🗨️「台風で車が使えなくなる道って、行ってみるまで分からないの?」
分かります。国土交通省 関東地方整備局が、冠水しやすい道を路線名と地先名まで公表しています。関東甲信の9都県で1,014か所、最多は埼玉県の273か所です。
[交通] この記事の要点
気象庁が2026年8月10日18時45分に発表した進路予報で、台風15号は11日18時に日立市の東南東約40km(中心気圧980hPa・最大風速25m/s)まで進む見込みとなった。関東甲信では、国土交通省 関東地方整備局が「道路冠水注意箇所マップ」を9都県ぶん公表しており、合計1,014か所の路線名と地先名が公開されている。
2026年8月10日 発表
- 11日の夕方以降に関東・甲信で車を運転する人
- アンダーパスや線路の下をくぐる道を通勤・送迎で使っている人
- これから家や土地を買う予定で、通勤経路をまだ確かめていない人
この記事でわかること
- 冠水しやすい道が、路線名と地先名まで公表されていること
- 関東甲信9都県の内訳と、埼玉県に集中している理由
- 水深30cm・60cmで車がどうなるかの実験結果と、その読み方
先に結論
- 冠水しやすい道は、国土交通省 関東地方整備局が路線名と地先名まで公表している。関東甲信の9都県で合計1,014か所
- 最多は埼玉県の273か所。最少の山梨県18か所とは15倍の差がある
- 台風15号は11日18時ごろ、日立市の東南東約40kmを通る予想(気象庁 10日18時45分発表)
- JAFの実験では水深60cmでも時速10kmなら3台とも走り切った。ただし走り切れた車も、車内やボンネット内部が濡れている
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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台風15号は11日夕方に茨城のすぐ沖を通ります
気象庁が8月10日18時45分に出した進路予報では、台風15号(チャンホン)は11日6時に関東の東で中心気圧985hPa、11日18時に日立市の東南東約40km、980hPa・最大風速25m/s・最大瞬間風速35m/sまで進みます。このときの予報円の半径は65kmで、中心が関東の陸地とほぼ接する位置です。12日15時には山陰沖で熱帯低気圧に変わる予想になっています。10日18時の実況は日本の東、990hPa、強風域は北東500km・南西330kmでした。
雨の峠は11日の午後から夜にかけてです。川があふれるより先に起きて、しかも帰宅の時間帯と重なるのが、線路や幹線道路の下をくぐる道の冠水です。
冠水しやすい道は9都県で1,014か所、住所まで公表されている
国土交通省 関東地方整備局は「関東甲信地域における道路冠水注意箇所マップ」を都県ごとに公開しています。同局の説明では、これは「道路等と交差するアンダーパス部や過去に冠水が発生した低い土地に位置する道路」のうち、「異常な集中豪雨時に雨量がポンプなどの排水能力を超え一時的に水が溜まり、通行に支障を来す恐れがある箇所」を示したものです。
公開されているのは地図だけではありません。番号・市町村名・道路の種別・路線名・地先名まで一覧になっています。たとえば埼玉県版には「川越市 市道1084号線 今成4丁目(東武東上線アンダー)」、群馬県版には「前橋市石倉町(石倉アンダー)」という具合に、1件ずつ名前が付いています。明日の夜に沈むかもしれない道は、すでに名前が付いた状態で公開されているということです。
9都県のPDFを開いて一覧の件数を数えると、合計は1,014か所でした。
| 都県(版の区分) | 箇所数 | 更新 |
|---|---|---|
| 埼玉県・さいたま市 | 273 | 令和8年6月10日 |
| 東京都 | 153 | 令和8年6月15日 |
| 神奈川県・川崎市・横浜市・相模原市 | 128 | 令和8年6月1日 |
| 長野県 | 123 | 令和8年5月 |
| 栃木県 | 111 | 令和8年6月1日 |
| 千葉県・千葉市 | 95 | 令和8年6月30日 |
| 茨城県 | 63 | 令和8年6月22日 |
| 群馬県 | 50 | 令和8年6月15日 |
| 山梨県 | 18 | 令和8年6月15日 |
| 合計 | 1,014 | — |
各都県版のPDFに載っている一覧の連番を数えたものです。埼玉県版には「上記の冠水注意箇所は、高速道路会社や道路公社管理の自動車専用道路等は含まれていません」という注記があります。高速道路の通行止めはまた別の基準で決まります。
埼玉が273か所で最多、市町村ではさいたま市の41か所
埼玉県の273か所は9都県の合計の27%にあたります。埼玉県版の一覧を市町村別に数えると、さいたま市41か所、加須市24か所、川口市18か所、久喜市17か所、川越市16か所、熊谷市16か所、深谷市15か所の順でした。東京都版では八王子市12か所、大田区10か所、府中市9か所が上位です。
