「証明書はあとでまた落とせる」。レインズの登録証明書については、これが通りません。証明書は一度しかダウンロードできず、取得したものの再発行はできません。売主に渡す前にファイルを失くすと、手元に証明する紙が無いまま「登録証明書をもらっていない」という電話を受けることになります。専任・専属専任の証明書は、東日本レインズのFAQ(よくあるご質問)の言葉を借りれば「登録後遅滞なく依頼主へお渡しするきまり」です。
ただし「再発行できない」で話が終わるわけでもありません。ダウンロードが失敗したときに所属協会へ頼める証明書と、協会でも出せない証明書があります。どちらになるかは、証明書の種類で決まります。
検索の1ページ目には「再発行は所属協会に電話」と「一度取得すると再発行できない」の両方が並んでいます。前者は旧システム時代の案内(2012年)、後者は2023年の資料です。この記事では、2022年1月から4機構が共同利用しているシステムの公式マニュアルと、宅建協会が会員向けに出した資料の原文だけで、今の答えを並べます。
この記事でわかること
- ✓ 証明書は「証明書発行」を1回押したら終わり。再発行を所属協会(サブセンター)に頼めるのは、ダウンロードが失敗したときだけ。変更・更新の証明書は協会でも出せず、自分でもう一度「物件変更」「物件更新」をする
- ✓ 証明書は登録・変更・更新・成約登録・削除の5種類。入力を1か所直すだけで「変更登録証明書」が出る
- ✓ 取り忘れはMyレインズ(マイレインズ)の「証明書一覧」に90日間残る。「登録日を含め90日」と「発行日から90日」の2つの数え方が資料にあり、安全側は登録日から数える
再発行できるか。現行マニュアルには注意書きが2つある
近畿レインズが会員に配っているクイックマニュアル(2022年1月に稼働した新システム用)は、物件登録が完了した画面の説明にこう書いています。
ダウンロードが失敗した場合は、所属協会(サブセンター)へ連絡して再発行を依頼してください。
同じマニュアルの、登録済み物件を管理する画面の説明には、もう1つの注意書きが続いています。
再度、ご自身で「物件変更」および「物件更新」を行って証明書をダウンロードし直してください。
2つを並べると、答えはこうなります。
| 何が起きたか | 登録・成約登録・削除の証明書 | 変更・更新の証明書 |
|---|---|---|
| ダウンロードが失敗した | 所属協会(サブセンター)に再発行を依頼 | 協会でも不可。自分でもう一度「物件変更」「物件更新」を行い、新しい証明書を取る |
| 取得できたファイルを失くした | 再発行を認める記述は、どの資料にも無い | |
再発行の窓口があるのは「ダウンロードが失敗した場合」だけです。取得できたあとで失くした証明書については、機構のマニュアルは触れておらず、愛媛県宅建協会が2023年3月に会員向けに出した資料が言い切っています。
読者
ダウンロードはできたはずですが、保存先を間違えて見つかりません。これは「失敗」に入りますか。
資料が再発行の理由として書いているのは「ダウンロードが失敗した場合」だけです。取得できたあとの紛失を理由にした再発行は、どこにも書かれていません。協会に電話する前に、ブラウザのダウンロード履歴と、売主へ送ったメールの送信済みを先に探してください。
2022年1月に「変更証明書の再発行」が廃止された
検索結果の答えが割れているのは、誰かが間違えたからではありません。旧システムには「変更証明書再発行」という機能があり、それが2022年1月の新システムで廃止されました。
根拠は、西日本レインズが2021年10月に会員向けに出した移行用のクイックマニュアルです。冒頭の「旧システムからの変更点まとめ」に、廃止される機能が5つ並んでいます。
2 マッチングメール通知 メールによる情報配信は廃止されます。
3 日報検索 日報検索は廃止されます。マッチング検索をご利用ください。
4 変更証明書再発行 変更証明書の再発行は廃止されます。
5 流通図面作成機能 流通図面作成機能は廃止されます。
変更証明書の再発行は、旧システムには存在した機能です。「協会に電話すれば出る」という案内は、この機能があった時代のものと考えると筋が通ります。なお、その2012年の案内ページは2026年9月5日現在、本文が開けません(403エラー)。だからこの記事では、中身を引用していません。
同じマニュアルは、旧システムの証明書そのものについても書いています。「引き継がれないデータ」の1番目です。
新システム移行後は取得できなくなります。再発行もできません。
