「ハザードマップで自分の家を見たら、何も色がついていなかった」。この白は、安全という印ではありません。国土地理院のよくある質問に、白い場所には2つの意味があると書かれていて、そのうち片方は安全と関係がないからです。
ひとつは「災害による被害の危険性が想定されている場所ではない」。もうひとつは「現時点で災害リスクに関するデータが未整備の場所」。画面の上では、この2つがまったく同じ白で並んでいます。
全国の住宅地17,613地点を、国が配信している洪水(想定最大規模)の地図で1点ずつ判定しました。色がついていたのは7,180地点。白の中には、標高が0mを下回る住宅地が14地点あります。そのひとつ、大阪市此花区梅香三丁目は−1.8mです。この地点は洪水の地図では白く、津波の地図では浸水想定区域の中にあります。
「ハザードマップ 色なし」「ハザードマップ 白い部分」「ハザードマップ 白いところ」。これは今、検索窓に実際に打たれている語です。同じ並びに「ハザードマップ 見方 難しい」「ハザードマップ 載ってない」「ハザードマップ 意味ない」もあります。調べ方が分からない人の言葉ではなく、調べ終えて画面の前に座っている人の言葉です。
この記事でわかること
- ✓ 洪水浸水想定区域の指定は20,819河川すべてで終わっている。足りていないのは、それをもとに市町村が作る地図と、内水・高潮の地図のほう
- ✓ 下水があふれるほう(内水)のハザードマップを公表しているのは、対象1,121市区町村のうち186市区町村(国土交通省・令和7年3月末時点)
- ✓ 都道府県が管理する川は、許諾が下りた都道府県のぶんだけがタイルで配信されている(国土地理院の記載)

ハザードマップの白には、2つ以上の意味がまざっている
国土地理院が運営する「重ねるハザードマップ」には、よくある質問のページがあります。そのQ23の見出しは、読者の問いそのものです。
「重ねるハザードマップ」で災害リスク情報が表示されない場所は安全ということでしょうか?(国土地理院 ハザードマップポータルサイト よくある質問 Q23)
答えの1文目は、こう書かれています。
災害リスク情報が表示されない場所は、災害による被害の危険性が想定されている場所ではない、もしくは現時点で災害リスクに関するデータが未整備の場所です。(同 Q23)
「もしくは」でつながれた2つのうち、読み取られるのはたいてい前半だけです。後半の「データが未整備の場所」は、危険かどうかをまだ誰も判定していないという状態を指していて、安全とは別の話です。地図はこの2つを塗り分けません。どちらも白です。
白は、危険がないと判定された印ではなく、まだ何も言われていない印のこともあります。
同じ答えの続きには、その白がこれから変わりうることも書かれています。
浸水想定区域図等は作成途上段階にあり、今後、新たな災害リスク情報が追加になる予定であるため、現時点で災害リスクがない場合であっても、状況が変わる可能性があります。(同 Q23)
読者
うちの町は見わたすかぎり白いです。それでも安全とは言えないんですか。
その画面だけでは言えません。白の中身が「想定されていない」なのか「まだ地図が作られていない」なのかは、色から区別できないからです。ただ、どの地図がどれだけ出来ているかは数えられています。
「未整備」は、どの地図のことか
国土交通省が、洪水浸水想定区域の指定と、市町村が公表するハザードマップの数を数えた資料を出しています。まず川のほうから。令和8年3月末時点です。
- 洪水予報河川 441河川のうち441
- 水位周知河川 1,809河川のうち1,809
- 令和3年の水防法改正で新たに対象になった中小河川 18,569河川のうち18,569
- 合計 20,819河川のうち20,819
合計20,819河川のすべてで、洪水浸水想定区域の指定は終わっています。つまり「まだ指定されていない川があるから白い」という説明は、この20,819河川については当てはまりません。ただしここで数えられているのは、洪水予報河川・水位周知河川と、令和3年の改正で新たに対象になった一級・二級河川です。準用河川や普通河川、農業用水路は、そもそもこの指定の対象に入っていません。この指定は水防法第14条に基づくもので、想定し得る最大規模の降雨で川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を、水深や浸水継続時間と併せて公表するものです。