これは川のそばだけの話ではありません。線路や幹線道路をくぐるためだけに掘り下げられた道が、周囲の雨水を集めます。埼玉県版の地先名を見ると、東武東上線・JR高崎線・国道17号といった名前が繰り返し出てきます。踏切をなくすために道を下げた場所が、そのまま水のたまり場になっているということです。
水深30cmで通れても、車は無事ではない
JAFは2024年10月28日から30日にかけて、三重県伊賀市の試験場で冠水路の走行テストを行っています。電気自動車・ハイブリッド車・ガソリン車(軽自動車)の3台で、水深30cmと60cm、進入速度10km/h・30km/h・40km/hを組み合わせた結果は次のとおりです。
- 水深30cm・時速10km:3台とも走り切った
- 水深30cm・時速30km:走り切ったが、EVとHVはボンネット内部に浸水。ガソリン車は車内にも浸水
- 水深60cm・時速10km:3台とも走り切った
- 水深60cm・時速30km:EVとHVは走り切ったが警告灯が点灯、ガソリン車は車内に大量の水が浸入
- 水深60cm・時速40km:ガソリン車は進入から28.5m地点で停止
ここから読み取るべきは「60cmでも通れる」ではありません。同じ水深でも、速度を上げるだけで結果が変わるという点です。しかもこれは、水深が事前に分かっていて、路面が平らで、決められた速度で走った条件での結果です。夜のアンダーパスに入るとき、運転席から水深は分かりません。
水害ハザードマップが白でも、目の前の道は沈む
ここからは私の意見です。この1,014か所は、家を選ぶときにほとんど使われていないと考えています。理由は3つあります。
1つ目は、公表の形がPDFの地図と一覧だからです。住所を入れて検索できないので、自分の通勤路が入っているかを確かめるには、都県ごとのPDFを開いて目で探すしかありません。2つ目は、都県ごとに別ファイルで、更新も令和8年5月から6月30日までばらついていることです。県境をまたいで通勤する人ほど、確認する手間が増えます。3つ目は、このリストが不動産の広告にも重要事項説明にも出てこないことです。
水害ハザードマップは川があふれたときの想定を示すもので、アンダーパスの冠水は排水が追いつかないときに起きます。ハザードマップで色が付いていない場所でも、そこへ行くまでの道が通れなくなることはあります。物件を見に行くときに確かめてほしいのは、土地の色だけではなく、駅・小学校・病院までの経路にアンダーパスが何本あるかです。
今夜のうちにやること
やることは3つです。まず、自分の都県のPDFを開いて、通勤路と保育園の送迎路に該当箇所があるかを名前で確かめます。次に、あったらその道を使わない代替ルートを1本決めて、同居している家族にも伝えておきます。最後に、11日の夕方以降に車で出るなら、暗くなってからアンダーパスに進入しないと先に決めておくことです。水がたまっているかどうかは、夜だと入る直前まで分かりません。
迂回した先で渋滞に巻き込まれることもあります。11日夜の関東は、道が減るぶん残った道に車が集まります。出発を12日の午前にずらせるなら、そのほうが確実です。
生活・仕事にどう効くか
- 11日夜の帰り道:雨の峠は11日午後から夜。冠水注意箇所は関東甲信で1,014か所あり、埼玉県だけで273か所、東京都で153か所ある。
- 車の修理費:JAFの実験では水深60cmを時速40kmで進入した車が28.5m地点で停止した。走り切れた車でも車内やボンネット内部に水が入っている。
- 住まい選び:冠水注意箇所は水害ハザードマップとは別の資料で、不動産の広告にも重要事項説明にも出てこない。駅や学校までの経路は自分で確かめる必要がある。
結局どうすればよいか
- 自分の都県のPDFを開き、通勤路・送迎路に該当箇所があるかを名前で確認する
- 該当したら、その道を通らない代替ルートを1本決めておく
- 11日の夕方以降は、暗くなってからアンダーパスに進入しないと決めておく
あわせて読む・調べる
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- 災害リスク診断 — 住所から浸水・土砂・地盤のリスクを確認する
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公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「関東甲信地域における道路冠水注意箇所マップ」(9都県版・令和8年5月〜6月30日更新)(2026年6月30日発表)
- JAF ユーザーテスト「冠水路走行テスト ~電気自動車(EV)・ハイブリッド車(HV)・ガソリン車で検証~」(2024年10月30日発表)
- 気象庁 台風情報(台風第15号 進路予報・2026年8月10日18時45分発表)(2026年8月10日発表)
更新履歴
- 2026年8月10日 初版を公開
※本記事は2026年8月10日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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