国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、栃木県内に111か所。そのうち足利市は8か所です。
この8か所を並べてみると、5つの名前に同じ言葉が入っていました。「地下道」です。
栃木県の残り103か所を見ると、この言い方は出てきません。県内で「地下道」と呼ばれているのは、足利市のこの5か所だけでした。
この記事でわかること
- ✓ 国の一覧に載っている足利市の箇所は8か所。宇都宮20・栃木18・日光15・那須塩原11に次いで県内5番目
- ✓ 8か所のうち5か所の名前が「地下道」。栃木県で地下道と呼ばれているのは足利市のこれだけ
- ✓ 市の内水の地図が置いている雨は1時間153ミリ。足利で実際に降った最大は68.5ミリ
箇所数は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【栃木県】」(令和8年6月1日更新)を1行ずつ数えたものです。市町村名の出現数で数えて111か所でした。標高は国土地理院の標高APIで、説明表に書かれている町の代表点を引いています。
国の一覧に名前があるのは8か所です
| 路線 | 地先名(通称) | 種別 | 標高 |
|---|---|---|---|
| 市道 川崎町70号線 | 大久保町(大久保地下道) | 市道 | 23.7m |
| 市道 瑞穂野町12号線 | 瑞穂野町(瑞穂野地下道) | 市道 | 21.9m |
| 市道 あずま通り | 伊勢町一丁目(あずま地下道) | 市道 | 33.5m |
| 市道 大久保町87号線 | 迫間町(迫間地下道) | 市道 | 40.4m |
| 市道 鵤木町20号線 | 鵤木町(鵤木地下道) | 市道 | 27.0m |
| 一般国道293号 | 田中アンダー | 国道(県が管理) | 33.6m |
| 主要地方道 足利環状線 | 山川アンダー | 県道 | 27.8m |
| 市道 鹿島山下通り | 山前アンダー | 市道 | - |
「地下道」と名のつく5か所は、5つとも市道です。残る3つが「アンダー」で、こちらには国道と県道が1つずつ入っています。
山前アンダーだけ標高が空いているのは、住所が公表されていないからです。国の一覧は箇所ごとに「説明表」という1枚のPDFがついていて住所や管理者が書かれているのですが、山前アンダーにはその説明表がありません。県ごとのPDFには111か所、地図から1か所ずつ開けるWeb(ウェブ)マップには104か所という2つの出しかたがあって、山前アンダーは前者にしか入っていないからです。同じように取り残されている箇所が、県内に7つあります。
ほかの7か所の説明表も、住所は町の名前までで番地の欄は7か所とも空白でした。同じ様式の大阪府の説明表は「○○町2丁 43番地先」まで埋まっているので、書き方は県によって違うようです。管理者は市道の5か所が足利市道路河川課、警察は7か所とも足利警察署でした。
地図のほうの一覧には、岩舟町の2か所がまだ残っています。岩舟町は2010年に栃木市と合併しているので、地図側が古いまま止まっているとわかります。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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栃木県で「地下道」と呼ぶのは、この5か所だけです

国の一覧は「地先名又は通称名」という欄に、その場所の呼び名をそのまま載せています。栃木県の104か所ぶんを数えると、アンダー79、ガード18、地下道5、アンダーパス2。地下道の5つは、5つとも足利市です。
同じ日に調べた小山市の6か所は、6つとも「アンダー」で、番号まで振ってありました。呼び名は、その道を管理している人たちが普段使っている言葉がそのまま残ったもので、県の統一ルールではありません。
だから足利市の情報を探すときは、「アンダーパス」ではなく「地下道」で探したほうが早いことになります。
栃木県には、国が直接管理する道が1本もありません

