国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、青森県内に65か所。そのうち青森市が14か所で、県内では最多です。
ただし、青森県のリストにはほかの県と違うところがありました。道路の種別を数えると、県道30に対して市道は20。県道のほうが多いのです。道路の種別まで数えた県のなかで、県道が市道を上回ったのは青森県だけでした。
そしてもう1つ。青森市の内水(雨水があふれる浸水)の地図は、水防法に基づくものがまだありません。市が「令和8年度中に作成予定」と書いている段階です。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は青森県65か所、うち青森市は14か所で県内最多
- ✓ 県全体の種別は県道30・市道20・国道9・町道6。国と県の道が60%を占める
- ✓ 青森市の内水は令和8年3月30日に区域を指定したところ。法に基づく地図は作成予定の段階
箇所数は国土交通省 東北地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【青森県】」を1行ずつ数えたものです。表の最後に中身が全部空の行が1つ入っているので、行数で数えると66になります。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
青森県65か所のうち、青森市が14か所

| 市町村 | 箇所数 |
|---|---|
| 青森市 | 14 |
| 南部町 | 11 |
| 八戸市 | 10 |
| むつ市 | 9 |
| 東北町 | 6 |
| 弘前市 | 3 |
| 黒石市・五所川原市・中泊町・十和田市・七戸町・六戸町 | 各2 |
12市町村で65か所。八戸市やむつ市を抜いて、南部町が11か所で2位に入っています。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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県道が市道より多いのは、青森県だけ

ほかの県のリストを数えると、いちばん多いのはたいてい市道です。岡山県は市道58に対して県道20、香川県は市道30に対して県道8、佐賀県は市道26に対して県道9。
青森県は県道30・市道20・国道9・町道6でした。国と県が管理する道が39か所で、全体の60%を占めます。
管理番号の付け方にもそれが出ています。200番台が国道と県道、400番台が市道と町道。誰が管理する道かで番号の帯が分かれています。
読者
県道が多いと、何が違いますか
連絡先が変わります。冠水を見つけたときに電話する先が、市役所ではなく県の県民局や道路事務所になる。自分がよく通る道が県道なのか市道なのかを知っておくと、いざというときに迷いません
青森市の14か所は、13か所が市道
| 種別・路線名 | 場所 |
|---|---|
| 県道 清水川滝沢野内線 | 大字野内 |
| 市道 浅虫9号線 | 大字浅虫字蛍谷 |
| 市道 矢田前57号線 | 大字矢田前字本泉 |
| 市道 小柳105号線 | 自由ヶ丘1丁目 |
| 市道 古館31号線 | 松森3丁目 |
| 市道 旭町大通り線 | 旭町1丁目 |
| 市道 西滝15号線 | 西滝1丁目 |
| 市道 三好岡部線 | 大字石江字岡部 |
| 市道 森林軌道廃線通り線 | 大字油川字岡田/大字油川字柳川(2か所) |
| 市道 油川91号線 | 大字油川字船岡 |
| 市道 淋城1号線・淋城2号線 | 浪岡字淋城(2か所) |
| 市道 稲本7号線 | 女鹿沢字稲本 |
県道は野内の1か所だけで、残る13か所は市道です。油川に3か所、浪岡地区(淋城・女鹿沢)に3か所がまとまっています。
路線名で目を引くのが「森林軌道廃線通り線」。その線上に2か所あります。
「青森市 横内 冠水」と検索する人がいますが、横内はこの14か所には入っていません。国のリストに無いことと、そこが安全であることは別の話です。

海ぞいの5か所が標高4メートル未満

14か所の住所を国土地理院の標高データで引きました。同じ地名が重なるので、住所としては11になります。
いちばん低いのは野内の1.6メートル。浅虫の蛍谷2.7メートル、西滝1丁目3.1メートル、旭町1丁目3.4メートル、油川3.6メートル。陸奥湾に面した5か所が4メートルを切っています。
いっぽう内陸の浪岡地区は、女鹿沢24.3メートル、浪岡25.0メートル。幅は23.4メートルでした。

