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戸田市 冠水 どこが危ないの?

戸田市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は3か所です。3か所とも地下道で、そのすべてが、市内で標高の高いほうの町にあります。

いちばん低い大字曲本・大字重瀬・大字内谷(標高0.5メートル)には、1か所もありません。ただし市内でいちばん高い大字美女木でも5.1メートルで、高いといっても差は4.6メートルしかありません。

この記事でわかること

  •  3か所は美女木地下道・美女木東地下道・戸田地下道。2か所が国道17号新大宮バイパス、1か所が市道です
  •  市の内水ハザードマップで浸水1.0メートル以上になるのは「主にアンダーパス」。地名は笹目・美女木・新曽で、国のリストと重なります
  •  令和8年3月の改定で、内水ハザードマップから「過去に冠水した場所」の表示が消えました
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箇所の数・種別・路線名・住所・管理者は、国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」の埼玉県分から数えました。地図から開ける一覧が245か所、令和8年6月10日現在の県ごとのPDFが273か所で、戸田市はどちらの版でも3か所です。標高は国土地理院の標高データで、位置参照情報(大字・町丁目レベル)の代表点を引いた値です。浸水の想定と水防法の扱いは戸田市「内水(浸水)ハザードマップ」と同Q&A(令和8年4月)、冠水の記録は市の危機管理防災課のページ、アンダーパスの定義と対策は大宮国道事務所・北首都国道事務所の資料(令和5年7月7日)から取りました。
目次

3か所は、市内で高いほうの町にあります

埼玉県の道路冠水注意箇所は245か所です。市町村別に数えると戸田市は3か所で、県内21番目。同じ3か所の市が、ほかに和光市・坂戸市・鶴ヶ島市の3つあります。令和8年6月10日現在の県ごとのPDFでも、戸田市は3か所でした。

管理番号 名称 種別 路線 住所 標高
02-109 美女木東地下道 市道 市道第5002号線 美女木3・4丁目、美女木東1・2丁目 4.9m(美女木三丁目)
02-228 戸田地下道 国道 17号新大宮バイパス 笹目地先 4.0m
02-229 美女木地下道 国道 17号新大宮バイパス 美女木地先 5.1m

いちばん高いのは美女木地下道のある大字美女木で5.1メートル。戸田市にある64の町丁目のうち、これが最高値です。美女木東地下道が入る美女木三丁目は4.9メートルで市内3番目、戸田地下道の住所は笹目地先で、周辺の笹目一丁目は4.0メートルでした。

低いほうは、大字曲本・大字重瀬・大字内谷がそろって0.5メートル。市内でいちばん低いこの3つの町に、国の冠水注意箇所は1つもありません。

ここでの標高は、町丁目の代表点1点で引いた値です。地下道の底の高さではありません。周りの地面が高い町でも、その下に掘り下げた道があれば水は集まります。

冠水注意箇所が入る町は、市内でいちばん高い側に並びます
冠水注意箇所が入る町は、市内でいちばん高い側に並びます

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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市内の高いと低いの差は、4.6メートルです

戸田市の町丁目は64。標高は0.5メートルから5.1メートルまで。5メートルに届かない町丁目が62、0メートルを下回る町丁目は0です。

この連載で同じ測り方をした市の高低差と並べると、和歌山市0.5メートル、佐賀市2.1メートル、加須市2.5メートル、白岡市3.0メートル、越谷市3.5メートル。戸田市もその並びに入ります。

市内64町丁目の標高は0.5メートルから5.1メートルまで。幅は4.6メートルです
市内64町丁目の標高は0.5メートルから5.1メートルまで。幅は4.6メートルです

市も自分でそう書いています。市の紹介文にあるのは「坂道がなく、平坦な道ばかり」。坂が無いということは、水が出たときに上がる先も無いということです。

広報戸田市 令和5年9月号は、荒川が氾濫しそうなときの行動としてこう印刷しています。「戸田市には留まらず高台に逃げてください。市内全域が浸水するため、市内に安全な場所はありません。」

