国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、山口県内に36か所。そのうち山口市は6か所で、防府市と並んで県内最多です。
この6か所を並べていて、地図で探すときに困りそうなことに気づきました。同じ市の中で、名前が「地下道」と「ずい道」に割れています。
三和町地下道、坂東地下道、阿知須駅地下道。そして柏崎上ずい道、柏崎下ずい道。「ずい道」は漢字で書くと隧道で、トンネルのことです。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は山口県36か所、うち山口市は6か所で防府市と並ぶ県内最多
- ✓ 山口市の6か所は「地下道」3・「ずい道」2・住所だけ1
- ✓ 山口県の36か所は市道35・県道1で、国道は1つもない
箇所数は国土交通省 中国地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【山口県】」を1行ずつ数えたものです。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
山口市の6か所

| 場所の名前 | 種別・路線名 | 住所 | 参考標高 |
|---|---|---|---|
| (地先名は住所のみ) | 県道 山口阿知須宇部線 | 小郡下郷 | 3.3m |
| 柏崎上ずい道 | 市道 柏崎駅南線 | 小郡下郷 | 3.3m |
| 柏崎下ずい道 | 市道 新開三軒屋線 | 小郡下郷 | 3.3m |
| 三和町地下道 | 市道 三和町3号線 | 三和町 | 19.5m |
| 坂東地下道 | 市道 勝井下湯田線 | 朝田 | 80.1m |
| 阿知須駅地下道 | 市道 二ノ宮東西線 | 阿知須 | 18.4m |
6か所のうち3か所が小郡下郷(おごおりしもごう)に集まっています。新山口駅のある一帯で、標高は3.3メートル。市内でいちばん低い場所です。
残る3か所は三和町19.5メートル、阿知須(あじす)18.4メートル、朝田80.1メートル。坂東地下道のある朝田は80メートルの高さにあります。低いところにも高いところにも、掘り下げた道があれば同じように水がたまります。
名前の付き方に戻ると、「柏崎上ずい道」「柏崎下ずい道」は、上下2本が並んでいる形です。地図アプリで「柏崎ずい道」と入れても見つからないときは、路線名(柏崎駅南線・新開三軒屋線)か住所(小郡下郷)で探すほうが確実です。
読者
なぜ同じ市で呼び方が違うんですか
この欄は道路の管理者が書いたものを県がまとめているので、書いた人や作られた時期で言い方が変わります。愛媛県では同じ表の中に「アンダーパス」「アンダー」「アンダー(半角カナ)」の3通りが混ざっていました。資料として信用できないという話ではなく、探す側が「表記ゆれがある前提」で当たればいいだけです

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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山口県の36か所に、国道は1つもありません

| 市 | 箇所数 |
|---|---|
| 山口市・防府市 | 各6 |
| 萩市・岩国市 | 各5 |
| 下関市・周南市 | 各4 |
| 柳井市・山陽小野田市 | 各3 |
8市で36か所。県全体でこの数ですから、岡山県85、三重県239と比べるとかなり少ないほうです。
そして種別が、数えてきた県のなかでもきわだっています。
- 市道 35か所
- 県道 1か所
- 国道 0か所
国道が1つも入っていないのは、山口県だけでした。岩手県でも2か所、鳥取県でも2か所はあります。
この違いが、この夏の出来事とつながります。
8月の全国点検に、山口県の箇所は入っていません

令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省の発表によると、原因は「非常用電源設備の不作動」と考えられています。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど冠水のおそれがある102か所が緊急点検されました。8月21日に公表された結果は、3か所で異常あり(中部1・近畿1・沖縄1)。中国地方の対象は4か所で、異常はありませんでした。
ただし対象は、国が直接管理する直轄国道だけです。山口県の36か所には国道が1つもないので、この点検の対象になった箇所は県内にありません。
見に行くのは山口市であり、防府市であり、萩市です。県のページ「道路見えるナビ」では、いま通れるかどうかの情報が地図で出ます。大雨の日は、まずそこを開くのが早道になります。
山口県の36か所は、説明表の備考が全部空欄です。排水ポンプがあるのか、カメラで見ているのかは、この資料からは読み取れません。設備まで書いている県もあります(滋賀県は100か所のうち85か所に排水ポンプと書かれていました)。書き方が県ごとに違うだけで、無いという意味ではありません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
内水の地図があるのは、山口県では2市だけ
大雨で下水や水路が流しきれずにあふれる浸水を「内水」といいます。道路の冠水は、たいていこちらです。
水防法は、想定しうる最大規模の雨が降ったときの浸水を「雨水出水浸水想定区域」として指定・公表するよう求めていますが、国土地理院の「重ねるハザードマップ」に載っている市町村は、2026年9月の時点で全国63件しかありません。
山口県からは下松市と周南市の2つです。山口市は入っていません。
これは山口市が危ないという意味でも、安全という意味でもありません。まだ作られていない、というだけです。
この住所は浸水しやすい場所ですか
山口市の場合、洪水は県の浸水想定区域図、土砂はまた別、道路の冠水は国のリストと県の道路情報です。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。
住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

地下道もずい道も、共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方が県によって違うので、出てくる答えも変わります。
- 広島市 冠水 どこが危ないの? 国の一覧は21か所です
- 福岡市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト45か所に、中央区は1つもありません
- 松山市 冠水 どこが危ないの? 4か所だけ、そのうち3つはJRか空港の下です
- 岡山市 冠水 どこが危ないの? 国の位置図は25か所です
この記事のまとめ
山口市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは6か所で、防府市と並ぶ県内最多。3か所が新山口駅のある小郡下郷に集まっていて、標高は3.3メートルです。名前は「三和町地下道」「坂東地下道」「阿知須駅地下道」と「柏崎上ずい道」「柏崎下ずい道」に割れています。
山口県の36か所は市道35・県道1で、国道はゼロ。8月の全国緊急点検は直轄国道が対象だったので、県内の箇所は1つも入っていません。大雨の日は県の「道路見えるナビ」を先に開いてください。
公式出典
- 国土交通省 中国地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【山口県】」(道路防災情報Webマップ)
- 同 個別箇所説明表 山口県-02-001〜036
- 山口県「道路見えるナビ」(山口県道路情報)
- 山口県警察本部「アンダーパスの冠水に注意!」
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」(令和8年8月21日)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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