秋田県で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は72か所です。そのうち33か所が大仙市にあります。県全体の46パーセントが、ひとつの市に集まっている計算です。
県庁所在地の秋田市は17か所ですから、その2倍近く。市の面積が広く、雄物川ぞいに鉄道と道路が何度も交差するためです。
この記事でわかること
- ✓ 秋田県72か所のうち33か所が大仙市。秋田市の2倍近くあります
- ✓ 国の一覧は地先名の欄が住所なので、名前は説明表を開かないと分かりません
- ✓ 市は交通量の多いところの壁に、50センチの黄色い線と100センチの赤い線を引いています
箇所の数・種別・名称・住所は国土交通省 東北地方整備局「道路冠水注意箇所」秋田県72か所と、箇所ごとの説明表33枚から数えました。呼び名の全国集計は47都道府県の一覧の地先名を自分でパースしたものです。位置図・排水の種類・壁のライン・危険度の目安は大仙市 建設部 道路河川課の公表ページ、ハザードマップは市の総合防災課のページです。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
秋田県の46パーセントが大仙市です

県内の内訳はこうです。大仙市33、秋田市17、にかほ市4、仙北市4、横手市3、大館市2、潟上市2、由利本荘市2、能代市1、三種町1。
大仙市の33か所のうち、32か所が市の道です。県の道は1か所だけで、協和船岡の一の渡地下道(主要地方道 秋田岩見船岡線)。国の道はありません。
住所で固まりを見ると、神宮寺に6か所、花館に4か所、協和に5か所、北楢岡に3か所、鴬野に4か所。市内のあちこちに散らばっています。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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一覧には、名前が書いてありません
大仙市の33行を開いて、まず戸惑います。ふつうは「◯◯地下道」「◯◯アンダーパス」が入る地先名の欄に、「大仙市花館字間倉」のような住所がそのまま入っているからです。
名前は、1か所ずつの説明表(PDF)を開くと出てきます。33枚を全部開いて拾うと、22か所に名前があり、11か所は名称の欄が空でした。
名前の内訳は、地下道が11、アンダーパスが7、そして函渠(かんきょ)が4です。函渠は水路やくぐり道に使う土木の言葉で、全国4,413か所の一覧の地先名では長野県2か所と愛知県5か所の計7回しか出てきません。

市の呼び名は「アンパス」です
大仙市は自分でもアンダーパスの位置図を作っていて、大曲・仙北、神岡、中仙、西仙北・協和の4枚に分かれています。そこに並ぶ名前を見ると、「川崎アンパス」「朝日町アンパス」「黒瀬アンパス」。アンダーパスではなく「アンパス」です。
しかも地域で割れています。大曲・仙北の13か所は13か所とも「アンパス」、神岡の9か所も9か所とも「アンパス」。ところが中仙の7か所は7か所とも「地下道」。西仙北・協和はアンパス5と歩道の地下道1です。合わせるとアンパス27、地下道8。
大仙市は2005年に大曲市とまわりの町村が合併してできた市で、市のハザードマップも大曲・神岡・西仙北・中仙・協和・南外・仙北・太田の8地域に分かれています。呼び名の線は、その境目に沿って引かれています。
35か所のうち25か所にポンプがあります

市の位置図には、1か所ずつ「排水:常設ポンプ」または「排水:自然排水」と書いてあります。4枚を合わせて数えると、載っているのは35か所。国の一覧の市道32か所より3つ多い数です。
そのうち常設ポンプが25か所、自然排水が10か所。地域別に見ると、中仙の7か所は7か所とも常設ポンプ、神岡は9か所のうち7か所、大曲・仙北は13か所のうち8か所、西仙北・協和は6か所のうち3か所です。
自然排水というのは、ポンプを使わず低いほうへ流れるのにまかせる形です。市は「一部に排水ポンプを設置して雨天時の排水を行っていますが、排水能力を上回る降水があった場合、やむを得ず通行を止めることがあります」と書いています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
壁に黄色い線と赤い線が引いてあります

大仙市の資料でいちばん実用的なのが、ここです。
「交通量の多いアンダーパスには最も低い位置からの高さを表すラインを引いています」。50センチが黄色いライン、100センチが赤いライン。壁を見れば、いま水がどこまで来ているかが分かるようにしてあります。
理由も添えられています。「手前があまり浸水していないように見えても奥では通行が困難な状態になっていることも考えられます」。入口から見た水面は平らでも、底はいちばん奥が低い。その差を壁の線で見せるという考え方です。
市はもうひとつ、浸水の深さと車の関係を表にして出しています。0から10センチは走行に問題なし。10から30センチでブレーキ性能が落ち、マフラーが水没して排気できない場合は二酸化炭素が車内に充満する危険がある。30から50センチでエンジンが止まり、車内と車外の水位が違うとドアが開かなくなる。そして50センチを超えると、車内の空気で車体が浮いて傾き、制御できなくなる。
水に入ってしまった車から出るまで

33か所とも、くぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが怖いところです。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
標高でいうと、33か所とも16.7メートル以上です。いちばん低いのが刈和野字愛宕下の16.7メートル、いちばん高いのが協和船岡の163.2メートル。大曲のまわりは22から29メートル、鴬野や長野は36から53メートル、協和は56メートル以上と、地域ごとに段が違います。高い土地でも、くぐる道の底は低いところになります。
車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 秋田市 冠水 どこが危ないの?(秋田県) 市が名指しする地下道は17か所と、映像で見られる6か所
- 盛岡市 冠水 どこが危ないの?(岩手県) 県内80か所のうち、国が管理する道は2か所だけです
- 山形市 冠水 どこが危ないの?(山形県) 15か所は市の一覧と1つ残らず同じでした
- 大崎市 冠水 どこが危ないの?(宮城県) 県内32か所で最多の7か所。その32か所に仙台市は1つも入っていません
- 青森市 冠水 どこが危ないの?(青森県) 14か所のうち13か所が市道、法定の内水地図はまだありません
この記事のまとめ
大仙市で道路が冠水しやすい場所は33か所で、秋田県72か所の46パーセントにあたります。秋田市17か所の2倍近い数です。33か所のうち32か所が市の道で、県の道は協和船岡の一の渡地下道だけ。国の一覧は地先名の欄が住所になっているので、名前は説明表を開かないと分かりません。22か所に名前があり、11か所は空欄でした。
市が作った位置図には35か所が載っていて、呼び名は「アンパス」。ただし中仙地域だけは7か所とも「地下道」です。35か所のうち25か所に常設ポンプ、10か所は自然排水。交通量の多いところには壁に50センチの黄色いラインと100センチの赤いラインが引いてあります。標高は33か所とも16.7メートル以上です。
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