数が足りないのは、その先です。指定された区域をもとに、市町村が住民向けのハザードマップを作って公表する段階があります(水防法第15条第3項)。同じ資料に、その公表状況が載っています。
- 洪水(洪水予報河川・水位周知河川のぶん) 対象1,431市区町村のうち1,420
- 洪水(中小河川のぶん) 対象1,633市区町村のうち1,104。529市区町村がまだ公表していない
- 高潮 対象333市区町村のうち237(令和7年12月1日時点)
- 内水(雨水が下水からあふれるほう) 対象1,121市区町村のうち186(令和7年3月末時点)
大きな川のぶんは、ほぼ出そろっています。1,431のうち1,420です。落ちるのは中小河川と、内水です。
下水や水路があふれるほうの地図を公表しているのは、対象1,121市区町村のうち186市区町村(約17%)です。
残りの935市区町村では、内水の地図そのものがまだありません。地図が無ければ、どの画面で見ても白いままです。私は、Q23が言う「データが未整備の場所」というのは、実務的にはこの3つのような地図のことだと見ています。川があふれる想定は全国で描き終わっていて、足りていないのは下水と、海と、中小河川ぶんの市町村マップです。

土砂災害の線は、9割以上をカバーするように引かれている
土砂災害のほうは、線の引き方そのものに範囲が書かれています。Q16です。
これまでに土砂災害が発生したことのないところでも、土砂災害が発生する場合があります。これは、土砂災害警戒区域の指定基準は、過去の土砂災害の発生状況を踏まえ、土砂災害の9割以上をカバーするよう、地形の形状・形態から決められているからです。(同 Q16)
9割以上をカバーするように決めた、と国が書いているということは、残りは線の外に置かれているということです。カバー率が9割という基準は隠されていません。よくある質問に最初から載っています。
もうひとつ、同じQ16には「指定されない条件」も書かれています。
現在人家等が存在せず将来も見込みがないのであれば、地形的基準を満たしたところであっても、土砂災害警戒区域は指定されません。(同 Q16)
崖の形が基準を満たしていても、そこに家がなければ黄色は塗られません。斜面の性質ではなく、そこに人が住んでいるかどうかで線が引かれています。人が住んでいない斜面は、地形の基準を満たしていても白のままです。
まず自分の住所で確かめる
ここから先は、一般論では進みません。白の中身は場所ごとに違うからです。町の名前でも、市の名前でもなく、番地のある1点で見ることになります。
当サイトの災害リスク診断は、住所を1つ入れると次の項目を1画面に並べます。
- 標高(国土地理院の標高データ)
- 土砂災害警戒区域・特別警戒区域(土石流・急傾斜地の崩壊・地すべりの3種別)
- 洪水浸水想定区域(想定最大規模)
- 津波浸水想定(都道府県が公表している範囲)
- 地盤の微地形区分と、揺れの増幅のしやすさ
- 30年以内に震度5弱から6強が起きる確率と、影響の大きい地震・活断層
読み込んでいる洪水のタイルは、国のハザードマップポータルが配信しているものです。別の機関が別の基準で作り直した地図ではなく、国と同じデータを、住所ひとつで1画面にまとめて出しています。地図の背景も国土地理院のタイルです。
色がついている側の例も出しておきます。東京都江戸川区平井で試すと、2026年9月8日時点でこう返りました。洪水は浸水想定区域内。土砂災害は着色なし。津波も着色なし。30年以内に震度6弱以上が起きる確率は87.9%、地盤の微地形区分は三角州・海岸低地、地盤の増幅率は2.44。
同じ1点で、洪水は色があり、土砂と津波は白です。そしてこの2つの白は、意味が違います。土砂の白は「土砂災害警戒区域に入っていない」で、津波の白は「都道府県が公表している津波浸水想定の範囲に入っていない」です。同じ白でも、何について言われた白なのかが違います。
診断の画面には、こちらで書いた注記も出ます。
標高が低いこと自体は浸水の予測ではありません。(災害リスク診断の注記)
洪水浸水想定区域(想定最大規模)に色が付いているかの簡易判定です。実際の浸水深は自治体のハザードマップでご確認ください。(同)