111か所を種別で分けると、市道71、県道19、国道(県が管理)13、町道5、認定外道路3。国道は13か所ありますが、13か所とも「県が管理」と書かれています。直轄国道は1つもありません。
県によってかなり違います。茨城県は63か所の半分にあたる31か所が直轄国道で、国道6号だけで17か所。福島県23か所は逆に県道が21で、市町村道がゼロでした。
足利市の8か所も、田中アンダーと山川アンダーが栃木県、残る6か所が足利市。問い合わせ先が国になる場所は、足利市には1つもありません。
想定の153ミリは、足利で降った雨の2.2倍です
足利市は令和8年5月20日に、雨水出水浸水想定区域図を修正して公表しました。雨水出水というのは、下水道や水路から水があふれるほう、いわゆる内水のことです。
置いている雨は1時間あたり153ミリ。市はそのあとに、こう書き添えています。
過去に足利市で降った1時間当たりの最大降雨量は68.5mm(令和6年7月22日の集中豪雨)であるため、想定最大規模降雨は約2.2倍の降雨量になります
自分の市に実際に降った最大と、想定の比を書いている市は、このシリーズで初めてでした。153ミリという数字だけでは大きさがわかりませんが、「うちで降った最大の2.2倍」と言われると想像がつきます。
市は範囲の限界も先に書いています。
水防法第14条の2の規定により公共下水道の全体計画区域であり、市内全域を対象としたものではありません
あわせて、浸水深0.5メートル以上が24時間以上続くと想定される区域はない、とも書かれています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
2019年の台風では、18の地区で道路が冠水しました

足利市は2019年(令和元年)の東日本台風の被害を、22の地区に分けて公表しています。市内全域で1,350件。おもしろいのは、道路被害の内訳に「冠水○件」と書かれていることです。
地区ごとに拾うと、冠水の記載があるのは18地区で合計103件。毛野11、北郷11、富田11、御厨9、梁田9、助戸8、小俣8と続きます。御厨地区は、道路の被害9件が9件とも冠水です。
国の一覧に載っている8か所が、このときどうだったかは公表されていません。ただ、市内22地区のうち18地区で道路が水に浸かったということは、掘り下げた8か所以外でも水はたまるということです。
市内全域の内訳を足すと1,541件になり、計の1,350件とは一致しません。ここでは「地区ごとに書かれている冠水の件数を足すと103件」という読み方だけをしています。
この住所は浸水しやすい場所ですか
洪水、内水、土砂災害。見る資料はそれぞれ別の場所に置かれています。1枚ずつ探すのは手間なので、住所を入れるだけでまとめて確認できるページを用意しました。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、千葉市中央区村田町の国道16号のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は非常用電源設備の不作動です。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
翌14日から、全国の直轄国道102か所が点検されています。異常が見つかったのは3か所。関東地方整備局の対象は48か所で、村田町を除いて異常はありませんでした。
ただ、この点検の対象は国が直接管理する国道だけです。栃木県には直轄国道の冠水注意箇所が1つも無いので、足利市の8か所はどれも対象に入っていません。
もし車で水に入ってしまったら

たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さがわかりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 小山市 冠水 どこが危ないの?(栃木県) 同じ県の6か所。5つに「1」から「5」まで番号が振ってあります
- 水戸市 冠水 どこが危ないの?(茨城県) 63か所の半分が直轄国道。栃木とは正反対でした
- 郡山市 冠水 どこが危ないの?(福島県) 23か所のうち21が県道で、市町村道がゼロです
この記事のまとめ
足利市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは8か所。うち5か所の名前が「地下道」で、栃木県でこの呼び方をされているのは足利市のこの5か所だけでした。
栃木県の111か所には、国が直接管理する国道が1つもありません。市の内水の地図が置いている雨は1時間153ミリで、足利で実際に降った最大の68.5ミリの約2.2倍です。2019年の台風では、市内22地区のうち18地区で道路の冠水が記録されています。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【栃木県】」111か所(令和8年6月1日更新)
- 国土交通省 関東地方整備局 道路防災情報Web(ウェブ)マップ(栃木県)の一覧104件と箇所ごとの説明表
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
- 足利市「雨水出水浸水想定区域の指定及び公表」(令和8年5月20日修正)
- 足利市「(令和元年東日本台風)被害の状況」(掲載日 令和5年2月1日)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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