\住所を入れると、その場所の水のリスクがまとめて出ます/

戸田市の住所で調べてみる ›

洪水・内水・土砂・地震を1画面で

3か所とも、下をくぐる地下道です

国土交通省はアンダーパスを「道路や鉄道などと立体的に交差する下側の道路が、地中に掘り込まれている構造」と定義しています。戸田市の3か所は、名前からして全部が地下道です。

戸田地下道と美女木地下道は国道17号新大宮バイパスで、管理するのは大宮国道事務所。美女木東地下道は市道第5002号線で、管理するのは戸田市です。管理者は分かれますが、近くの警察署は3か所とも蕨警察署でした。

国が挙げている対策は、注意喚起の標識、冠水情報を出す電光掲示板、警報装置と監視装置、パトロールの強化の4つ。掲示板に出る文字も資料に載っていて、「地下道内 冠水注意」でした。

道路が線路の下をくぐる地下道。奥に向かって下り坂になっている
道路が線路の下をくぐる地下道。奥に向かって下り坂になっている(写真: Pexels)

市の地図で1メートル以上になるのは、アンダーパスと笹目・美女木・新曽です

市は内水(浸水)ハザードマップにQ&Aを付けています。そこに「浸水深1.0m以上となっている箇所はどこにあるか?」という問いがあります。

答えは「主にアンダーパス(地下道)が該当しますが、注意喚起の表示により見えなくなっています。そのほか、笹目、美女木、新曽の限られた箇所となります」。

国のリストの住所は、笹目地先、美女木地先、そして美女木三丁目・四丁目と美女木東一丁目・二丁目。市が挙げた笹目と美女木が、国の3か所とそのまま重なります。

市は浸水シミュレーション、国は道路を管理する実務。役所も手法も違うのに、出てきた地名が同じでした。国の3か所に入っていないのは新曽だけです。

対策は1時間71.5ミリ、地図の想定は153ミリです

前の地図は平成31年3月に作ったもので、前提は平成17年9月の既往最大降雨、1時間あたり71.5ミリでした。

令和8年3月の地図は「想定し得る最大規模の大雨(1時間あたり153mm)が戸田市全域に降り、かつ放流先河川の水位が高い場合」です。2.1倍の雨に置き換わりました。

対策の想定は1時間71.5ミリ、地図の想定は153ミリ。2.1倍あります
対策の想定は1時間71.5ミリ、地図の想定は153ミリ。2.1倍あります

153ミリは市が決めた数字ではありません。Q&Aは「国の基準により定めており、関東地方においては、1時間あたり153mmの雨量を基準とすることから」と書いています。

効いてくるのはそのあとの1問です。浸水対策の施設は反映されているのかという問いに、市はこう答えています。「北大通り雨水貯留管は既往最大降雨(1時間あたり71.5mm)を対象とした対策であり、今回の想定最大規模の降雨を対象としたシミュレーションでは浸水が予想される箇所があります。」

施設が対象にした雨は、地図が描いた雨の半分以下です。その差があることを、市が自分で書いています。

新しい地図から、冠水した場所の表示が消えました

令和8年3月の改定で、前の版にあった表示が1つ落ちました。Q&Aの8問目が、そのまま読者の疑問になっています。「前回表示されていた過去に冠水した場所及び地形的に浸水しやすい箇所の表示がなくなったのはなぜか?」

答えは「通報があったものやパトロール時に確認されたものの記録であり、冠水箇所全てを表示できないため、掲載しておりません」。7問目にも「過去の浸水実績は反映しておりません」とあります。

想定の地図と、実際に浸かった記録は別のページに分かれています
想定の地図と、実際に浸かった記録は別のページに分かれています

実際に浸かった場所は、別のページにあります。危機管理防災課の「市内の浸水履歴(道路冠水)について」に、日付ごとのPDFが並んでいます。説明は「平成17年からの豪雨などによる道路冠水被害の状況です」。いちばん新しい記録は令和6年(2024年)7月31日でした。