色がない住宅地にも、標高が低い場所はある
白の中身を場所ごとに見るために、全国の住宅地を1点ずつ判定しました。
使ったのは国土数値情報の地価公示のうち、用途が住宅の標準地です。全国1,525市区町村の17,613地点。その1点ずつについて、国のハザードマップポータルが配信している洪水(想定最大規模)のタイルを取得し、地点を含む3×3画素に不透明な画素が1つでもあれば「色あり」と判定しました。色ありと判定する式は、上の災害リスク診断と同じです。ただし診断は、その拡大率のタイルが配信されていないときに1段粗いタイルへ落として判定するのに対し、この集計は1つの拡大率だけで判定しています。取得に失敗した地点はありません。
- 判定した住宅地 17,613地点
- 洪水の色がついていた 7,180地点(40.8%)
- 色がついていなかった 10,433地点(59.2%)
- 標高の中央値 白は37.1m、色ありは8.4m
- 色がついていないのに標高5m未満 596地点
- 色がついていないのに標高0m未満 14地点
標高の中央値は、白が37.1m、色ありが8.4mでした。全体としては低い土地に色がつき、高い土地が白い。ここまでは地図の作りどおりです。
ずれるのは端のほうです。色がついていない住宅地のうち596地点は標高5m未満で、そのうち14地点は0mを下回っていました。
低いほうから6地点を並べると、こうなります。
- 大阪市此花区春日出中二丁目 標高 −2.0m
- 大阪市此花区梅香三丁目 標高 −1.8m
- 大阪市此花区春日出北二丁目 標高 −1.6m
- 大阪市西淀川区中島一丁目 標高 −1.6m
- 新潟市西区小針六丁目 標高 −1.2m
- 三重県桑名郡木曽岬町大字栄 標高 −1.2m
このうち春日出中二丁目と春日出北二丁目は、洪水のタイルがその拡大率では配信されていない地点でした。1段粗いタイルに落として判定しても白のままです。
もうひとつ。色ありと白が同じ市区町村の中に同居しているのは、1,525のうち906(59.4%)でした。「この市は安全」「この市は危ない」という単位で語れる話ではありません。同じ市の中で、色の有無は分かれます。
この集計の限界も書いておきます。地価公示の標準地は住宅地の代表として選ばれた点であって、家の数ではありません。1点が1軒を表すわけでも、その市の全域を代表するわけでもありません。判定はタイルの画素を見ているので、区域の境目では実際の指定と食い違います。洪水のタイルがその範囲に配信されていない地点も「色なし」に数えました(読者の画面でも同じく何も表示されないので、見え方としては同じです)。そして色がないことは安全を意味しませんし、標高が低いことは浸水を意味しません。この集計が示せるのは、白と標高が別々に動いているという1点だけです。
なお、標高が低い白の上位20地点は、地図の拡大率を1段上げたタイルで取り直しても判定が変わりませんでした。食い違いはゼロです。粗く見たから白かった、という説明はここでは当てはまりません。
読者
標高が低いのに色がつかないなら、その地図は間違っているんですか。
間違いではありません。洪水浸水想定区域は、川があふれたときの想定です。海から入る高潮も、下水からあふれる内水も、担当している図が別です。洪水の図が白いのは、川のぶんについては色がつかなかった、という意味になります。
標高そのものの調べ方は、別の記事に手順を書いています。診断で出た数字の意味を確かめたいときは、こちらが早いです。
海抜マイナス1.8mの住宅地が、洪水の地図では白だった
標高が0mを下回っていた白い地点のうち、低いほうから8地点を、洪水以外の地図でも判定し直しました。同じハザードマップポータルが配信している、高潮と津波のタイルです。
- 大阪市此花区梅香三丁目(標高 −1.8m)… 洪水は白/高潮は色あり/津波は色あり
- 大阪市西淀川区中島一丁目(標高 −1.6m)… 洪水は白/高潮は色あり/津波は色あり
- 大阪市西淀川区佃二丁目(標高 −1.0m)… 洪水は白/高潮は色あり/津波は色あり
- 三重県桑名郡木曽岬町大字栄(標高 −1.2m)… 洪水は白/高潮は色あり/津波は色あり
