国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、徳島県内に19か所。数えてきた県のなかで、いちばん少ない数字です。
そのうち徳島市は5か所。少ないから安心という話にはなりませんでした。5か所の住所を標高で引いたら、1つがマイナスになったからです。
徳島市幸町一丁目、標高マイナス0.5メートル。同じ手順で40を超える市を調べてきて、初めて0を下回りました。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は徳島県19か所、うち徳島市は5か所
- ✓ 徳島市幸町一丁目の参考標高はマイナス0.5メートル
- ✓ 徳島市が公表しているハザードマップに、内水(雨水があふれる浸水)のものはない
箇所数は国土交通省 四国地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【徳島県】」を1行ずつ数えたものです。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
徳島市の5か所

| 場所 | 種別・路線名 | 参考標高 |
|---|---|---|
| 幸町一丁目(JRアンダー) | 国道192号 | マイナス0.5m |
| かちどき橋一丁目 | 県道 宮倉徳島線 | 1.3m |
| 八万町犬山 | 国道192号 | 1.4m |
| 出来島町二丁目〜出来島本町二丁目 | 市道 出来島西本線 | 1.7m |
| 国府町観音寺字井の尻 | 主要地方道 徳島環状線 | 7.0m |
5か所のうち4か所が、標高2メートルを切ります。徳島市は吉野川の河口にできた三角州の上の街なので、市街地そのものが低い土地です。
いちばん低い幸町一丁目は、国道192号がJRの下をくぐる場所。地面の高さが海面より下ということは、水が自然には流れ出ていかないということです。ポンプで汲み上げるしかありません。
この標高は、住所検索で得た代表点の値です。幸町一丁目の中でも場所によって上下しますし、アンダーの底そのものの高さではありません。それでも「まわりが海面すれすれ」であることは変わりません。
同じ手順で調べたほかの市の最低値と並べると、位置づけが分かります。
- 徳島市 マイナス0.5メートル
- 松江市・岡山市 0.4メートル
- 高知市 1.5メートル
- 高松市 1.4メートル
- 青森市 1.6メートル

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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徳島県19か所は、10市町村に散っています

| 市町村 | 箇所数 |
|---|---|
| 徳島市 | 5 |
| 美波町 | 3 |
| 吉野川市・三好市・阿南市 | 各2 |
| 松茂町・上板町・つるぎ町・美馬市・牟岐町 | 各1 |
10市町村で19か所。1つの県で20を切ったのは、数えてきたなかで徳島県だけです(愛媛県27、鳥取県32、高知県32、山口県36と続きます)。
種別の書き方も独特で、「その他市道」「その他町道」「町道2級」という区分が出てきます。県道5・国道4・主要地方道4・その他市道3・その他町道2・町道2級1。1級・2級という道路の等級まで書き分けているのは、徳島県だけでした。
そして19か所すべて、説明表の備考が空欄です。排水ポンプがあるのか、カメラで見ているのかは、この資料からは読み取れません。
徳島市には、内水の地図がありません
徳島市が公表しているハザードマップは4系統です。
- 洪水・高潮ハザードマップ
- 地震・津波防災マップ
- 土砂災害ハザードマップ
- ため池ハザードマップ
大雨で下水や水路が流しきれずにあふれる「内水」の地図は、この中にありません。
国土地理院の「重ねるハザードマップ」に内水(雨水出水)の浸水想定区域が載っている市町村は、2026年9月の時点で全国63件だけです。徳島県からは阿南市・吉野川市・美波町の3つが入っていて、徳島市は入っていません。
ここが、この記事でいちばん引っかかったところです。標高がマイナスになる市街地を持ちながら、内水の地図だけが無い。
読者
洪水ハザードマップを見れば足りませんか
足りないことがあります。徳島県が作った洪水浸水想定区域図は川があふれる想定で、下水や水路があふれる内水は計算に入っていません。県も「指定されていない区域においても浸水が発生する場合がある」と書いています。色が塗られていない場所でも、局地的な豪雨で道が浸かることはあります
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省の発表によると、原因は「非常用電源設備の不作動」と考えられています。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど冠水のおそれがある102か所が緊急点検されました。8月21日に公表された結果は、3か所で異常あり(中部1・近畿1・沖縄1)。四国の対象は9か所で、異常はありませんでした。
徳島市でいちばん低い幸町一丁目は国道192号です。この点検の対象は「直轄国道」なので、国道192号のうち国が直接管理している区間が入っていれば対象になります。ただし国土交通省の公表資料には箇所名までは載っていないため、どの9か所だったかは分かりません。
標高が海面より低い場所では、ポンプが止まることが、そのまま水が引かないことを意味します。千葉の事案が突きつけたのは、そこです。
この住所は浸水しやすい場所ですか
徳島市の場合、洪水と高潮は1枚、地震と津波は別の1枚、土砂とため池はさらに別。内水の地図はありません。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。
住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

アンダーに共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方が県によって違うので、出てくる答えも変わります。
- 高松市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は22か所です
- 松山市 冠水 どこが危ないの? 4か所だけ、そのうち3つはJRか空港の下です
- 岡山市 冠水 どこが危ないの? 国の位置図は25か所です
- 和歌山市 冠水 どこが危ないの? 5か所ぜんぶに排水ポンプ、うち4か所に冠水実績があります
この記事のまとめ
徳島市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは5か所。幸町一丁目の参考標高はマイナス0.5メートルで、5か所のうち4か所が標高2メートルを切ります。徳島県全体の19か所は、数えてきた県のなかでいちばん少ない数字でした。
そして徳島市が出しているハザードマップに、内水のものはありません。洪水の地図で色が塗られていない場所でも、下水や水路があふれれば道は浸かります。まずは洪水・高潮の地図で自分の住所を見て、そのうえで通る道にアンダーがあるかを確かめてください。
公式出典
- 国土交通省 四国地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【徳島県】」(道路防災情報Webマップ)
- 同 個別箇所説明表 徳島県-02-001〜019
- 徳島市「防災マップ」(洪水・高潮/地震・津波/土砂災害/ため池)
- 国土地理院 ハザードマップポータルサイト「重ねるハザードマップ 内水(雨水出水)浸水想定区域(想定最大規模) 掲載状況一覧」
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」(令和8年8月21日)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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