2021年の年末、旧システムが止まる前に証明書を取り切っておくよう、機構は会員に求めていました。新システムは2022年1月6日の朝7時に稼働しています。このとき「東日本・中部レインズ」「近畿レインズ」「西日本レインズ」の3つに分かれていたシステムが1つになり、4機構が同じ画面を使うようになりました。図面の仕様が変わったのも同じタイミングで、そちらはレインズの図面は2枚目を登録できる?に書いています。
2012年の案内と2023年の資料は、どちらもその時点では正しかったものです。間に2022年1月のシステム統合が挟まっている、というだけの話です
証明書は5種類。入力を1か所直すと「変更登録証明書」が出る
「レインズの証明書は、登録したときに出る1枚だけ」。検索1ページ目に並ぶ売主向けの解説記事は登録証明書の1種類しか書いていませんが、近畿レインズの公開ページは違います。
どの操作でどの証明書が出るかは、クイックマニュアルの「自社登録物件一覧」の説明に、ボタンごとに書かれています。
| 操作(ボタン) | 出る証明書 | マニュアルの説明 |
|---|---|---|
| 新規登録(コピー登録を含む) | 登録証明書 | 物件を登録する |
| 物件変更 | 変更登録証明書 | 「物件情報を変更します。」 |
| 物件更新 | 更新登録証明書 | 「物件登録期間(92日)を延長します。物件情報の変更も同時に行えます。」 |
| 物件削除 | 削除登録証明書 | 物件を削除する |
| 成約登録 | 成約登録証明書 | 物件を成約登録する |
この5種類を知らないと、売主からの問い合わせに答えられない場面が実際にあります。2024年3月30日、Yahoo!知恵袋に投稿された質問です。
金額などの各条件の変更依頼は一切しておりません。これは問題ありませんか?
ベストアンサーは「別に問題ありませんね」の一言でした。売主はそれで安心したかもしれませんが、なぜ問題ないのかは書かれていません。
理由は上の表にあります。変更登録証明書は、登録済みの物件の情報を直したときに出る証明書です。登録されていない物件に「物件変更」はできません。だから、変更登録証明書が届いた時点で、登録は済んでいます。売主が価格を動かしていなくても、担当者が誤字を直す、図面を差し替える、設備の項目を足す、どれも「物件変更」です。
機構自身も、変更登録証明書を売主に渡す前提で書いています。近畿レインズの同じ公開ページです。
読者
売主に「変更登録証明書しか届いていない」と言われました。登録証明書を出し直せますか。
出し直しはできません。取得済みなら、そのPDFをもう一度送るだけです。まだ一度も取っていないなら、Myレインズの「証明書一覧」に残っています。証明書は操作ごとに別の1枚として出るので、変更しても登録証明書が消えるわけではありません。

発行できるのは90日以内。「登録日を含め」と「発行日から」の2つの数え方がある
期限については、資料の数え方が2つあります。どちらも原文で出します。
愛媛県宅建協会の資料(2023年3月)。
近畿レインズのクイックマニュアル。メインメニューに出るメッセージの説明と、証明書一覧の説明です。
お早めに取得してください。
登録証明書なら、登録日と発行日は同じ日なので差は出ません。差が出るのは変更・更新・成約登録・削除の4つです。登録から60日目に成約登録をした場合、「発行日から90日」なら成約登録証明書は登録から150日目まで残る計算ですが、「登録日を含め90日」なら30日しか残りません。
どちらが機構の内部の数え方かは、公開資料からは決められません。だから実務では、すべての証明書を登録日から数えて90日以内に取る、と決めておけば、どちらの数え方でも外れません。もっと言えば、操作した当日に完了画面で【証明書発行】を押すのが、いちばん確実です。
物件の登録期間は「すべて92日(初日不算入)」です(2021年10月・西日本レインズ移行マニュアル)。証明書の90日とは別の数字なので、混ぜないでください

取り忘れた証明書はMyレインズ「証明書一覧」から取る
登録完了画面で【証明書発行】を押し忘れても、90日以内なら取れます。クイックマニュアルの原文と手順です。
① メインメニューのMyレインズにある「証明書一覧」をクリックします。
② 証明書一覧から、ダウンロードしたい証明書の【証明書発行】をクリックします。
取り忘れがあると、ログイン直後のメインメニューにメッセージが出ます。マニュアルの記載は「① 未取得の証明書があります。➡ Myレインズの「証明書一覧」から証明書を取得してください。」です。このメッセージが出ている間は、まだ間に合います。
ここで、愛媛県宅建協会の資料が1行で書いていることを見てください。
押した瞬間にPDFが落ち、その証明書は一覧から消えます。同じ資料に「ダウンロードしたレインズ証明書は一覧から削除されます。」「レインズ証明書はPDF形式で表示されますので、保存が可能です。」と続いています。