同じ8地点の中で、新潟市西区小針六丁目(−1.2m)は洪水も津波も白で、高潮はそもそも配信がありませんでした。低いところが必ずどこかの図で色になるわけではありません。

洪水の地図では白かった4地点が、高潮と津波の地図では色がついていました。
同じ場所です。見ている災害が違うだけで、色が入れ替わります。洪水のタブだけを開いて白を見た人は、この地点を「色なし」として持ち帰ることになります。
読者が自分で同じことを確かめられるように、住所を1つ置いておきます。当サイトの災害リスク診断に「大阪府大阪市此花区梅香3-9」と入れると、2026年9月8日時点でこう返りました。
- 土砂災害 … 地点では着色なし
- 洪水浸水想定 … 地点では着色なし
- 津波浸水想定 … 浸水想定区域内
- 30年以内に震度6弱以上が起きる確率 … 53.7%
- 地盤の微地形区分 … 干拓地
- 地盤の増幅率 … 1.99
洪水は白。津波は区域内。地盤は干拓地。この3つが、1つの住所で同時に返ってきます。干拓地というのは、海や湖だったところを堤で締め切って水を抜き、陸にした土地のことです。この地点の海抜が0mを下回っている理由まで、診断の画面が言っているわけではありません。ただ、干拓地と−1.8mが同じ住所で並んで返ってくる、というところまでは読み取れます。

ここで、当サイトの診断の限界も書きます。この診断は高潮と内水を返しません。返すのは標高・土砂・洪水(想定最大規模)・津波・地盤・地震確率です。つまり上の3地点で色がついていた高潮は、診断の画面には出てきません。高潮と内水は、国の重ねるハザードマップと、お住まいの市町村のハザードマップで見てください。国のよくある質問も、Q23とQ24の両方を同じ一文で締めています。
最新かつ詳細な情報については各市町村が作成するハザードマップをご確認ください。(同 Q23・Q24)
色がついている場所も、そのままの意味ではない
ここまで白の話をしてきましたが、色のほうにも読み方があります。色がついた家に住んでいる人が、その色を過大にも過小にも受け取らないために必要な話です。
まず、画面に出ている色が「その地点に想定されているすべて」ではありません。Q12です。
河川の管理区分や大きさに関わらず、予想される浸水深の最も大きい河川の浸水深を表示しています。(同 Q12)
2本の川に挟まれた土地では、いちばん深い1本だけが画面に出ています。もう1本の想定は消えたのではなく、重なって見えなくなっています。深さは足りていても、水がどちらから来るかは色に書かれていません。避難の方向を決めるときに要るのは、深さより「どちらの川の想定か」です。
次に、色の境目の精度です。Q11にこう書かれています。
地図上に表現される浸水深は、計算の基となる土地の地盤高(標高)と、浸水解析そのもの、それぞれに誤差が含まれているものです。誤差が累積しますと、検索する地点によっては、隣接地間で2m以上の比較的大きな浸水深の差として表示される場合がございます。(同 Q11)
隣の家と2m以上ちがう表示になることがある、と国が自分で書いています。「うちは0.5mで、向かいは3m」を番地の差として読む地図ではない、ということです。同じ理由で、色の縁が自分の敷地をかすめているときは、内か外かを1点で決めないほうが実態に近くなります。
そして色の前提になっている雨の規模。Q6に定義があります。
「想定最大規模」の降雨規模とは、1年間にその規模を超える降雨が発生する確率(年超過確率)が概ね1/1000である、その地域において想定し得る最大規模の降雨をいいます。(同 Q6)
「計画規模」の降雨規模とは、長期的な河川整備の目標となる降雨規模であり、河川の重要度に応じて年超過確率が概ね1/10~1/200となるよう設定された降雨をいいます。(同 Q6)
同じ住所でも、想定最大規模の図と計画規模の図では色が変わります。前提の雨が1/1000と1/10〜1/200で、桁がちがうからです。市の冊子で薄い色だった家が、想定最大規模の図では濃くなることがあります。どちらかが誤りなのではなく、条件を書き分けた別の図です。図の名前を見ずに色だけを比べると、この差が「地図によって言うことが違う」に見えます。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
国の地図と自治体の地図で色が違うのはなぜ?
