国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、愛媛県内に27か所。そのうち松山市は4か所です。
県庁所在地なのに最多ではありません。いちばん多いのは四国中央市の6か所で、松山市は西条市・今治市・伊予市と並ぶ4か所。
ただ、その4か所の中身がはっきりしています。4か所とも「アンダー」か「地下道」で、うち3か所はJRか空港の下をくぐる道でした。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は愛媛県27か所、うち松山市は4か所
- ✓ 4か所とも「アンダー」か「地下道」。3か所はJRか空港の下
- ✓ 県内最多は四国中央市の6か所。松山市は最多ではない
箇所数は国土交通省 四国地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【愛媛県】」を1行ずつ数えたものです。表の最後に中身が全部空の行が1つ入っているので、行数で数えると28になります。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
愛媛県27か所のうち、松山市は4か所

| 市町 | 箇所数 |
|---|---|
| 四国中央市 | 6 |
| 西条市・今治市・松山市・伊予市 | 各4 |
| 新居浜市 | 3 |
| 西予市・愛南町 | 各1 |
8市町で27か所。県庁所在地が最多にならないのは、このシリーズではめずらしい形です(岡山県も倉敷市32が最多で岡山市26でした)。
種別は市道20・県道3・主要地方道2・国道1・町道1。県道と主要地方道を別の欄に分けて書くのは、数えてきた県のなかでは愛媛県だけでした。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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松山市の4か所

| 場所の名前 | 種別・路線名 | 住所 | 参考標高 |
|---|---|---|---|
| 空港地下道 | 市道 生石169号線 | 南吉田町 | 4.0m |
| JR粟井地下道 | 県道 湯山北条線 | 久保 | 3.0m |
| JRアンダー | 市道 千舟町高岡線 | 南江戸1丁目 | 16.6m |
| 下難波アンダー | 国道196号 | 下難波 | 27.0m |
名前を見れば、どこをくぐるのかが分かります。「空港地下道」は松山空港のそば、「JR粟井地下道」と「JRアンダー」はJRの下。「下難波アンダー」だけ、何の下かは名前から読み取れません。
標高は3.0メートルから27.0メートル。低い土地に集まっているわけではなく、南江戸16.6メートル、下難波27.0メートルと内陸にも散っています。
この4か所の説明表には備考が1件も書かれていません。愛媛県27か所すべて空欄です。排水ポンプがあるのか、カメラで見ているのかは、この資料からは読み取れません。

同じ表に「アンダーパス」「アンダー」「アンダー」の3通り

27か所の地先名を並べていて気づいたことがあります。同じ表なのに、書き方がそろっていません。
- 「◯◯アンダー」(全角)が10か所
- 「◯◯アンダーパス」が5か所
- 「◯◯アンダー」(半角カナ)が4か所
- 「◯◯地下道」が2か所
- 「◯◯ポンプ場」が2か所(西条市の神拝ポンプ場、伊予市の尾崎ポンプ場)
- 住所がそのまま入っているものが3か所、「愛南警察横」が1か所
この差は、実際に探すときに効いてきます。「伊予IC前アンダー」を地図アプリで探すとき、半角カナで入っているものは検索に当たらないことがあります。名前ではなく住所で当たるほうが確実です。
読者
書き方がそろっていないのは、資料として信用できないということですか
いいえ。この欄はそれぞれの道路の管理者が書いて、県がまとめて出しているので、書きぶりが人によって違うだけです。箇所の数や場所そのものは各管理者が出した情報なので、そこは信用していい。読む側が「表記ゆれがある前提」で探せば済む話です
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
松山市の内水の地図は、地下街のまわりだけ「法律の枠」に入っている
松山市には内水(雨水があふれる浸水)の資料が2つあります。中身がだいぶ違います。
1つめは「まつやま内水ハザードマップ」。市の説明によると、平成22年度から平成27年度にかけて作った地区別の地図を1冊にまとめ、平成29年2月から3月に市内全戸へ配布したものです。地区別のマップ1は「浅海・難波/難波・北条・正岡」で、この「難波」は国のリストの下難波アンダーと同じ地名になります。
2つめが「内水浸水想定区域図」で、こちらは対象がぐっと狭いのです。
平成27年に水防法が改正されました。この改正により「内水氾濫により相当な損害を生じるおそれ」がある地区として、主に地下街等が発達した地区について、下水道の水位により浸水被害の危険をあらかじめ地下街利用者に周知する「水位周知下水道」を指定する制度が創設されました
松山市では「水位周知下水道」の指定に向けた検討として、松山市駅前地下街(通称:まつちかタウン)周辺を対象に想定最大規模降雨(1時間最大130mm)における浸水シミュレーションを実施し、内水浸水想定区域図を作成しましたので公表します
市全体ではなく、地下街のまわりだけです。1時間130ミリという想定も、そこだけに当てられています。
国のリストの4か所が全部「地下道」「アンダー」で、市が法律の枠で見ているのも「地下街」。松山で水が問題になるのは、地面より下に降りた場所だということです。

この住所は浸水しやすい場所ですか
松山市の場合、内水は冊子のマップ、洪水は別の地図、地下街まわりはさらに別の区域図です。自分の住所について1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。
住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

地下道もアンダーも、共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。リストの書き方が県によって違うので、出てくる答えも変わります。
- 奈良市 冠水 どこが危ないの? 9か所とも、標高56メートル以上の場所です
- 高松市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は22か所です
- 岡山市 冠水 どこが危ないの? 国の位置図は25か所です
- 久留米市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト9か所は、全部が線路か道路をくぐる道でした
この記事のまとめ
松山市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは4か所。空港地下道(南吉田町)、JR粟井地下道(久保)、JRアンダー(南江戸1丁目)、下難波アンダー(下難波)です。4か所とも地面より下に降りる道で、3か所はJRか空港の下でした。
市が水防法の枠で内水浸水想定区域図を出しているのも、松山市駅前地下街(まつちかタウン)のまわりだけ。松山で水が問題になるのは、地面より下に降りた場所だと、国も市も同じところを見ています。
公式出典
- 国土交通省 四国地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【愛媛県】」(道路防災情報Webマップ)
- 同 個別箇所説明表 愛媛県-02-001〜027
- 松山市「水防法の改正に伴う内水浸水想定区域図の公表」
- 松山市「まつやま内水ハザードマップ」
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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