白岡市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は11か所です。埼玉県245か所のうち、県内で9番目に多い市です。
市は自分の防災計画で、標高10メートル以上の土地を「白岡台地」と呼んでいます。11か所の住所を標高の資料に当てると、7か所がその10メートルに届いていませんでした。
この記事でわかること
- ✓ 11か所のうち9か所が東北自動車道のボックスカルバート。11か所とも市道です
- ✓ 9か所のうち7か所に「岩槻24」「岩槻43」と、隣のさいたま市岩槻区の番号が付いています
- ✓ 市は防災計画に「ほぼ毎年、道路のアンダーパス部において冠水被害が発生している」と書いています
箇所の数・種別・名称は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」埼玉県245か所と箇所ごとの説明表から数えました。標高は国土地理院の標高データで、説明表の住所の代表点を引いた値です。浸水の記録と「白岡台地」の線引きは白岡市地域防災計画、内水の資料は白岡市「大雨等による浸水(内水)実績区域について」、電光掲示板と監視カメラの箇所数は埼玉県のページからです。
9か所が東北自動車道の下です

内訳は、東北自動車道の下が9か所、JR宇都宮線の下が1か所、県道さいたま栗橋線の下が1か所です。JR宇都宮線の1か所は新白岡九丁目の野高地下道、県道の1か所は篠津にあります。
種別の欄は、11行とも同じ文字でした。11か所とも市道で、国道も県道も1つも入っていません。
ボックスカルバートは、箱の形に作った構造物のことです。高速道路は土を盛った上を通るので、その下をくぐる道は掘り下げられます。掘り下げた分だけ、雨水が集まる箱になります。
9か所のうち2か所には、番号ではなく名前が付いています。野牛の「野牛トンネル」と、高岩の「高岩トンネル」。山を抜いた穴ではなく、高速道路の下の箱です。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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白岡市なのに、番号は「岩槻」です

東北自動車道の9か所の名前を並べると、7か所に同じ言葉が入っています。岩槻24、岩槻27、岩槻29、岩槻31、岩槻33、岩槻40、岩槻43。
岩槻は隣のさいたま市の区の名前です。高速道路の側で振った通し番号なので、市の境で番号が切り替わりません。白岡市の中にある箱に、隣の市の区の名前が付いています。
同じことが加須市でも起きていて、市内の6か所に「久喜」の番号が付いています。番号は道路を管理する側の都合で並んでいて、住んでいる人の地名とは別の体系です。
番号は24から43まで飛び飛びです。通し番号の途中だけが冠水注意箇所に挙がっている、という読み方になります。
市が「台地」と呼ぶ高さに、7か所が届きません

白岡市の地域防災計画に、市の地形を説明した一節があります。「台地は、大宮台地の一部をなす白岡台地と呼ばれ、その範囲はおおよそ標高10m以上の地域に一致する」。市が自分で、標高10メートルに線を引いています。
11か所の住所を標高データに当てると、いちばん高いのが小久喜の10.9メートル、いちばん低いのが寺塚の7.9メートルでした。10メートルに届かないのが7か所あります。
台地の側に入るのは小久喜の2か所と篠津の2か所だけ。高岩9.8メートル、千駄野9.6メートル、野牛9.0メートル、新白岡九丁目8.8メートル、寺塚7.9メートルは、市が台地と呼ぶ高さの外側です。
上と下の差は3.0メートルしかありません。このシリーズで測った市のうち、加須市の2.5メートルに次いで狭い幅です。高いところへ上がって逃げる、という手が使えません。
「ほぼ毎年、アンダーパスで冠水」と市が書いています