同じ住所を、国の重ねるハザードマップと市のハザードマップで見比べると、色が一致しないことがあります。理由も同じよくある質問に書かれています。
重ねるハザードマップでは水部等のマスキング処理を行っていないため、河川によっては河川管理者が公表している浸水想定区域図と表示の違いが生じる場合がございます。(同 Q14)
精度や誤差その他の詳細な情報については、必ず関係機関の作成した情報をご確認ください。また、背景地図にも誤差があることにご注意ください。(同 Q24)
もうひとつ、そもそも持っている図の枚数が違う時期がある、という事情もあります。洪水浸水想定区域の指定は20,819河川すべてで終わっていますが、それをもとに市町村が作る洪水ハザードマップは、中小河川のぶんで対象1,633市区町村のうち1,104。529市区町村ではまだ公表されていません。国の側にはある図が、市の冊子にはまだ載っていない、ということが起こります。
私は、これはどちらかの地図が間違っているという話ではなく、作る目的が違うだけだと考えています。全国分を同じ手順で1枚に重ねる地図と、1つの市の避難のために作られた地図では、落とせるものと落とせないものが変わります。全国を1枚にする側は、川ごとの個別処理を落とします。落ちた分は、市の地図が持っています。
Q23は、地図の色を使わない判断についても書いています。
災害リスクが表示されない場合であっても、周りと比べて低い土地や崖のそばなど危険を感じる場合には、地方自治体からの避難情報などを参考に必要に応じて避難してください。(同 Q23)
「周りと比べて低い土地や崖のそば」。これは色ではなく、外に出れば目で見えるものです。地図が白でも、自分の家が周囲より低いことは歩けば分かります。国のよくある質問が最後に置いているのは、その順番です。
地図で調べたあと、家に置いておくもの
色がついていても、白でも、家に置くものは変わりません。自治体の備蓄は数日分が前提なので、最初の3日をしのぐ分は各家庭で持っておくものとされています。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
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「重ねるハザードマップ 見れない」「ハザードマップ 出てこない」と検索している人へ
この2つも、実際に打たれている語です。「ハザードマップ 載ってない」も並んでいます。住所を入れたのに何も返ってこなかった、という状態の人がいるということです。
画面が壊れているとは限りません。Q19に、機能が対応している範囲がはっきり書かれています。
「リスクをまとめて調べる機能」および「ポップアップ機能」の洪水浸水想定区域(想定最大規模)は、現在、国管理河川のみ対応しており、都道府県管理河川については非対応となっております(国管理河川においても、富山県と愛知県の一部地域及び渡良瀬川の一部で非対応となっております)。(同 Q19)
住所を入れてリスクを一覧で出す機能と、地図をクリックしたときに出るポップアップ。この2つで洪水を見ている場合、拾ってくれるのは国が管理する川だけです。都道府県が管理する川の想定は、その一覧に出てきません。データが無いのではなく、その機能の対象外です。家の近くを流れているのが県管理の川なら、一覧が空でも不思議ではありません。
同じQ19には、表示そのものが崩れたときの直し方も書かれています。
重ねるハザードマップの機能が正しく表示されない場合、ブラウザのキャッシュを削除することで解消する可能性があります。(同 Q19)
2つ目は、検索そのものの誤差です。
住所検索や現在地検索の機能には誤差があり、検索された地点その場所の情報が表示されない場合があります。(同 Q26)
