長岡市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は48か所です。
1か所ずつ説明表を開いて、同じ欄ばかり見ていました。「1m以上の冠水の有無」。有、有、有、有。この欄が埋まっている38か所のうち、30か所が「有」でした。
この記事でわかること
- ✓ 48か所のうち、市と県の38か所には「1メートル以上つかるか」が書いてあり、30か所が「有」です
- ✓ 市道17か所は、冠水の原因が「強雨、ポンプ故障等」。ポンプが止まると水がたまる道です
- ✓ 市の内水ハザードマップは東新町地区だけ。水防法に基づく地図の公表は令和9年3月の予定です
箇所の数・種別・住所は国土交通省 北陸地方整備局「道路冠水注意箇所」新潟県471か所と、箇所ごとの説明表48枚から自分で数えました。地区の整備内容と補助制度は長岡市下水道課のページです。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
38か所のうち30か所が「1メートル以上つかる」

新潟県の説明表には、ほかの県には無い欄があります。「冠水範囲」「冠水原因」「1m以上の冠水の有無」「排水ポンプの有無」。1か所ごとに、どこまで水が来るのかが書かれています。
48か所のうち、この欄が埋まっているのは38か所。空欄の10か所は国が管理する国道8号・17号・116号で、国の様式には欄そのものがありません。
埋まっている38か所を数えると、「1m以上の冠水の有無」が「有」なのは30か所。「無」は8か所だけです。そして「有」の30か所のうち28か所には、排水ポンプが付いています。
いちばん目を引いたのが、市道の17か所です。冠水範囲はどれも「アンダー内」、冠水原因はどれも同じ一文でした。「強雨、ポンプ故障等」。ポンプが動いていることを前提にして、はじめて通れる道が17本あるということになります。
そのなかには、長岡駅前の大手通1丁目から2丁目にかけての地下駐車場も入っています。国道351号と主要地方道長岡停車場線の下。ここも「1m以上の冠水 有」「排水ポンプ 有」で、注意喚起の方法は「注意看板」、通行止めの判断は駐車場の運営管理受託者と書かれていました。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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48か所の内訳は、市道27・国道14・県道7

新潟県の一覧を数えると471か所。いちばん多いのが新潟市の235か所で、長岡市の48か所は県内2位です。
区分は市道27か所、国道14か所、県道7か所。国道の内訳は8号が6か所、116号が3か所、404号が2か所、17号・351号・352号が1か所ずつです。市内を南北に抜ける国道8号に、ボックスや地下歩道が並んでいます。
| 管理番号 | 区分 | 場所 | 標高 | 1m以上 | ポンプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 新潟県-02-068 | 国道351号ほか | 大手通1〜2丁目 地下駐車場 | 21.5m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-069 | 国道352号 | 旭町2丁目〜弓町2丁目 | 21.5m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-093 | 県道長岡インター線 | 南七日町〜石動南町 地下歩道 | 23.0m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-097 | 県道滝谷三和線 | 沢田1丁目〜宮内5丁目 地下歩道 | 24.1m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-138 | 市道新組90号線 | 北陽1丁目94-4 | 16.7m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-157 | 市道中之島808号線 | 中之島 北陸道ランプと国道本線の下 | 15.0m | 有 | 有 |
| 新潟県-02-163 | 市道栃尾楡原3号線ほか | 楡原1490-1 河川と県道に囲まれた低地 | 45.1m | 有 | 無 |
30か所のうち7つを抜き出しました。標高が45メートルあっても「1メートル以上」と書かれる場所があります。
警察署の欄は3つに割れます。長岡警察署が40か所、見附警察署が5か所、与板警察署が3か所。合併で広くなった市域が、そのまま欄に出ています。
1か所だけ、住所の書き方が気になりました。国道8号の今町4丁目交差点は、一覧では長岡市の箇所として並んでいますが、説明表の地先名は「見附市今町4丁目」。市の境をまたぐ交差点です。自分の住所で探すときは、隣の市の欄も見たほうがいいということでもあります。
標高は12.5メートルから113メートルまで