つまり、やることは押す前に決まっています。保存先のフォルダを先に開いてから押す。落ちたPDFはその場で印刷し、ファイルは物件の管理番号を付けて社内の共有フォルダに置く。この2つを、証明書発行ボタンを押す手順の中に入れてください。「あとでまた落とせる」が成り立つのは、まだ一度も押していない証明書だけです。
読者
証明書一覧に何も無いということは、もう取ったということですか。
取ったか、90日を過ぎたかのどちらかです。取ったなら、ダウンロードフォルダか、売主へ送ったメールの添付を探すしかありません。90日を過ぎていたら、その証明書はもう出ません。
賃貸は登録するときに「証明書発行有無」を選ぶ
「レインズ 証明書発行有無」という検索語は、登録画面の項目名そのものです。売買の専任・専属専任では登録すれば証明書が出ますが、賃貸は違います。東日本レインズのFAQに注記があります。
この文は貸主に向けて書かれています。貸主の側から「事前に依頼してください」と言われている項目なので、登録する側が「無」のまま進めると、貸主に求められたときに出せません。登録したあとで「有」に切り替えられるかどうかは、公開されているマニュアルにもFAQにも書かれていません。
だから判断は登録の前に済ませます。貸主が管理会社を変えたばかり、家主が複数いる、法人の貸主で社内決裁に紙が要る。こうした案件では登録時に「有」にしておくほうが、あとで「出せません」と言うより安く済みます。
証明書を出す人と営業が同じ人、という前提で手順を組む
ここまでの手順を「事務に任せておけば済む話」と読んだ人がいるかもしれません。会社の規模を見ると、そうはなっていません。
当サイトで集計した兵庫県の宅建業者5,658社のうち、専任の宅地建物取引士が1名だけの会社は4,089社でした。72%の会社で、登録する人・証明書を取る人・売主に渡す人が同じ1人です。神戸市中央区は713社のうち601社、西宮市は536社のうち495社が同じ構造でした(国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を加工して作成。兵庫県のみ集計)。
1人で回している会社ほど、登録の完了画面を閉じたあとに「証明書発行」を押していないことに気づくのが、売主から電話が来たときになります。売主の側は、こう教えられています。真っ直ぐ不動産の2026年3月の記事から引きます。
売主は「3営業日」を物差しにして待っています。証明書を渡していない状態が続くと、登録していないのではないか、取引状況を動かしていないのではないか、と疑われます。「登録証明書を渡していない・説明していない」が取引状況の更新漏れと同じ並びで挙がることは囲い込みは「わざと」だけじゃない|取引状況の更新漏れも指示処分の対象になるに、売主が証明書のQRコードと確認用ID・パスワードで自分の物件の登録内容を見に行く手順は家が売れないのは「囲い込み」かも?売主がスマホで確認する方法に書いています。売主がその記事を読んで手元の証明書を探したとき、まだ渡していなければ、そこで電話が鳴ります。
ここからは私の意見です。再発行できない仕様は、事務の側から見れば不親切です。ただ私は、この仕様を「証明書の交付を登録の直後に固定する仕掛け」として使うほうが得だと考えています。あとで取れるなら、あとに回ります。1回しか押せないから、登録した日に売主へ送る運用しか成り立ちません。
具体的には、媒介契約の管理表に「登録証明書の交付日」の列を持ち、登録した日と同じ日付が入っていない行を毎週拾います。列の作り方は媒介契約を結んだ後の期限管理|レインズ登録の7日・5日と、報告義務の数え方にまとめています。変更・更新・成約登録・削除のたびに証明書が1枚ずつ増えるので、列は「登録」だけでなく操作ごとに持ってください。

物件ページに「このあたりはどんな街か」を、入力ゼロで置けます
自社サイトにタグを1行貼るだけで、住所から相場・災害リスク・土地の高さ・町ごとの成約価格が出る窓を置けます。周辺施設を手で入力する必要はありません。
よくある質問
レインズの登録証明書は再発行できますか
取得できた証明書の再発行はできません。ダウンロードが失敗した場合に限って、所属協会(サブセンター)に再発行を依頼できます。ただし「物件変更」「物件更新」の証明書は協会でも再発行できず、自分でもう一度「物件変更」「物件更新」を行って新しい証明書を取ります。
売主に「登録証明書ではなく変更登録証明書が届いた」と言われました
登録済みの物件を直したときに出るのが変更登録証明書なので、届いた時点で登録は済んでいます。売主には、登録日を示す登録証明書と、直したあとの内容を示す変更登録証明書の両方を渡してください。近畿レインズの公開ページも、修正した内容で変更登録証明書の交付を受けるよう売主に案内しています。