同じQ26は、こう続けています。
特に視覚障害者の方が文字情報のみを頼りに災害リスクを把握する場合などには、ピンポイントの情報だけでなく、周辺の複数地点のリスクについても確認して面的なリスクの把握に努めていただくことを推奨します。(同 Q26)
3つ目は、Q23の「データが未整備の場所」です。表示に失敗しているのではなく、表示するものがまだ無いという状態が制度としてあります。上で見たとおり、内水は対象1,121市区町村のうち186市区町村しか公表していません。この場合、何度読み込み直しても白のままです。
4つ目は、背景地図の誤差です。Q24が「背景地図にも誤差があることにご注意ください」と書いています。ピンの位置が数十m動けば、区域の境目に建つ家では内と外が入れ替わります。
当サイトの診断について1つだけ書いておくと、この診断は地図に表示されているのと同じ洪水(想定最大規模)のタイルの色を直接読んでいます。そのため、都道府県が管理する川のぶんも判定に入ります。
ただし、そこも全部ではありません。ハザードマップポータルは、このタイルについてこう書いています。
都道府県管理河川につきましては、都道府県の許諾を得てタイルデータの配信を行っているため、一部の都道府県のデータ配信のみとなっております。(ハザードマップポータルサイト 配信データの詳細)
配信の許諾が下りていない都道府県の川のぶんは、国の地図でも当サイトの診断でも白のままです。同じ説明には、もうひとつ書かれています。
なお、東京都の公表図面では浸水深0.1m未満の区域は着色されていないため、本サイトにおいても同様の表現としております。(同)
東京都では、区域の中でも浸水深0.1m未満のところは白で描かれています。白は「想定されていない」「まだ地図が無い」に加えて、「配信されていない」「浅いので塗られていない」でも起きます。
読者
では、何も出てこなかったときは何をすればいいですか。
まずブラウザのキャッシュを消してみてください。それでも変わらなければ、1点で決めずに周りを4方向へ少しずつ動かして見ます。それでも白なら、市のハザードマップを開いて、同じ場所に図があるかどうかを確かめます。
白い家が、次に見るもの
色がつかなかった家が次に見るものは、3つです。どれも地図の色の外側にあります。
1つ目は標高です。周囲より低いかどうかは、雨のときに水が集まる向きを決めます。区域の指定がなくても、まわりから下ってきた水はいちばん低いところに溜まります。
2つ目は、過去にその場所で水が出たかどうかです。想定は将来の計算ですが、浸水履歴は起きたことの記録なので、性質が違います。市区町村が過去の浸水範囲を公表している地域では、そちらのほうが自分の生活の高さに近い情報になります。
3つ目は、地形の形です。まわりの道より低い交差点、アンダーパス、川へ向かう下り坂の底。こういう場所は区域の指定と関係なく水が集まります。見分け方は冠水しやすい場所の見分け方にまとめています。
下水や水路があふれる内水は、この診断でも国の洪水の図でも判定していません。地図そのものが、対象1,121市区町村のうち186市区町村でしか公表されていない段階です。仕組みと、地図が無いときにどこを見ればいいのかは千葉豪雨で死者13人…内水氾濫リスクにあります。保険の側から自分の土地の水災の区分を確かめたいときは水災等地区分の調べ方、これから家を買う人が図のどこを見るかは家を買う前に洪水ハザードマップはどこを見る?が担当です。
雨が降っている当日にやることは、地図とは別の話になります。大雨のとき絶対にやってはいけない6つの行動と台風シーズンに備えよにまとめています。
この記事の引用は2026年9月8日時点の国土地理院 ハザードマップポータルサイトのよくある質問と、国土交通省の公表状況資料によります。掲載データは追加・更新されるため、避難や工事の判断をする前に各市町村のハザードマップで最新の図を確認してください。