48か所の標高を引くと、いちばん低いのが寺泊北曽根の12.5メートル、いちばん高いのが国道404号の西谷で113.2メートルでした。100メートルの開きがあります。
信濃川沿いの市街地は20メートル前後に固まっています。大手通1丁目が21.5メートル、旭町2丁目が21.5メートル、愛宕3丁目が20.1メートル。海から遠いぶん標高はありますが、それは「水が来ない」という意味ではありません。まわりより低く掘り下げた箱があれば、標高が何メートルでも水はそこへ落ちます。
実際、「1メートル以上つかる」と書かれた30か所のうち、標高が45メートルを超える場所が4つあります。楡原の45.1メートル、巻渕4丁目の52.7メートル、朝日の55.0メートル、そして鷺巣町の63.8メートル。栃尾や越路の山あいでも、川と県道にはさまれた低地やアンダー部は同じように水がたまります。
長岡市の地図は、10地域に分かれています
長岡市の資料を読むときに、ひとつ手間があります。平成の合併で市域が大きく広がったので、市の地図が10地域に分かれています。長岡・越路・三島・山古志・小国・和島・寺泊・栃尾・与板・川口。土砂災害ハザードマップは、この10枚を選んで開く作りです。
国の一覧48か所も、同じようにちらばっています。路線名で数えると、中之島に4か所、越路に3か所、栃尾に2か所、寺泊に1か所。市の中心部だけを見て「うちの近くには無い」と決めると、合併前の町域にある箇所を見落とします。
警察署の欄が長岡・見附・与板の3つに割れていたのも、同じ理由です。通報する先も、地図の1枚も、住んでいる場所で変わります。まず自分の住所がどの地域に入るかを確かめてから、その地域の地図を開いてください。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
市の内水ハザードマップは、東新町地区の1枚だけです

長岡市の内水ハザードマップを探すと、出てくるのは1つだけでした。「東新町地区下水道浸水被害軽減総合計画」のなかにある、51.1ヘクタール分の地図です。
東新町地区(蔵王処理分区)は、集中豪雨で浸水被害が出たため整備を進めた区域です。雨水の整備水準は、整備前が3年に一度の雨(1時間30ミリ)、整備後が7年に一度の雨(1時間42ミリ)。東新町2・3丁目に1,773立方メートル、琴平2丁目に2,803立方メートルの地下貯留施設をつくりました。
効果の検証には、実際に浸水した平成23年7月30日の雨の記録を使っています。整備前と整備後を2枚並べて、水色の範囲がどれだけ減るかを見せる作りです。
そして市は、この地図に注記を付けています。「この内水ハザードマップは、水防法に基づく雨水出水浸水想定区域図によるものではありません」。つまり、不動産取引の重要事項説明の対象ではありません。
同じページに「想定区域図に基づく内水ハザードマップの公表は、令和9年3月を予定しております」とも書かれています。長岡市の内水の地図は、いま作っている途中です。同じ新潟県でも上越市はすでに水防法に基づく内水ハザードマップを公開していて、こちらは重要事項説明の対象です。
防水板の設置費用が、半額・上限75万円で戻ります
長岡市には、家や店の浸水を防ぐ設備への補助があります。防水板は設置費用の半額で上限75万円、雨水タンクは半額で上限2万円。対象は市内に建物を所有・使用している人と事業者です。
同じ連載で調べた市と並べると、千葉県我孫子市が上限30万円、三重県四日市市が上限50万円。長岡市はそれより大きい額です。
気をつけたいのは順番です。申請して、交付決定通知書を受け取ってから発注する。通知が届く前に買ったり工事を始めたりすると、補助の対象になりません。受付期間も決まっていて、令和8年度は4月20日から10月30日までです。
もし車で水に入ってしまったら

「1メートル以上」と書かれた30か所は、ほとんどが線路や国道の下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。しかもポンプが動いている前提の道なので、停電やポンプの故障が重なった日は、いつもと違う深さになります。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 上越市 冠水 どこが危ないの?(新潟県) 同じ欄を読むと、34か所のうち「1メートル以上」は5か所でした
- 新潟市 冠水 どこが危ないの? 288か所のうち、市が人を張り付けているのは31か所(新潟県)
- 金沢市 冠水 どこが危ないの? 市が「1メートル以上つかる」と書いた道が13か所あります(石川県)
- 福井市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は38か所です(福井県)
- 上田市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは7か所です(長野県)
この記事のまとめ
長岡市で道路が冠水しやすい場所は48か所。市道27・国道14・県道7で、県内では新潟市に次ぐ2番目の多さです。説明表の「1m以上の冠水の有無」は、欄がある38か所のうち30か所が「有」。市道17か所は原因が「強雨、ポンプ故障等」と書かれていて、ポンプが止まれば水がたまる道です。
市の内水ハザードマップは東新町地区の1枚だけで、水防法に基づくものではありません。水防法に基づく地図の公表は令和9年3月の予定です。いっぽうで防水板の設置には半額・上限75万円の補助があります。申し込みは必ず工事の前です。
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