松阪市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は27か所です。三重県でいちばん多い市です。
この27か所には、ほかの市ではまず見ない並びがあります。同じ名前の地下道が、1号から8号まで続いています。国道42号バイパスの下です。
この記事でわかること
- ✓ 国道42号バイパスの下に、地下道が1号から8号まで8つ並んでいます
- ✓ 6か所は「未認定道路」、1か所は「農道」。市道でも県道でもない道が7か所あります
- ✓ 重要事項説明の対象に指定されているのは、近鉄伊勢中川駅の周辺だけです
箇所の数・種別・住所は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所」三重県239か所と、箇所ごとの説明表27枚から数えました。内水の地図と重要事項説明の扱いは松阪市 上下水道部 下水道建設課のページです。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
国道42号バイパスの下に、地下道が8つ並んでいます

27か所を「何の下をくぐるか」で分けると、いちばん多いのが国道42号バイパスの下で8か所。管理番号も063から070まで続き番号になっていて、名前も「国道42号バイパス地下道BOX(ボックス)1」から「8」まで並びます。
住所を並べると、古井町、西野々町が2つ、佐久米町が2つ、朝田町が2つ、上川町。1本のバイパスの下を、8本の道が横切っているということです。バイパスを作るときに分断された道を、下でつなぎ直した形が8つ残っています。
国道23号の下にも3つあります。地下道BOXが2つと、アンダーパスが1つ。国道の下をくぐる箇所は、合わせて11か所です。27か所の4割にあたります。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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市道でも県道でもない道が、7か所あります
| 道路の区分 | 箇所数 | おもな場所 |
|---|---|---|
| 市道 | 10 | 松ヶ島町・古井町・朝田町・上川町・笠松町ほか |
| 県道 | 9 | 嬉野中川町・鎌田町・古井町・山室町・船江町ほか |
| 未認定道路 | 6 | 新松ヶ島町・西野々町2か所・佐久米町2か所・朝田町 |
| 国道 | 1 | 飯南町横野(国道166号) |
| 農道 | 1 | 大平尾町(1号地下道) |
区分は一覧の表記そのままです。合計27か所。
目を引くのが「未認定道路」の6か所です。市道として認定されていない道、という意味で、一覧の区分の欄には道の種類ではなく記号だけが入っています。そのうち5か所が、国道42号バイパスの地下道です。
さらに1か所は「農道」。田んぼや畑へ行くための道が、国の冠水注意箇所に載っています。この連載で農道が出てきたのは松阪市がはじめてです。
これが効いてくるのは、困ったときにどこへ連絡するかです。市道なら市、県道なら県。未認定道路と農道は、その手前でどちらか分からなくなります。説明表では市が連絡先になっていますが、市の側の電話番号も部署ごとに3つに分かれています。
標高は0.3メートルから213.4メートルまでひらきます

27か所の住所を国土地理院の標高データに通すと、いちばん低いのが新松ヶ島町の0.3メートルでした。国道23号の地下道BOXがある場所です。次が曽原町の0.4メートル、古井町の0.8メートル。
いちばん高いのは飯南町横野の213.4メートル。国道166号の飯南郵便局の近くです。その次が飯南町向粥見の138.4メートル。差は213メートル。この連載では京都市に次いで2番目の広さです。
理由は市の形にあります。松阪市は2005年に飯南町・飯高町と一緒になり、伊勢湾のそばから奥山までが1つの市になりました。海のそばの0.3メートルと、山の中の213.4メートルが、同じ一覧に並びます。
数でいえば低いほうが圧倒的です。10メートル以下が22か所、そのうち3メートル以下が15か所。松阪市の冠水注意箇所は、ほとんどが平らな低い土地に集まっています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
重要事項説明の対象は、駅の周りだけです

松阪市には内水ハザードマップがあります。本庁管内と嬉野管内の2セットで、それぞれ地図面と情報面があります。
そのページに、家を買う人・借りる人に直接かかわる一文が載っています。「水防法第14条の2第2項の規定に基づく雨水出水浸水想定区域は重要事項説明の対象区域となっており、近鉄伊勢中川駅周辺がその区域に指定されています」。
読み方は2つあります。1つは、松阪市にも法律に基づく区域があるということ。もう1つは、その区域が市内で駅の周りだけだということです。国が数えた27か所のうち、その区域にあるのは嬉野の近鉄アンダーパスのあたりで、残りは対象の区域の外にあります。
区域の外なら安全か、というとそうではありません。市は「マップ内の未着色部、及び、グレーハッチ部において浸水リスクがないことを示すものではありません」と書いています。色が付いていないのは、計算の対象になっていないだけ、という意味です。
市の地図が見ていないもの
松阪市は、内水の地図の限界も3つ並べて書いています。順に見ると、この地図の使い方が決まります。
1つ目が、未着色部とグレーの部分に浸水リスクがないとは限らないこと。2つ目が、洪水(川の破堤または越水)・津波・高潮による浸水を考えていないこと。3つ目が、想定される最大規模を超える雨が降った場合を考えていないことです。
松阪市は伊勢湾に面していて、市内を川が流れています。つまりこの地図に、川があふれる話も海から来る話も入っていません。川の地図、津波の地図、高潮の地図をそれぞれ別に見る必要があります。1枚で全部が分かる地図は、市も作っていません。
水に入ってしまった車から出るまで


松阪市の27か所のうち、地下道やアンダーパスと名の付く場所が19あります。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが怖いところです。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 津市 冠水 どこが危ないの?(三重県) 県内2番目の22か所がある市です
- 四日市市 冠水 どこが危ないの?(三重県) 内水の地図が2025年10月31日から重要事項説明の対象になりました
- 桑名市 冠水 どこが危ないの?(三重県) 堤防を横切る道が3か所ある市です
- 豊橋市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 19か所のうち3か所が霞堤です
- 大垣市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は17か所です(岐阜県)
この記事のまとめ
松阪市で道路が冠水しやすい場所は27か所で、三重県内でいちばん多い市です。国道42号バイパスの下に地下道が1号から8号まで8つ並び、国道23号の下にも3つ。国道の下をくぐる箇所だけで11か所あります。道路の区分では市道10、県道9のほかに、未認定道路が6か所、農道が1か所入っています。
標高は新松ヶ島町の0.3メートルから飯南町横野の213.4メートルまで、差は213メートル。10メートル以下が22か所で、低い土地に集まっています。市の内水ハザードマップのうち水防法に基づいて指定されているのは近鉄伊勢中川駅の周辺だけで、そこが重要事項説明の対象です。地図には洪水・津波・高潮は含まれていません。
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