パンゲア大陸が分裂した理由は、プレート運動による引っ張る力で大陸地殻が伸び、裂け目が長い時間をかけて海へ成長したためです。ただし、地球内部のマグマが一度に大陸を割ったわけでも、マントル対流だけが唯一の原因でもありません。
約2億2500万〜2億年前に始まった分裂は、三畳紀から古第三紀まで段階的に続きました。最初は細長い地溝、その一部が若い海、さらに海洋底が生まれる拡大境界へ変わり、現在の大西洋などにつながります。
この記事でわかること
- ✓ 大陸地殻は引き伸ばされ、薄くなって正断層と地溝をつくる
- ✓ 裂け目のすべてが海になるのではなく、途中で止まる失敗したリフトもある
- ✓ 分裂を動かす力はマントルの流れ・海嶺押し・スラブ引きなどの組み合わせ
パンゲア大陸は一度に割れていない
世界地図の大陸を逆向きに動かす動画では、一枚のパンゲアが数秒で分かれて見えます。地質学でいう分裂は、そのような一回の破断ではありません。場所ごとに違う時期に裂け目が生まれ、止まったり、向きを変えたりしながら続きました。
米国地質調査所は、パンゲアの分裂開始を約2億2500万〜2億年前と説明しています。北米とアフリカ、南米の間では三方向へ伸びる裂け目が発達し、そのうち成長した部分が大西洋の海盆になりました。

最初にできるのは海ではなく地溝
読者
大陸に亀裂が入ったら、そこへ海水が流れ込んで海になるの?
海水が入る前に、地殻が伸びて薄くなり、断層にはさまれた土地が沈みます。まず細長い盆地ができ、その後も拡大が続いた場所で海洋地殻が生まれます。
大陸を載せる岩石圏が左右へ引かれると、硬い地殻には正断層ができます。断層の間の地面が落ち込んだ細長い谷がリフトバレー、つまり地溝です。三畳紀の北米東部には、将来の大西洋と平行するリフト盆地が並びました。
引き伸ばしが続くと地殻はさらに薄くなり、下から高温の岩石が上昇します。圧力が下がって一部が溶けたマグマが裂け目に入り、玄武岩質の新しい海洋地殻をつくる段階へ進みます。

揺れた瞬間に、部屋の中で起きることを減らすもの
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裂け目が海へ成長する条件
裂け目が開き続け、中央で新しい地殻がつくられるようになると、二つの大陸片は別のプレートとして離れていきます。低くなった場所へ海水が入り、細い海が生まれ、海洋底拡大が続けば幅の広い海へ成長します。
現在の紅海は、若い海盆を観察できる例です。東アフリカ大地溝帯には、まだ大陸上の地溝として見える区間があります。大西洋中央海嶺では新しい海洋地殻が生まれ、北米・南米とヨーロッパ・アフリカの間は今も広がっています。
「亀裂=必ず新しい海」ではありません。北米中央部のミッドコンチネント・リフトのように、伸張が止まり、大陸内部の古い地質構造として残る例もあります。
プレートを動かす力は一つではない
学校の図では、マントル対流の上にプレートが載り、ベルトコンベヤーのように運ばれる絵がよく使われます。これは地球内部の熱が関わる大きな循環を理解する入口ですが、パンゲア分裂を一つの対流だけで説明するには足りません。
英国地質調査所は、プレート運動の候補としてマントル対流、海嶺押し、スラブ引きの三つを挙げています。冷たく重くなった海洋プレートが沈み込むスラブ引きは、多くのプレートで大きな駆動力と考えられています。
一方、大陸が裂ける場所では、周囲のプレート境界から伝わる力、地殻の古い弱線、上昇する高温物質、重力による力が組み合わさります。どれか一つを「パンゲアを割った真犯人」と断定するより、力が集中した場所でリフトが成長したと捉える方が正確です。

パンゲア分裂の三段階
| 段階 | おおまかな時期 | 主な変化 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 三畳紀〜ジュラ紀 | ローラシアとゴンドワナが分かれ、北大西洋が開き始める |
| 第2段階 | 白亜紀前期以降 | 南米とアフリカが離れ、インド・南極・オーストラリアも分化 |
| 第3段階 | 古第三紀 | 北大西洋の北部や南極・オーストラリア周辺の分離が進む |
「パンゲアはローラシアとゴンドワナに分かれた」という説明は、第一段階を大づかみに表したものです。そこからさらに南米、アフリカ、インド、南極、オーストラリアが別々の経路をたどりました。
インドは北へ移動して約5000万年前にユーラシアへ衝突し、ヒマラヤの形成につながります。大陸分裂は、海が開くだけで終わらず、別の場所で海を閉じ、山脈をつくる動きへ連鎖しました。
大西洋はパンゲアの裂け目から生まれた
北米東岸とアフリカ西岸には、三畳紀末からジュラ紀初めのリフト盆地と火成岩が残ります。約2億年前、北米とアフリカの間で裂け目が成長し、狭い海が開きました。
その後、中央海嶺で玄武岩質の海洋地殻が両側へ追加され、海盆が広がります。現在の大西洋岸はプレート境界から遠い受動的大陸縁となり、海岸沖には厚い堆積物がたまっています。
読者
では、南米とアフリカの海岸線が今もぴったり合うの?
現在の海岸線は侵食・堆積・海面変動で変わります。合うかを見るときは海岸線だけでなく、大陸棚の縁や岩石・化石・古地磁気も重ねます。
分裂は今も終わっていない
パンゲアという一続きの陸地はなくなりましたが、プレート運動は続いています。大西洋は中央海嶺で広がり、太平洋側では古い海洋プレートが沈み込んでいます。地球表面は、海が開く場所と閉じる場所を同時に持ちます。
パンゲア以前にも超大陸が集まり、分裂した証拠があります。将来の大陸配置を予測する研究もありますが、どこで次の超大陸ができるかには複数のモデルがあり、一つに決まっていません。
よくある質問
パンゲア大陸はいつ分裂しましたか?
米国地質調査所は、約2億2500万〜2億年前に分裂が始まったと説明しています。主な分裂はジュラ紀・白亜紀にも続き、場所によって時期が異なります。
パンゲア大陸が分裂した直接の原因はマントル対流ですか?
マントルの流れは関わりますが、それだけを唯一の原因とは言えません。海嶺押し、沈み込むプレートによるスラブ引き、地殻の古い弱線など複数の要素が作用します。
パンゲア大陸に日本はどこにありましたか?
現在の日本列島の輪郭をパンゲア上へそのまま置くことはできません。地質調査総合センターによると、日本海が開いて日本列島が大陸から離れた主な時期は約2000万〜1500万年前で、パンゲアの初期分裂よりはるかに後です。
公式出典
- 米国地質調査所「パンゲアとは」
- 米国地質調査所「プレートテクトニクスの歴史」
- 米国地質調査所「プレート運動の理解」
- 米国地質調査所「プレートを動かす力」
- 米国立公園局「三畳紀とパンゲア分裂」
- 米国立公園局「大陸リフトから海盆へ」
- 英国地質調査所「プレートを動かす力」
- 産総研 地質調査総合センター「日本列島の地質と構造」
※2026年9月14日確認。年代は地質学的な目安で、分裂は地域ごとに異なる時期に進みました。図は仕組みを示す模式図で、距離・厚さ・大陸形状を正確な縮尺では表していません。
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