🗨️「うちの土地を調べたら、サイトによって値段が違うんですが。どれが本当の値段ですか?」
どれも本当です。国が出している土地の値段は年に3回、別々の機関から出ていて、基準日も使い道も違います。相続税の計算に使うのは7月に出る路線価、売買の目安にするなら3月の公示地価と9月の基準地価です。
[地価・住宅市場] この記事の要点
国税庁は令和8年分の相続税路線価を「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で公開している。次に出るのが都道府県地価調査(基準地価)で、毎年7月1日時点の標準価格を各都道府県知事が判定し、例年9月に公表される。令和7年は9月16日に全国21,441地点分が公表され、全用途平均・住宅地・商業地とも4年連続の上昇だった。
2026年8月26日 発表
- 相続した土地の税額を自分で見積もりたい人
- 実家や土地を売ろうか迷っている人
- 買おうとしている土地の値段が妥当か知りたい人
この記事でわかること
- 3つの価格の基準日・公表時期・出しているところ
- 自分の目的ならどれを見ればいいか
- 9月に出る基準地価で何が分かるか
3月・7月・9月。土地の値段は年に3回、別々の役所から出ます
土地の値段を調べていて、サイトごとに数字が違って戸惑った人は多いはずです。数字が割れているのは、どれかが間違っているからではありません。国が出している土地の値段が、そもそも3種類あるからです。
| 地価公示 | 相続税路線価 | 都道府県地価調査(基準地価) | |
|---|---|---|---|
| 出しているところ | 国土交通省 土地鑑定委員会 | 国税庁 | 都道府県知事 |
| 根拠 | 地価公示法 | 相続税・贈与税の評価 | 国土利用計画法施行令 |
| いつ時点の値段か | 毎年1月1日 | 毎年1月1日 | 毎年7月1日 |
| いつ出るか | 3月 | 7月 | 9月 |
1月1日時点の値段が3月と7月に、7月1日時点の値段が9月に出る。ここが分かると、数字が割れて見える理由の半分は片づきます。
3つもあるなら、どれか1つにまとめてくれればいいのに。
そう思いますよね。ただ、使い道がまるで違うんです。路線価は税金を計算するための価格で、公示地価と基準地価は取引や公共事業の目安になる価格です。目的が違うので、1つにまとめると片方が使えなくなります。
自分の目的で、見る価格は1つに絞れます
3つ全部を見比べる必要はありません。やりたいことが決まっていれば、見るべき価格は1つです。
- 相続した土地の税額を見積もりたい → 路線価
- 売り出す値段の目安がほしい → 公示地価と基準地価
- 買おうとしている土地が高くないか知りたい → 公示地価と基準地価、それに実際の取引価格
相続でよく間違えるのが、基準日です。相続税の土地の評価に使うのは、亡くなった年の1月1日時点の路線価です。7月に亡くなったからといって、7月時点の値段を使うのではありません。
国土交通省は、地価公示の役割として「土地取引の指標」「不動産鑑定の規準」「公共事業用地の取得価格の算定基準」に加えて、相続税評価と固定資産税評価の基準を挙げています。税金の価格も、もとをたどると同じ地価公示につながっている、という関係です。
9月に出る基準地価は、半年ぶん新しい値段です
この3つのうち、いま次に出るのが都道府県地価調査です。国土利用計画法施行令に基づいて、各都道府県知事が毎年7月1日時点の標準価格を判定します。
前回、令和7年の調査は2025年9月16日に公表され、全国21,441地点が対象でした。結果は全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続の上昇で、上昇幅が拡大。三大都市圏だけでなく、地方圏も3年連続で上昇しています。
基準地価の使いどころは、3月に出た公示地価から半年たった地点で、向きが変わっていないかを見ることです。1月1日と7月1日、同じ年のなかに半年ずれた2つの断面があるので、上げ止まったのか、まだ伸びているのかを年の途中で確かめられます。
このエリアの相場はいくらですか?
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公的な価格は「点」でしかありません
ここからは私の見方です。3つの価格は制度としてよくできていますが、売り買いの現場で使うときには弱点があります。どれも、選ばれた地点の値段でしかないことです。
令和7年の地価調査は全国で21,441地点でした。日本の市区町村はおよそ1,700あるので、単純に割れば1市区町村あたり十数地点です。町ひとつに1地点しかない、ということも実際に起こります。自分が見ている土地の隣に地点があるとは限りません。
だから私は、公的な価格は「向き」を知るために使い、「いくらか」は近くの実際の取引価格で確かめる、という分け方をしています。上がっているか下がっているかは公的な価格が教えてくれます。自分の土地がいくらかは、教えてくれません。
生活・仕事にどう効くか
- 相続の申告:相続税の土地の評価に使うのは路線価。1月1日時点の価格なので、亡くなった日が7月でも、その年の1月1日時点の路線価で計算する。
- 売り出し価格を決めるとき:1月1日時点の公示地価しか見ていないと、半年分の動きが抜ける。7月1日時点の基準地価を重ねると、直近の向きが分かる。
- 買うとき:公示地価も基準地価も、選ばれた地点だけの価格。自分が見ている土地の隣に地点があるとは限らないので、実際の取引価格と併せて見る必要がある。
結局どうすればよいか
- 自分の目的が税金なのか売買なのかを先に決め、見る価格を1つに絞る
- 9月に公表される都道府県地価調査で、自分の市区町村の地点を確認する
- 公的な価格だけで判断せず、近くの実際の取引価格と並べて見る
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公式出典
- 国土交通省「地価公示」(2026年8月26日発表)
- 国土交通省「都道府県地価調査」(2026年8月26日発表)
- 国土交通省 報道発表「全国の地価動向は全用途平均で4年連続上昇~令和7年都道府県地価調査~」(2025年9月16日発表)
- 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」(2026年8月26日発表)
更新履歴
- 2026年8月26日 初版を公開
※本記事は2026年8月26日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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