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敷金はいくら返ってくる

🗨️「退去のとき、敷金はいくら返ってきますか?」

敷金から引けるのは、家賃の未払いと、借りた人の責任で傷めた部分の修繕費だけです。日焼けや家具のへこみといった通常の使用による傷みは、借りた人の負担になりません。国のガイドラインでは、壁のクロスは6年で価値が1円まで下がる前提で計算します。

[不動産] この記事の要点

発表日・更新日

2026年9月2日 発表

影響を受ける人
  • これから退去する賃貸の入居者
  • 退去の精算書を受け取って金額に納得できない人
  • 部屋を貸している側の人
目次

引かれるのは2つだけ

敷金は預けたお金です。そこから引けるのは、家賃などの未払いと、借りた人の責任で傷めた部分の修繕費に限られます。国土交通省のガイドラインは、この「借りた人の責任」の線をどこに引くかをまとめたものです。もとになる考え方は、通常の使い方で生じた傷みは家賃に含まれている、というものです。

家具のない明るい部屋。大きな窓と柄のある壁紙が見える
壁のクロスは6年で残存価値1円になる前提で負担割合を計算します(写真: Pexels)

年数がたつほど、借主の負担は下がる

ここがいちばん効きます。ガイドラインは、傷つけた部分の価値を経過年数で割り引いて負担額を出します。最終的な残存価値は1円で、住んだ年数が長いほど負担割合は小さくなります。

部位経過年数の扱い
壁のクロス6年で残存価値1円
畳床・カーペット・クッションフロア6年で残存価値1円
畳表・襖紙・障子紙消耗品なので経過年数を考慮しない
フローリング(部分補修)経過年数を考慮しない
鍵の紛失考慮しない。交換費用の全額が借主負担
ハウスクリーニング考慮しない。通常の清掃をしていない場合に負担

7年住んだ部屋でクロスを汚したとしても、ガイドラインの考え方では負担割合は1円まで落ちています。ただし張り替え工事そのものは行われるので、費用がゼロになるという意味ではありません。

「きれいに使っていたのだから全額戻る」とは限りません

戻る前提で次の家の初期費用を組んでいると、ここで困ります。きれいに使っていても、鍵をなくしていれば交換費用は全額です。通常の清掃をしていなければクリーニング代も乗ります。さらに、ガイドラインは法律そのものではなく、契約書に別の取り決めがあればそちらが優先される場面があります。まず自分の契約書を出してきて、原状回復と敷金の条項を読むのが先です。

改装したばかりの部屋の床に置かれた業務用の掃除機
ハウスクリーニングは経過年数を考慮しません。負担するのは通常の清掃をしていない場合です(写真: Pexels)

どちらが負担するかの分かれ目

借主の負担になりやすい貸主の負担になりやすい
たばこのヤニ・臭い家具の設置による床のへこみ
ペットによるキズ・臭い日照によるフローリングの色落ち・畳の変色
結露を放置して広がったカビ冷蔵庫の下のサビ跡
重量物を掛けたくぎ穴・ネジ穴画びょう程度の穴

補修の範囲にも決まりがあります。ガイドラインは「毀損部分の補修費用相当分」に限るとし、模様あわせ・色あわせのための追加は借主の負担にしないと書いています。壁の一部を汚しただけで部屋全体の張り替え代を求められたときは、この一文が効きます。

精算書が届いたらやること

項目ごとに住んだ年数を書き足して、6年を超えているものに印をつけます。次に、その項目が上の表のどちら側かを見ます。そのうえで納得できない部分だけ、根拠を聞いてください。敷金と原状回復のもめごとは、消費生活センターに寄せられる相談の3〜4割程度を占めるとされています。感情ではなく年数と項目で話すほうが、結果として早く終わります。

生活・仕事にどう効くか

  • 退去の精算:6年以上住んだ部屋のクロス張り替えは、ガイドラインの考え方では借主の負担割合が1円まで下がります。全額を請求されたときは根拠を聞く余地があります。
  • 住み方:たばこのヤニ、ペットのキズ、結露を放置して広がったカビは借主負担になりやすい項目です。入居中の手入れがそのまま金額に出ます。
  • 引っ越しの資金繰り:敷金が全額戻る前提で次の家の初期費用を組むと足りなくなります。戻る額は退去後1か月前後に確定するのが一般的です。

結局どうすればよいか

  • 入居時の写真が残っていないか探す(無ければ退去前に部屋全体を撮る)
  • 精算書を受け取ったら、項目ごとに「何年住んだか」を横に書き足す
  • 納得できない項目は、ガイドラインの経過年数の考え方を示して根拠を聞く

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公式出典

更新履歴

  • 2026年9月2日 初版を公開

※本記事は2026年9月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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