同じ記録を1枚の地図にしたものが「いいとだマップ」の浸水歴です。これから浸かるかもしれない場所と、実際に浸かった場所は、別々のページを開かないと見られません。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。



この地図は、水防法に基づいていません

Q&Aの最後の問いは「水防法に基づく内水ハザードマップか?」。答えは「平成27年に改正された水防法に準拠し、想定最大規模の降雨を対象に作成しておりますが、浸水想定区域を指定していないため、水防法に基づく内水ハザードマップではありません」。

区域の指定をしていないから、法律に基づく地図にはならない。理由まで書いてあります。

そのうえで市は、地図のページにこう添えています。「宅地及び建物の取引の際には、当ハザードマップを提示していただき、取引の相手方が当該宅地及び建物の水害リスクの把握や避難行動等に役立てられるよう情報提供をお願いいたします。」

市の一覧ページの名前も「宅地建物取引業法施行規則に係る水害ハザードマップの作成状況について」です。そこでは荒川などの洪水の地図が水防法に基づくものとして並び、内水だけが「基づかない」と書かれています。

同じ「内水ハザードマップ」でも、根拠の法律があるものと無いものがあります
同じ「内水ハザードマップ」でも、根拠の法律があるものと無いものがあります

取引のときに必ず出てくるのは洪水の地図です。1メートル以上の想定がある地図のほうは、自分で開きにいくことになります。

大雨の夜に見るのは、国道事務所のカメラです

埼玉県は、県が管理する道路のアンダーパス部について「冠水要注意箇所」を13か所公表しています。蓮田市、富士見市、所沢市、川口市、和光市などが並び、戸田市は入っていません。3か所が国道2つと市道1つで、県が管理する道路ではないからです。

見る場所が無いわけではありません。大宮国道事務所の「道路のライブカメラ」は12地区あり、その5番目が「一般国道17号 戸田市美女木・笹目地区」。戸田地下道と美女木地下道があるのが、この地区です。

市からの知らせは、広報戸田市 令和5年9月号によるとX(エックス)、LINE(ライン)、いいとだメール、防災ラジオの4つです。

道路そのものを聞く先は、国管理の国道4号・16号・17号なら大宮国道事務所 管理第二課(048-669-1208)、市町村道なら各市町村の担当課だと、国の資料が切り分けを書いています。

水に入ってしまった車から出るまで

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

3か所とも、ほかの道や線路と立体交差する、下をくぐる側の道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが、くぐる道の怖いところです。

国土交通省はこう書いています。「冠水箇所に車を進入させると、エンジンが停止し動けなくなる恐れがあります」。側溝やマンホールの蓋が外れていることもある、とも書いています。水の中では、道の形そのものが見えません。

JAF(ジャフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓で、フロントガラスは合わせガラスなので脱出用ハンマーでも割れません。

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車が動かなくなったら110番と119番へ。ドアの高さの半分を超えると、内側からはほぼ開けられません。外に出られないときは、無理に移動せず高いところで待ってください。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。

この記事のまとめ

戸田市で道路が冠水しやすい場所は3か所。美女木地下道と戸田地下道が国道17号新大宮バイパス、美女木東地下道が市道で、警察は3か所とも蕨警察署です。標高は戸田地下道の周辺(笹目一丁目)の4.0メートルから大字美女木の5.1メートルで、どれも市内では高いほうの町にあります。いちばん低い0.5メートルの3つの町には、1か所もありません。

市内64町丁目の高さの幅は4.6メートル。市が「坂道がなく、平坦な道ばかり」と書く土地で、深くなるのは面ではなく穴のほうでした。市の地図で1.0メートル以上になるのも、主にアンダーパスと笹目・美女木・新曽です。地図の想定は1時間153ミリ、対策施設の前提は71.5ミリ。水防法には基づかず、過去に冠水した場所の表示も令和8年3月の改定で消えました。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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