所)です。
3〜5mは川崎市多摩区の31か所が最も多く、宿河原二丁目・三丁目なども入ります。
2019年にあふれた世田谷区玉川は、想定では玉川一丁目〜三丁目の中心が3〜5mの区域に入ります。

4週間以上続くのは、川崎市幸区の小向仲野町、戸手一丁目〜四丁目、小向西町一丁目・二丁目です。
2〜4週間は、川崎市川崎区の塩浜一丁目・二丁目、浜町一丁目〜四丁目などです。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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多摩川の過去の水害と最近の大雨

1974年に決壊したのは狛江市猪方で、住宅地など3,000m²も流されました。
2019年、川崎市の排水樋管5か所のうち浸水が最も広かったのは、中原区の山王排水樋管の周りで約60haでした。
国の整備計画によると、2019年は国の堤防がある区間で水が堤防を越えた所はありませんでした。
一方で中下流部の内水被害として、浸水区域内の高層住宅の一部で電源設備が浸かり、電気や水道が途絶えたとしています。

今の水位を見る場所

国の洪水予報の基準は、大田区の田園調布(上)、調布市の石原、青梅市の調布橋です。
世田谷区・大田区と川崎市の下流側は田園調布(上)、狛江市・調布市は石原を見ます。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、2026年9月の台風第25号で田園調布(上)が水防団待機水位を2回超えました。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
2019年のあと、多摩川の氾濫リスクは下がったか
「二子玉川に堤防ができたから、多摩川沿いはもう浸からない」とは言い切れません。
世田谷区の検証の計算では、2019年の上野毛・野毛地区の浸水量約73,000m³のうち、堤防の無い所をふさいで減るのは約4,000m³です。
区は、多摩川の水位が上がって水門を閉め、区内に降った雨を多摩川へ流せなかったことを、広い範囲の浸水の原因に挙げています。
川崎市も、過去に多摩川の高い水位で浸水したことがなかった宮内・二子・宇奈根の排水樋管の周りが、2019年に浸かったとしています。
国の多摩川緊急治水対策プロジェクトで、二子玉川の堤防は2025年4月に完成しました。
2019年は石原で毎秒約7,000m³が流れ、当時の整備計画の目標の毎秒4,500m³を大きく上回りました。
国は2026年2月、目標を毎秒7,200m³に引き上げています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む世田谷区 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む大田区 冠水 どこが危ないの? ›
- 川崎市 冠水 どこが危ないの? 12か所のうち10か所は鉄道の下、北の3区にはありません
- 調布 冠水 どこが危ないの?
- 府中市 冠水 どこが危ないの?
- 稲城市冠水 どこが危ないの?
- 日野市冠水 どこが危ないの?
- 八王子市 冠水 どこが危ないの?
- 立川市冠水 どこが危ないの?
- 羽村市冠水 どこが危ないの?
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
ここで扱った浸水想定は、国が多摩川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 京浜河川事務所「多摩川の概要」
- 京浜河川事務所「災害の記録 多摩川(明治~昭和)」
- 京浜河川事務所「災害の記録 多摩川(平成)」
- 京浜河川事務所「昭和の歴史年表」
- 京浜河川事務所「平成の歴史年表」
- 国土交通省「多摩川水系河川整備計画【大臣管理区間編】」(令和8年2月変更)
- 京浜河川事務所「令和元年東日本台風による出水状況〜流域の被害概要〜」
- 京浜河川事務所「台風第19号(令和元年10月11日〜13日)出水概要」
- 京浜河川事務所「台風第6号に伴う出水概要」
- 川崎市「令和元年東日本台風による排水樋管周辺地域の浸水に関する検証報告書(概要版)」
- 世田谷区「令和元年台風第19号に伴う浸水被害の検証(最終報告)」
- 京浜河川事務所「多摩川緊急治水対策プロジェクト よくあるご質問」
- 京浜河川事務所「多摩川・浅川・大栗川の洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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