「浅虫」だけで住所検索をすると182.5メートルという値が返ってきます。山側の代表点を拾うためで、「浅虫字蛍谷」まで入れて引き直すと2.7メートルになります。町名だけで調べると答えが変わってしまう例です。
リストと、リンク先のPDFが食い違っている
ここは注意して読んでいただきたいところです。
この一覧には、1か所ずつ説明表のPDFへのリンクが付いています。65件ぶんを全部開いて、一覧に書かれた市町村名とPDFに書かれた住所を突き合わせました。13件が食い違っていました。
| 管理番号 | 一覧の市町村 | PDFに書かれた住所 |
|---|---|---|
| 青森県-02-411 | 青森市(浪岡字淋城) | 弘前市 駅前一丁目 |
| 青森県-02-412 | 青森市(浪岡字淋城) | 八戸市 大字田面木 |
| 青森県-02-413 | 青森市(女鹿沢字稲本) | 八戸市 大字尻内町 |
| 青森県-02-414 | 弘前市 | 八戸市 大字大久保 |
| 青森県-02-425・426 | 東北町 | 青森市浪岡 大字浪岡/大字杉沢 |
並べてみると規則性があります。一覧の「414番の地先名」が、PDFでは「411番の住所」になっている。3つか4つぶん、番号がずれているのです。
どちらが新しいのかは、資料からは判断できませんでした。そこでこの記事の数字は、すべて一覧(表のほう)から数えています。説明表の住所や管理者は使っていません。
リンクそのものは正しく張られています(411の行から開くと411番のPDFが出ます)。ずれているのは中身のほうです。リンク先を見て「うちの町じゃない」と思っても、リンクが壊れているわけではありません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
法律に基づく内水の地図は、まだ無い
青森市の内水ハザードマップのページに、こう書かれています。
令和8年3月30日に付けで「青森市雨水出水浸水想定区域」を指定しました
水防法に基づく内水ハザードマップは、「青森市雨水出水浸水想定区域図」を元に令和8年度中に作成予定です
つまり、区域の指定は終わったが、地図はこれからという段階です。今ページに載っているのは平成30年6月から公表されている「青森市内水ハザードマップ(浸水等実績マップ)」で、そこにはこう注記があります。
※水防法に基づく内水ハザードマップではありません
中身は、平成19年度と平成22年度に実際に浸水した箇所を地図に落としたものです。想定ではなく記録なので、それはそれで役に立ちます。ただ「この2年度に浸かっていない=今後も浸からない」ではありません。
ちなみに同じ「内水の地図」でも、市によって法律上の扱いがまるで違います。和歌山市のものは水防法第15条第3項に基づくハザードマップなので、家を買うときに宅地建物取引業者が重要事項説明で触れなければなりません。大分市のものは第14条の2の区域図で、市が「重要事項説明の対象項目ではありません」と明記しています。青森市はそのどちらでもなく、これから作る段階です。
この住所は浸水しやすい場所ですか
青森市の場合、洪水・土砂・高潮・津波・ため池と地図が分かれていて、内水はこれから作るところです。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。
住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

冠水しやすい場所に共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方が県によって違うので、出てくる答えも変わります。
- 岡山市 冠水 どこが危ないの? 国の位置図は25か所です
- 高松市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は22か所です
- 新潟市 冠水 どこが危ないの? 288か所のうち、市が人を張り付けているのは31か所
- 金沢市 冠水 どこが危ないの? 市が「1メートル以上つかる」と書いた道が13か所あります
この記事のまとめ
青森市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは14か所。うち13か所が市道で、油川に3か所、浪岡地区に3か所がまとまっています。陸奥湾に面した5か所は標高4メートル未満でした。県全体で見ると県道30・市道20と県道のほうが多く、種別まで数えた県のなかでは青森県だけの形でした。
そして青森市の内水の地図は、いま切り替えの途中です。令和8年3月30日に区域を指定し、法律に基づく地図は令和8年度中に作成予定。今あるのは平成19年度と22年度の浸水実績マップなので、そちらを先に見てください。
公式出典
- 国土交通省「道路防災情報Webマップ」(全国ポータル)
- 国土交通省 東北地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【青森県】」
- 同 個別箇所説明表 青森県-02-201/401〜413 ほか65件
- 青森市「青森市内水ハザードマップ」「青森市浸水等実績マップ」
- 和歌山市「内水ハザードマップ」・大分市「内水浸水想定区域図」(法律上の扱いの比較として)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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