よくある質問
ハザードマップの白は、いつ色に変わりますか
いつとは決まっていません。国土地理院のよくある質問 Q23は「浸水想定区域図等は作成途上段階にあり、今後、新たな災害リスク情報が追加になる予定であるため、現時点で災害リスクがない場合であっても、状況が変わる可能性があります」と書いています。新しい図が公表されてから重ねるハザードマップに載るまでにも、チェック作業の期間がかかると同じ答えに書かれています。
洪水の地図が白いのは、まだ指定されていない川があるからですか
違います。国土交通省の資料(令和8年3月末時点)では、洪水予報河川441、水位周知河川1,809、中小河川18,569の合計20,819河川すべてで、洪水浸水想定区域の指定が終わっています。数が足りていないのは、それをもとに市町村が作るハザードマップのほうと、内水・高潮の地図のほうです。
下水があふれるほう(内水)のハザードマップはどこで見られますか
お住まいの市町村です。ただし公表しているのは、公共下水道等の雨水排水施設がある対象1,121市区町村のうち186市区町村(令和7年3月末時点)で、935市区町村ではまだ公表されていません。当サイトの災害リスク診断も内水は判定していません。仕組みは千葉豪雨で死者13人…内水氾濫リスクにまとめています。
住所を入れても何も出てきません。壊れているのですか
壊れているとは限りません。Q19は「リスクをまとめて調べる機能」と「ポップアップ機能」の洪水浸水想定区域(想定最大規模)について「現在、国管理河川のみ対応しており、都道府県管理河川については非対応」と書いています。同じQ19に、表示が崩れたときはブラウザのキャッシュ削除で解消する可能性があるとも書かれています。加えてQ26に検索の誤差、Q23に「データが未整備の場所」があります。
土砂災害警戒区域の外なら、崖崩れは来ませんか
来ないとは書かれていません。Q16は「これまでに土砂災害が発生したことのないところでも、土砂災害が発生する場合があります」とし、指定基準は「土砂災害の9割以上をカバーするよう」決められていると説明しています。さらに、人家等が存在せず将来も見込みがない場所は、地形の基準を満たしても指定されません。
最初の画面に戻ります。「何も色がついていなかった」という、あの白です。海抜が−1.8mでも、洪水の地図では白になります。同じ地点が、津波の地図では区域の中でした。白は安全の印でも危険の印でもなく、その1枚が何を言えたかまでしか分からない、という状態です。言われていないなら、こちらから見に行くしかありません。標高、過去に水が出た記録、地形の形。そして最後に、市のハザードマップです。国のよくある質問が2か所で同じ一文を繰り返しているのは、そこが終点だからだと思います。
出典
- 国土地理院 ハザードマップポータルサイト よくある質問(Q6・Q11・Q12・Q14・Q16・Q19・Q23・Q24・Q26)
- ハザードマップポータルサイト
- ハザードマップポータルサイト 配信データの詳細(洪水浸水想定区域(想定最大規模)の備考)
- 国土交通省 洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ(洪水浸水想定区域=水防法第14条/洪水ハザードマップ=同法第15条第3項)
- 国土交通省「洪水浸水想定区域の指定と洪水・高潮・内水ハザードマップの公表状況」(PDF)
- 国土数値情報 地価公示データ(国土交通省)
- 災害リスク診断(当サイト・住所から標高/土砂/洪水/津波/地盤を判定)
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