地域防災計画の風水害対策編に、市の水害をまとめた一文があります。「過去5年間の市の風水害の主な発生形態は内水氾濫であり、ほぼ毎年、道路のアンダーパス部において冠水被害が発生している」。
同じ計画に、平成19年から令和3年までの被害を並べた表があります。17回分のうち9回に「アンダーパス冠水」と書かれています。「道路冠水」まで入れると12回です。
アンダーパスの冠水がいちばん多かったのは、平成21年8月7日と、令和元年10月11〜13日の台風19号で、どちらも10箇所です。計画書は「堤防決壊による外水氾濫は発生しておらず」とも書いています。
令和元年の降り方を見ると、12日の時間最大雨量は33.0ミリでした。表のなかで時間最大雨量がいちばん大きいのは平成21年8月7日の73.5ミリで、飛び抜けた雨ではありません。効いたのは積算のほうで、12日だけで229.5ミリ。道路冠水12箇所、アンダーパス冠水10箇所、川が1本あふれました。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
内水の地図はなく、記録は令和3年で止まっています
白岡市に、雨水出水(内水)の浸水想定区域図はありません。水防法第14条の2に基づく指定をしていないからです。
市が出しているのは「大雨等による浸水(内水)実績区域」です。これから浸かるかもしれない場所ではなく、実際に浸かった場所の記録で、冠水履歴図という形で6本のPDFが載っています。
並びは、平成20〜23年、平成25〜29年、令和元年〜3年。平成24年が1年分そっくり抜けていて、いちばん新しいのが令和3年です。ページの更新日も2023年1月31日のままです。
洪水のほうは水防法第14条に基づく区域が指定されていますが、対象は利根川・小山川・荒川の3河川です。市内を流れる1級河川は7本ありますが、指定に入っているものは1本もありません。

電光掲示板も監視カメラも、ここには付いていません
埼玉県は「アンダーパス部における冠水要注意箇所」のページにこう書いています。「冠水状況を知らせる道路冠水情報提供装置(電光掲示板)や監視カメラを整備しています」。
対象は県が管理する道路の13箇所です。白岡市の11か所は、ここに1つも入っていません。11か所とも市道だからです。
市の側はどうか。白岡市安心安全メールの配信区分は、防災情報、防犯情報、健康に関する注意喚起など。「道路冠水」という区分はありません。
防災行政無線で何を放送したかは、フリーダイヤル0120-055-757であとから聞けます。放送から24時間で聞けなくなります。
毎年冠水すると市が自分で書いている場所に、冠水を知らせる装置は付いていない。大雨の夜にその道へ入るかどうかは、運転している人が自分で決めることになります。
水に入ってしまった車から出るまで

11か所とも、何かの下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが怖いところです。
JAF(ジャフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓で、フロントガラスは合わせガラスなので脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。ドアの高さの半分を超えると、内側からはほぼ開けられません。外に出られないときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 加須市 冠水 どこが危ないの?(埼玉県) 24か所のうち22か所が東北自動車道の下。10組が上り側と下り側のペアです
- 久喜市 冠水 どこが危ないの?(埼玉県) 17か所とも市道で、8か所が東北自動車道の下。内水の地図は公開されていません
- さいたま市 冠水 どこが危ないの?(埼玉県) 国が数えた41か所は岩槻区13、浦和区は0
- 所沢市 冠水 どこが危ないの?(埼玉県) 7か所のうち6か所が鉄道の下。3つの路線に2か所ずつです
- 栃木市 冠水 どこが危ないの?(栃木県) 16か所のうち10か所が東北自動車道の下。市道の番号の頭文字が合併前の町です
この記事のまとめ
白岡市で道路が冠水しやすい場所は11か所で、埼玉県245か所のうち県内9番目です。11か所とも市道で、国道も県道もありません。9か所が東北自動車道のボックスカルバートで、そのうち7か所に隣のさいたま市岩槻区の名前をとった番号が付いています。
標高は寺塚の7.9メートルから小久喜の10.9メートルまでで、差は3.0メートル。市が「白岡台地」と呼ぶ標高10メートルに、7か所が届いていません。市は防災計画で、ほぼ毎年アンダーパス部で冠水が起きていると書いていますが、冠水履歴図は令和3年で止まっています。県の電光掲示板と監視カメラの対象13箇所にも、白岡市は入っていません。
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