90日を過ぎた証明書は取れますか
取れません。愛媛県宅建協会の資料は「登録日を含め90日以内」、近畿レインズのマニュアルは「発行日から90日間」と書いています。数え方が2つあるので、登録日から数えて90日以内にすべて取ると決めておけば外れません。
賃貸の物件で証明書が出ません
賃貸は登録するときに「証明書発行有無」を選ぶ仕組みです。東日本レインズのFAQは、貸主に対して「必要な場合は、事前に不動産会社に依頼してください」と書いています。登録後に切り替えられるかは公開資料に無いので、貸主に求められそうな案件は登録時に「有」にしてください。
一般媒介でも証明書は出ますか
登録すれば出ます。一般媒介はレインズ登録が義務ではないだけで、登録した物件には登録証明書が発行されます。東日本レインズのFAQでは、一般媒介の場合は媒介契約書の「登録の有無」欄が「有」なら登録する、と案内しています。
出典
- 近畿レインズ会員サイト「近畿レインズIP型システム クイックマニュアル」(PDF・33ページ。「証明書は一度しかダウンロードできません」「ダウンロードが失敗した場合は、所属協会(サブセンター)へ連絡して再発行を依頼してください」「物件変更」「物件更新」の証明書は所属協会でも再発行できない旨、「証明書の保存期限は発行日から90日間」、証明書一覧の手順、操作ごとに発行される5種類の証明書。2026年9月4日取得)
- 西日本不動産流通機構「共通レインズIP型システム クイックマニュアル」(2021年10月 v1.0)(PDF・32ページ。鹿児島県宅地建物取引業協会のサイトに掲載。「旧システムからの変更点まとめ」の「廃止される機能」に「4 変更証明書再発行 変更証明書の再発行は廃止されます。」、「引き継がれないデータ」に「旧システムの証明書は旧システムが稼働している間に取得してください。新システム移行後は取得できなくなります。再発行もできません。」、物件登録期間「すべて92日(初日不算入)」。2026年9月4日取得)
- 愛媛県宅地建物取引業協会「レインズ証明書の発行について」(PDF・2ページ・2023年3月。取得可能な証明書5種類、「登録日を含め90日以内」、「一度取得すると再発行できません」、「証明書発行ボタンは1回しか押せません」、「ダウンロードしたレインズ証明書は一覧から削除されます」、売主向け「売却依頼主用物件確認」の確認用IDとパスワードが証明書の下段に記載されている旨。2026年9月5日取得)
- 東日本不動産流通機構「よくあるご質問」(賃貸物件の登録証明書の発行の有無は登録時に選択できる旨、「登録後遅滞なく依頼主へお渡しするきまり」、一般媒介の「登録の有無」欄。2026年9月5日確認)
- 近畿レインズ「媒介契約制度とは」(証明書は『登録』以外に『変更』『更新』『成約登録』『削除』の合計5種類、修正した内容で『変更登録証明書』の交付を受ける旨。2026年9月5日確認)
- 近畿レインズ「4機構レインズシステム統合化に関するお知らせ」(3つのシステムを統合し4機構が共同利用する旨。2026年9月4日確認)
- 西日本不動産流通機構「2022年1月から西日本レインズシステムは4機構共通レインズシステムに変わります」(PDF。2022年1月6日7時稼働。2026年9月4日取得)
- Yahoo!知恵袋「レインズの登録状況について質問です。専任媒介契約後、仲介業者から届いたのは「登録証明書」ではなく「変更登録証明書」でした。」(2024年3月30日投稿。質問文とベストアンサーを原文のまま引用。2026年9月5日確認)
- 真っ直ぐ不動産(DreamBase株式会社)「レインズを売主が見る方法|登録証明書の使い方と囲い込みの確認」(2026年3月6日。「3営業日以内に送れない理由はありません」の引用元。2026年9月5日確認)
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を加工して作成。兵庫県の宅建業者5,658社、専任の宅地建物取引士が1名のみの会社4,089社、神戸市中央区713社中601社、西宮市536社中495社。集計は兵庫県のみ
数字と引用は2026年9月4日〜5日に各機構・協会の公開資料を直接開いて確認したものです。検索結果に出る2012年の証明書再発行に関するFAQは、本文が開けない(403)ため引用していません。証明書の仕様は改定されることがあるため、操作前にご自身の所属機構の最新の案内をご確認ください。


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